人口減少の進むなか、文部科学省が小中学校の統廃合をめぐる手引をまとめた…[続きを読む]
スーパーの店頭などで、バターの品不足が続いている。 需要が膨らむクリ…
スーパーの店頭などで、バターの品不足が続いている。
需要が膨らむクリスマスシーズンを経て、国による緊急輸入と国内乳業大手の増産が効いてくると見られるが、品薄を一気に解消するのは難しそうだ。
根本的な原因は生乳の生産が減っていることだ。生乳はまず鮮度が求められる牛乳や生クリームに加工され、保存がきくバターは最後に回される。生乳の需給の変化がバターの過不足に直結する構図で、バター不足はここ7年で4度目だ。
エサにする穀物の国際相場の上昇や円安に伴う負担増、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で乳製品の関税引き下げがテーマになっていることへの不安……。生乳の生産減には多くの要因がからむが、ここは構造的な課題に目を向けたい。
国内の乳牛頭数がピークだった80年代半ばと比べ、農家1戸あたりの飼育頭数は75頭と3倍になった。しかし、その内実は総頭数が3分の2に、農家数は5分の1強に急減した「縮小」である。労働時間の長さなどが敬遠され、農家の高齢化と後継者不足に歯止めがかからない。
今年度は、国内で消費するバターの2割近くを輸入に頼る見通しだ。その場しのぎの対応は限界だろう。量と質の両面で消費者が求めるバターを確保するには、国内の生産・流通面のてこ入れはもちろん、海外からの調達力も高める「二兎(にと)を追う」ことが欠かせない。
バターは現在、事実上の国家貿易の対象品目だ。高い関税で輸入を管理しつつ、高関税の代償として国際ルールで義務づけられた輸入枠を消化しながら、足りなくなったら国の判断で緊急輸入するのが基本だ。
しかし、ふだんは市場を閉ざし、必要な時だけ買い付けるやり方で安心できるのか。新興国や途上国の経済発展で世界の乳製品消費は増えると見られる。段階的にでも市場を開放し、買い手としての存在感を高め、安定確保につなげてはどうか。
国内の生産・流通には、変化の兆しがうかがえる。
酪農が盛んな北海道では、TPP交渉で対立しがちな乳業大国、ニュージーランドの資金負担で、同国が得意とする放牧による低コスト経営を広げるための調査研究が動き出した。国内で生産された生乳は全国に10ある指定団体に集める体制が確立しているが、個々の酪農家の創意工夫を促そうと、流通ルートを増やす規制緩和も始まった。
あらゆる知恵を動員し、業界の「常識」を見直す。こうした取り組みの加速が不可欠だ。
PR比べてお得!