2015-01-19

http://anond.hatelabo.jp/20150119051958

まー、なんか答え出てしまっているけど、ライトノベルというのは、「馬鹿にされることをみずから望んでいるジャンル」だから、という話にしかならない。

ここらへんが、「オレたちをブンガクとして認めろ!」という異議申し立てを行った、SFミステリ大衆文学とは根本的に異なる。

なぜなら、ライトノベルというのは、マンガしか読んだことのない、マンガしか読めない小中学生に、「これならぼくでも読めそう!」と思わせなければならないジャンルからである

ラノベ側が「オレたちはブンガクだ!」と異議申し立てをした瞬間、「そんな難しいものぼくたちには読めません」と、このメインの読者を取り逃がすことになる。

ライトノベルとは言わば駄菓子であって、そのチープな雰囲気こそが最大の魅力であり、みんながよってたかって馬鹿にすることによってこそ、「そんな本ならぼくでも読めるかも……」と小説を読んだことのないガキを引き寄せるのである(その内容が本当に「駄」で「チープ」かはまた別の話だ)。

から最近ラノベ()」というのは、ラノベ批判ではない。

たとえ本人がそのつもりでも、あれはラノベステマなのである

だって今日から一年間、ありとあらゆる人間が、「ライトノベルは素晴らしいブンガクだ! みんな石川博品を読め!」と大合唱をはじめて見ろ。少数のブンガクオタクと引き替えに中学生が離れて速攻で滅ぶ。

そういうわけで、繰り返すが答えは、

ライトノベルというジャンル馬鹿にされることを望んでいるから」

ということになる。




以下余談:

ラノベというのは、漫画でいえば少年漫画のようなものではないか。」という指摘は、半分正しく、半分間違っている。

実際「ライトノベルとはマンガしか読めない中学生が読めるマンガのような小説であるのなら、「ジャンプに載ってるマンガみたいな小説」が、いっぱい読めるジャンルになっていてもおかしくはなかった。

……何かが奇跡的に上手くいって、ジャンプみたいな小説サンデーみたいな小説マガジンみたいな小説が並び、ちょっとコアな読者向けにアフタヌーンみたいな小説とかコンプエースみたいな小説も並び、そんな多様な「マンガみたいな小説」がいっぱいあって、「マンガみたい」だと馬鹿にされるから小説より遙かに広い、マンガと同じだけの読者層を持つようになる。それが、私がかつて夢想した、ラノベ未来であった。

なぜそうならずに、

コンプエースに載ってるマンガみたいな小説しか読めないジャンル

になったかと言えば、これはもう単純で、シェア握ってるのが今も昔もKADOKAWAから、という話にしかならない。

ジャンプマガジンサンデーも、みんなコンプエースの後追いしかしない少年マンガ界……というのが、残念ながら現在ライトノベルである

馬鹿にされること」は、ライトノベル武器である

が……それはそうと、もう少し別の形のライトノベルは、ありえたのではなかろうか、とは常々思っている。

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  • なぜラノベは馬鹿にされがちなのか

    ラノベってのは、とにかく馬鹿にされる。 文章が稚拙で、ストーリーも粗雑らしい。 小説ではない、と言う人もいる。 小説の形式を取ってはいるが、 とにかくこんなものは小説じゃな...

    • http://anond.hatelabo.jp/20150119051958

      まー、なんか答え出てしまっているけど、ライトノベルというのは、「馬鹿にされることをみずから望んでいるジャンル」だから、という話にしかならない。 ここらへんが、「オレたち...

      • http://anond.hatelabo.jp/20150119153008

        確かに一社寡占による偏りはありつつも、しかしそれを防ぐ努力はそれなりになされているよ。 角川傘下のエンターブレインがコミックビームやハルタを出しているように。

    • http://anond.hatelabo.jp/20150119051958

      涼風ハルヒの~ しか読んだとないけど、 アニメやマンガを文字起こししたみたいだよね、 なんつーの、あの安いギャグマンガみたいなボケはやめてほしいなあ。 それで読む気が失せて...

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