編集委員・今井邦彦
2015年1月19日11時44分
阪神大震災で始まった、被災した古文書や書類を救う「歴史資料ネットワーク(史料ネット)」の取り組みが、多くの地震や水害、東日本大震災での活動を経て、全国に広がっている。設立当初からネットワークに参加し、現在は代表委員を務める神戸大大学院の奥村弘教授(日本近代史)に、この20年間を振り返ってもらった。
史料ネットが「歴史資料保全情報ネットワーク」として発足したのは、阪神大震災の発生から18日後の1995年2月4日。関西を中心に活動する歴史系4学会のメンバーらが集まり、被災家屋から文書資料などを取り出して保全する「レスキュー活動」について話し合った。
「地震の発生直後、地元の研究者は緊急の対応や学生の安否確認などに追われ、史料どころではなかった。しかし10日ほどたって、東京から来たボランティアが文書の保全に当たっているというニュースを知り、『我々にもできるのでは』と思い立ちました」
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
PR比べてお得!