TINAMIX REPORT
TINAMIX
『学園戦記ムリョウ』製作発表会レポート
第一話、第二話

スタッフの紹介、コメントが一通り終了した後、さっそく試写がはじまる。なんといってもまずはフィルムありき、である。

第一話。冒頭、襲来する宇宙人、風のように現れ、それに向かう謎の巨人。敵らしき者と対峙する正義の味方、そんなふうに感じることもできるシーンの後にオープニングへ。とするならばOPテーマはそうしたプロローグを高揚させるようなアップテンポの曲、そして画面はテンポの早いカット割り……と来るのが定番である。しかし、「ムリョウ」はそれをあえて意図的に排除した。用意されていたのはスローバラードのOPテーマと、落ち着きを持ってゆっくりと流れるシーン。ここでも、従来のアニメの文法に疑問を感じ、必要であればそれを崩すという監督の姿勢が伺えた。

第二話…と、フィルムが進むにつれ、「普通のキャラクター」で描写された「穏やかな日常」の魅力を少しずつ感じていくことが出来る。近未来という設定ではありながらも、人の触れ合いにある種のリアリティを感じ、そこが見ているものに心地良い安心感となって残るのだろう。誰もが安心して見られる映像作り、その一本筋の通ったコンセプトの一部を垣間見た。

NHKという放映局

ここ数年、TVアニメの放映局および放映時間帯は分散傾向にある。過去に遡ればキー局の18時、19時というゴールデンタイムに設定されていたものは数多くあったが、今は深夜時間帯、またWOWOWのスクランブル放送など、一部のマニア層を意識した設定になっているものが多くなっている。そうした状況を考えれば、BS放送とはいえ、NHKによる放映の意義は大きい。

さらに「NHK」という選択肢は、放映終了後(もしくは放映中)に、地上波放映枠に降りてくる可能性があることを意味する。「カードキャプターさくら」も最初はBSでの放映開始後地上波放映となったし、かつて佐藤監督のてがけた「飛べ!イサミ」にしても後にBSと地上波でそれぞれ再放送がかかった。

「ムリョウ」は確かに地味な作品かも知れない。しかし同時に、万人に広く受け入れられる可能性のある作品でもある。だがたった一度の放映機会だけだとしたら、どこまで受け入れてもらえるだろうか。民放では実現しにくい、NHKならではの再放送体制が追い風となったとき、「ムリョウ」はきっと多くの人に支持される作品となっていくだろう。

写真
勢ぞろいした主要スタッフ・キャスト。佐藤竜雄監督(前列中央)の意気込みが伝わってくる。
「ムリョウ」のこれから

「ムリョウ」は、制作発表会ではまだ2話までが試写されたにすぎないし、なによりもまだ放映は始まっていない。

だからあえて厳しい言い方をすれば、現時点で「ムリョウ」に過度の期待をするのはいささか早計かも知れない。しかしスタッフの意気込みと現段階で提示された60分のフィルムを見る限りは、この「ムリョウ」を応援する価値は十二分にあると感じている。

初回放送は5月8日(火)。放映開始まであと一週間。

「すべてはフィルムを見てください」という佐藤監督の言葉に期待しつつ、その放映を待とうではないか。◆

『学園戦記ムリョウ』 NHK BS-2にて 2001年5月8日(火)午後6時30分スタート(全26話)
関連URL→『学園戦記ムリョウ』公式サイト(http://www.muryou.gr.jp/)

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