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[河原潤のITストリーム]

2015年、IT投資のあり方とIT部門の役割を改めて考える:第47回

ITR「国内IT投資動向調査2015」より

2015年1月19日(月)河原 潤(ITジャーナリスト/IT Leaders編集委員)

昨今、企業のIT部門は十分な予算の下で効果的なIT投資を行えているのでしょうか。そもそも、今のIT部門にはどんな役割が期待されているのでしょうか。このきわめて根源的なテーマについて、アイ・ティ・アール(ITR)が実施した「国内IT投資動向調査2015」に現れた特徴的な傾向を取り上げながら考えてみたいと思います。

 企業内におけるIT部門の役割・ポジションは、経営環境や技術・製品の潮流の変化などに大きく影響を受けながら、時代ごとに移り変わってきました。また、どの領域にどれほどのお金を投じるかのIT投資も、クラウドサービスのような新しい選択肢も加わる中で、判断基準やマインドに変化が見られます。

 IT投資動向調査は、国内企業でIT意思決定に携わる役職者を対象に、ITRが2001年度より年次で実施しているユーザー動向調査です(2015年度は2014年10月に約3500社を対象に実施/有効回答数1095件)。IT予算の増減傾向や戦略投資の比率、重視するテーマとその実施率、IT支出の決定権などの実態を尋ねており、今、CIOや情報システム部の部長・課長クラスがどのような戦略・方針でIT部門を組織し各種施策を実行しているのかと、その活動の動向が経年でどのように変化しているのかを浮かび上がらせています。

IT予算は再び抑制傾向へ

 IT部門の年間活動内容を決定づけるIT予算の増減動向は、たいへんに気になるところでしょう。IT投資動向調査2015によると、2014年度に「IT予算を増額した」と回答した企業の割合は23.1%。2013年度の31.6%から8ポイントの大幅な下落になっています。

 図1は、実績増減値と次年度の増減予想値を指数化したグラフで、2015年度のIT投資は2014年度を下回ることが予想されています。グラフからは2007年まで順調に高い水準が維持されていたIT予算が、リーマンショックの影響で2009年に激しく落ち込み、翌2010年から少しずつ復調に向かっていたことが見てとれます。しかしながら、2014年はダウン。前年に比較的大規模な投資を行った企業が翌年にIT予算を絞るといったような、一種の反動現象が現れているのかもしれませんが、せっかく前年にリーマンショック以前の水準にまで戻した国内企業の投資意欲が再び抑制に向かっているというのが気がかりです。

 このIT予算の増減について、ITRでは複数の切り口から集計を行っています。結果を見ると、「情報セキュリティ対策や災害対策といったリスク対策費用が占める割合が増大している」「業種別では建設と情報通信を除く全業種で投資増減指数が低下している」「海外に拠点を設置済み、ないしは準備中の企業で予算の増加傾向が強い」「海外展開企業のIT予算の配分先は中国とASEANがやや減少し、韓国・インドなどが増加」といった傾向が出ています。

図1:IT投資増減指数の経年変化:2001~2015年度予想(出典:ITR「IT投資動向調査2015」)
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