【STAP問題】厳しい目、寛容さを失う社会を象徴か 騒動の背後に
「夢の細胞」をめぐる一連の騒動は一体、何だったのか―。26日、理化学研究所の調査委員会は小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏(31)による捏造(ねつぞう)をあらためて認定し、STAP細胞がなかったことはほぼ確実とした。前代未聞の不正に社会は揺れ続け厳しい目が向けられたが、寛容さが失われた今の時代の断面が表出したとみる識者もいる。
「『研究犯罪』とでも言うべき許されない行為。 多くの国民を振り回し、科学への不信感を抱かせた」。教育評論家の尾木直樹(おぎ・なおき)法政大教授は手厳しい。研究成果の発表当初は、再生医療の新たな展望が開けると大きな期待が寄せられていたことも重大視。「患者にいったん望みを持たせておいて、それを破壊した。こんな残酷なことはない」と批判する。
理研調査委の報告書については、全容解明には至らなかったが、「一つの着地点になったと思う」と評価。一方で、STAP論文共著者の一流の研究者が不正を見抜けなかったことも判明し、「科学の倫理はこんなにいいかげんなものなのか」と疑念を示した。
作家の雨宮処凛(あまみや・かりん)さんは「ふんわり系で、モテる女子を体現したような存在。科学の世界に希望の星として降臨した」と分析。問題がここまで世間の耳目を集めたのは、小保方氏本人の個性も作用していたとみる。
壁がピンク色に塗り替えられた実験室、 ムーミンのグッズや白衣代わりのかっぽう着は繰り返しニュースに。理系好きの女子を意味する「リケジョ」の言葉もちまたにあふれた。
だが、論文の疑惑発覚後、小保方氏に向かった強いバッシングには違和感を拭えないという。
「若い女性で成功した。報われない人が多い今の日本の社会で、一番たたきがいがある存在」。組織としての理研にも責任はあるはずなのに、「全ての責任を1人の人間に丸投げしている。楽な方法なのだろうが、あまりにもえげつない」。
文芸評論家の山崎行太郎(やまざき・こうたろう)さんは「まだ誰もやっていない成果を追い求めるのが科学者。断罪するようなことは絶対に良くない」と小保方氏を擁護。一連の騒動が、寛容さを失っていく社会の風潮を象徴しているように見えてならないと振り返った。
「正解しか許されない場所から、果たして世紀の大発見が生まれるだろうか」。今後多くの研究者が萎縮し、科学研究の現場に悪影響をもたらすかもしれないと危ぶんだ。
(共同通信)
単なるミスと実験結果の捏造を同じ目線で考えるのはありえない事ですね。
小保方による研究不正が行なわれていた事は間違いありませんが、それを許すのが寛容と言うのでしょうか?もちろん反省して2度としない事を認めるなら許すべきですが、意図的に捏造していた事は調査委員の結果で明らかになっていますこの事を不問にふす事は日本の科学研究は捏造天国になれば良いとでも考えているのですか?
その点を明確にして下さい!
そうでなければ報道機関としてはあまりにも無責任です。
投稿者 讃岐の親方 : 2014年12月27日 22:21
寛容という言葉の意味を勘違いしていませんか?それとも今回のこの騒動を単なるミスと思っていらっしゃるのでしょうか?単なるミスなら一度や二度の失敗は誰にもありますから許されるべきでしょうが、「捏造」はある意味犯罪ですよ。ミスではないでしょう?悪意を持ってなされたことに寛容である必要はないんじゃないんですか?
当然理研にも責任はありますから「小保方さん一人が断罪される」というのはおかしいですが、理研は過ちを認めているでしょう?唯一認めていないのが小保方さんであり、挙句の果ては弁護士まで使って自分を擁護するという暴挙を行っています。そんなことをすれば叩かれるのは当然でしょう、自分の過ちを認めようとしないんですから。
少なくとももっと早い段階で認めていればここまで叩かれることはなかったと思いますよ。日本人は寛容な民族なんですからね。
投稿者 teru : 2014年12月28日 11:04