少子化が進んでいることから文部科学省は19日、教育委員会が小中学校の統廃合を検討する際の指針となる「手引き」を約60年ぶりに改定した。小学校で6学級以下、中学で3学級以下の学校は統廃合の適否を「速やかに検討する必要がある」と明記。通学範囲の条件も緩和し、より遠方の学校と統廃合しやすくした。一方で学校を存続させる場合の対応策も盛り込んだ。
手引きは近く都道府県教委を通じ全国に通知する。公立学校の統廃合は市区町村教委に決定権があるため手引きに強制力はないが、統廃合をめぐる議論が活発になりそうだ。
2014年度の公立の小学生は約648万人で、20年前と比べ約198万人(23%)減った。同じ期間の学校数の減少率(16%)より大きく、1校当たりの児童数は減っている。約半数の小学校は省令で「標準」とされる12学級を下回り、政府の教育再生実行会議は昨年、学校規模の適正化を検討するよう提言していた。
手引きは小規模校の課題として、▽人間関係が固定されやすい▽学校行事が制限される▽教職員が確保しにくい――など約40項目を列挙。特に1学年1学級を維持できない小中学校については「教育上の課題が極めて大きく、統合の適否を速やかに検討する必要がある」と指摘した。公立小中学校全体の7.6%にあたる2286校(2014年度)が該当する。
統廃合をしやすくするため、通学基準も緩和した。同省が1956~57年に通達や手引きで示した従来の通学範囲は、小学校で4キロ以内、中学校で6キロ以内が基準だった。新たな手引きはこの距離と並行し、「おおむね1時間以内」という基準を設けた。スクールバスなどでの通学を想定し、広範囲で統廃合できる可能性がある。
検討にあたっては、住民や保護者を交えた検討委員会を設置したりアンケート調査を実施したりして、地域の意向を反映させる工夫も求めた。
一方、手引きは地理的な事情や地域コミュニティーの核として小規模校を残す選択も「尊重される必要がある」と強調した。テレビ会議システムを使った他校との合同授業や、小中一貫教育の導入を提案した。
昨年12月に閣議決定した地方創生の「総合戦略」では、小規模校を残す場合の国の支援も必要とされた。文科省は同戦略を受け、小規模校向けにICT(情報通信技術)の活用や教員の増員などの財政支援を15年度予算案に計上している。
手引き、文部科学省、小中学校
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