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1分間のミステリー事件簿2 作者:えぞかわらんき

三 江戸川乱歩 幻の作品事件

  「ついに江戸川乱歩先生の幻の作品が発見されたのですよ!!」いつもフェイスブックで学者然とした白髪の下田が言った。「おおまかなところで問題がないかどうか、生の原稿を確認して欲しいのです」「もちろんです。ちょっと拝見してもよろしいですか?」偶然にもこの場にいた織田原が言った。織田原はかなりの江戸川乱歩マニアであった。
「ええ、どうぞ」下田は生の原稿を織田原に手渡した。
「特に問題なさそうじゃないか」織田原の友人の海老が言った。海老氏は有名な某出版社に務めていた。
「江戸川乱歩先生は怪奇小説家というイメージが強かったですが、晩年には子供たちから大絶賛された少年探偵団の推理小説を執筆されていました。しかし、今こうして彼が亡くなる前に書いたこの怪奇小説こそ幻の作品ですよ。陰獣よりも歯切れがよく、素晴らしい結末の作品ですよ!」下田は興奮した感じでそう言った。
「しかし、この生の原稿が果たして江戸川乱歩先生本人が書いたかどうか分かりませんよ。他人の原稿でひと儲けしようと企てている詐欺師の可能性もあるし・・・」海老氏はそっと織田原に耳打ちした。
「詐欺師ですね!!」と織田原は躊躇することなく答えた。
織田原はこの原稿のある一部分を着目したからであった。(下記の通り)

(本文中略)
そこで君はこう言った。「あれを見て下さい!」
はて!?私は何のことかさっぱり分からなかった。分からなかったが、どうしてもその節穴を覗き込んだのである。

問三 どうして織田原は下田氏が詐欺師だと確信したのでしょうか?(ヒントはこの原稿の一部分です。)
(制限時間1分間の推理をして下さい。答えは下記の通り)




















正解三 織田原はかなりの江戸川乱歩マニアでした。
もし江戸川乱歩先生本人が書いていたらこの原稿の一部分は絶対こんな感じになるからです。

(本文中略)
そこで君はこう言った。「あれをご覧なさい!」
はてな。私は、何のことか、さっぱり、分からなかった。分からなかったけれど、どうしても、その節穴を覗き込んだのである。

江戸川乱歩先生にしては、読点が少ないのと、物語の登場人物が疑問に感じた時は、はて!?という表現ではなく、はてな、が常識です。もう一つ「あれを見てください!」という下品な表現はしません。「あれをご覧なさい!」という上品な言い回しをするはずです。否定形は、が、ではなく、けれど、という表現をするはずです。
織田原任三郎でした・・・。
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