小林誠一
2015年1月19日13時34分
東京国際展示場(東京ビッグサイト、東京都江東区)で2008年、上りエスカレーターの逆走で乗客約50人が転倒し、うち10人が負傷した事故で、国土交通省は19日、調査部会の報告書を公表した。ボルトの緩みや部品の溶接不良など駆動装置の不備が原因で逆走した、と結論づけた。
エスカレーターを製造した日本オーチス・エレベータ(東京都文京区)の社員は、事故5日前の保守点検で「問題なし」としていたが、ボルトやブレーキの不備を見過ごしていた。建築基準法に規定はないが、調査部会は「一時的な利用者の集中に備え、安全の確保に配慮すべきだった」と指摘。国交省にも再発防止の検討を求めた。国交省は法改正して規定を盛り込む方向で検討を進める。
報告書によると、事故は08年8月3日午前10時ごろ発生。エスカレーターは1階と4階を直接結び、高低差は15・8メートル、段数は84と大型だった。発生時は誘導係員を先頭にイベント来場者が乗り込んでいた。逆走は先頭が4階に到着した時に始まり、来場者を押し戻した後に停止した。
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朝日新聞社会部
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