一 ヒッチハイカー事件
「ふうーっ。乗せていただきどうもありがとうございます。」
青年は黒いリュックサックを背中から下ろして、エアコンがギンギンに効いたトラックのハンドルを握っている50代前半の男の助手席に乗り込んだ。「いやあーしかし今日は暑いですね?」「全くだ。」トラックの運転手が答えた。青年は一息つきたい気持ちとなり、リュックサックからとても冷えたガリガリ君のアイスキャンディを取り出して、その一つを運転手の男に差し出した。「いや、いらねえよ。」アクセルを全開に踏み込みながら、運転手の男が答えた。「ハハハハ、誰かを追跡でもしているんですか?」「ついさっきだ、山梨某銀行が四人組の強盗に襲われてな。黒い大型のジープで逃走したんだ。」
「えっ。」ヒッチハイカーは驚いた。「ほんの数分前に黒いジープを見ましたよ。それも四人の男達が乗っていました。危うくもう少しでひかれるところでしたよ。一時間以上も待って、ようやく目の前を通りかかった車だったのに・・・。でも、その車は右に曲がって東に向かいましたよ。南じゃなくて。」それを聞いた運転手の男は急ブレーキをかけて、車をUターンさせた。「おい、今日は道路に陽炎が立っているよな。」「そうですね。」ヒッチハイカーもうなずいた。
今日は日陰でも軽く摂氏三十五度以上あるだろう。
「あれっ、曲がり角を通り過ぎましたよ。一体何処に向かっているのですか?」「警察署さ。」ぶっきらぼうな感じで運転手の男はそう答えた。
問一 どうしてトラックの運転手はまっすぐ警察署に向かったのでしょうか?
(制限時間1分間の推理をして下さい。答えは下記の通り)
正解一 警察署に着くと、ヒッチハイカーは、自分は強盗の一味で、追っ手をかく乱させる為にあえて残ったことをすぐに白状しました。「とても冷えた」ガリガリ君のアイスキャンディを取り出して、その一つを運転手の男に差し出したことを考えると、彼は明らかに嘘をついているからです。摂氏三十五度以上の暑さの中を一時間以上立っていたのなら、アイスキャンディはとっくに軟らかく、溶けているはずです。
織田原任三郎でした・・・。
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