一 列車殺人事件
「2014年11月18日火曜日の午前5時、駅近くのコンビニでサンドイッチと缶コーヒーを買いましたよね?」地方検事が尋ねた。「はい」殺人罪で起訴されている松村が答えた。「だが、通路を挟んだ隣の女性が刺されて死んでいたことは一切見ていないと?ほんの一メートルも離れていなかったんですが」「ええ、僕はタブレットで朝のニュースの記事を読んでいたんで」「レジの人があなたのことを覚えていましたよ。かなり急いでいたそうですね。購入金額の合計が432円。あなたは1000円札で支払って、釣りも受け取らずに慌てて出ていきましたよね?」「ええ、列車に乗り遅れそうだったので」「列車の時刻には気づいていたのに、隣の席にいた女性が死んだことには気づかなかったんですか?―女性の胸にはナイフが突き刺さっていたのに」「目に入ったかどうか私にはわかりません。特に意識してなかったんで。私はタブレットでニュースや経済の記事を読むのに夢中だったんです」「記事を読むのにどのくらい時間がかかりましたか?」「ほんの数分ですよ。それを読み終わったときに時間を確認したんです。」「その時刻を覚えていますか?」「午前5時23分でした」「青森行きの出発時刻は5時25分。出発時刻の2分前で間違いありませんね?」「はい、間違いありません」
法廷の後ろで、織田原が勝村警視に身を寄せて、そっとささやいた。「午前5時が鍵となりそうですね。彼の所有しているタブレットをよく調べあげることだ。彼は殺人で有罪にならないにしても、偽証罪は免れません・・・」
問一 どうしてでしょうか?
(制限時間1分間の推理をして下さい。答えは下記の通り)
正解一 被告は朝のニュース記事を確認するのに忙しくて、女が殺されたことは気づかなかったと主張していますが、そんなことはありません!この日は午前5時から6時まで、彼の所有していたタブレットはメンテナンス時刻となっていたわけですから、ネットを閲覧するのは不可能でした。
織田原任三郎でした・・・。
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