ニュース詳細
仏のテロ対策専門家「監視見誤った」1月19日 7時06分
フランスで17人が犠牲になった一連のテロ事件について、フランスのテロ対策の専門家は「監視対象が最大5000人にも上り、誰を重点的に監視するか見誤っていた」として、対象者を絞った効率的な監視態勢を整える必要があると指摘しました。
フランスの新聞社が襲撃された事件をはじめ、今月起きた一連のテロ事件では合わせて17人が死亡し、治安当局が3人の容疑者を把握しながらテロを未然に防げなかったことに批判が上がっています。これについて、テロ対策に詳しいフランス国立工芸院の教授アラン・バウアー氏は、NHKのインタビューに対し、「容疑者が3年の間、何の問題も起こさなかったため、捜査員は監視の必要はないと判断した。しかし、その間も容疑者は互いに何百回も連絡を取り合っていた」と述べました。
そして、「捜査当局の監視対象は今や最大5000人にも上り、誰を重点的に監視するか見誤っていた」として、当局はテロ事件が起きた場合に容疑者について、事前に何の情報もつかんでいなかったと批判されるのを恐れて、やみくもに監視の対象者を増やしていると指摘しました。
そのうえで、「今のフランスで本当に危険なのは数十人程度だ」として、対象者を絞った効率的な監視態勢を整える必要があると主張しました。