企業は先行きさえ明るければ、政府が「やめろ」と言っても投資をするはずだが、政府が企業の投資意欲を画期的に高める対策を打ち出すことができなければ、今後も投資が先細り国の経済が縮小して景気がさらに悪化する悪循環が続くだろう。それでも官僚たちは報告のための報告ばかりに力を入れ、それらしく聞こえるだけの経済対策を次々と発表している。昨年7月にチェ・ギョンファン経済副首相兼企画財政部長官が就任することで一時は景気回復の期待も高まったが、それも今では完全にしぼんでしまった。
経済政策を担当する部処(省庁)は公務員年金改革や官フィア(官僚とマフィアを合わせた造語)問題で仕事への意欲を失い、また内部では人事の刷新も行われず新しい政策の立案は事実上お手上げ状態のようだ。創造経済の推進についても「新規の起業が活発化している」など現実と懸け離れた報告ばかりが大統領府で行われている。その影響で、例えばベンチャー企業育成のため本当にやるべき対策があったとしても、それについての話を切り出すことができないという話さえ聞かれるようになった。本来なら大統領が先頭に立って官僚たちをなだめ、激励し、企業の投資意欲を高める実効性のある経済対策を立案するよう促さねばならないはずだ。ところが官僚たちは今から政権交代を期待するばかりで仕事が手に付いていない。大統領も官僚も、誠意も意欲も感じられない上っ面ばかりの経済対策の報告のやりとりだけで、仕事をしたような気分になっていてはならない。