Windows 7の“サポート終了”でXP狂想曲再び?
【グラフ:Windows のサポート ライフサイクル期間】
●マイクロソフト製品、サポート終了は「2段階」
マイクロソフトのOSに対する「サポート」姿勢を振り返ってみましょう。同社は2段階のサポートを提供しています。
まず、製品の発売日から最低5年間提供される「メインストリームサポート」。この期間であれば、セキュリティ更新プログラムだけでなく、新規機能追加のリクエストや仕様変更も受け付けてくれます。
そのメインストリームサポートが終了すると、「延長サポート」がスタートします。最低5年間提供される延長サポートでは、セキュリティ更新プログラムは提供されるものの、無償サポート、仕様変更、新機能のリクエスト受け入れは終了。
そして、延長サポートが終了すると、それ以降はセキュリティ更新プログラムも提供されません。もし新たな脆弱性が発見されたとしても取り残されてしまうため、大変危険な状況になります。
2014年に大きな話題となったWindows XPの「サポート終了」とは、正確にはこの「延長サポートの終了」でした。OSに脆弱性が発見されるとき、実はかつてのバージョンにも影響を及ぼすことが多いのです。だからこそ、アップデートが行われないWindows XPを使ってはいけないのです。
当時の報道では、まだまだ現役といえたWindows XPのサポート打ち切りというマイクロソフトの姿勢を疑問視するコメントも散見されました。実際のところ、マイクロソフトはさまざまな方法でサポート期間を告知しているだけでなく、Windows XPでは最低5年間としていたメインストリームサポートも7年以上提供したわけですから、個人的には「さすがはマイクロソフト」と思っていたものです。
●Windows 7のリプレースを視野に入れる日
とはいえ、このタイミングでWindows 7を次のOSにリプレースするというのもピンとこない話です。これから新入社員向けのPCを、Windows 7でそろえようという企業も多いのでしょう。筆者は個人的にWindows 8.1を利用していますが、企業でこれを使うにはあまりにも変化が大きく、情報システム部の負担が大きすぎるのでそれも仕方のない選択です。
今回終了したのはあくまでWindows 7のメインストリームサポートで、ほとんどの企業は仕様変更や新機能のリクエストなど無関係でしょう。セキュリティ更新プログラムはこれまで通り出てくるし、有償でもサポートが継続できるなら関係ないやと考えることもできます。
しかし、「その日」はいつかやってきます。企業に大量に投入されているWindows 7の「延長サポート終了」は2020年1月14日となっています。さすがにWindows 8.1への全面移行ではなく、2015年秋に登場するといわれる「Windows 10」がターゲットになるでしょう。システム管理者はWindows 10の情報を手に入れ、準備を始めるべきです。
今回のメインストリームサポート終了の報は、リプレースの準備を行うための小さな号砲でした。Windows XPで苦労した管理者は、この合図を見逃さないように準備していきましょう。ところで、Windows Server 2003の「延長サポート」が2015年7月15日に終了するのですが、みなさん、こちらは大丈夫ですか?
[宮田健,Business Media 誠]