Updated: Tokyo  2015/01/19 16:06  |  New York  2015/01/19 02:06  |  London  2015/01/19 07:06
 

スイス衝撃で970億円ファンドが実質全資金を失い清算-関係者

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  (ブルームバーグ): ヘッジファンドマネジャーのマルコ・ディミトリジェビック氏は、少なくとも過去5回の新興市場債危機を乗り切った経験を持つ。しかし、同氏が運用する最大のヘッジファンドは、スイス国立銀行(中央銀行)がスイス・フランの対ユーロ相場の上限を突然撤廃したことで17日終了週に実質的に全ての資金を失い、清算に追い込まれた。事情に詳しい関係者の1人が明らかにした。

非公開情報であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、ヘッジファンド運営会社エベレスト・キャピタル(本社マイアミ)で最も長い歴史を持つ「グローバルファンド」は、スイス・フランが下落する方向に賭ける投資を行っていた。顧客向けリポートに掲載された昨年末時点の運用資産額は約8億3000万ドル(約972億円)だった。新興市場を得意とするエベレスト・キャピタルは現在も7つのファンドを運用し、運用資産総額は約22億ドルに上る。

エベレスト・キャピタルの広報担当を務めるペッパーコムのアーメル・レスリー氏は、損失に関するコメントを控えている。ディミトリジェビック氏に電話でコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

「インサイド・ザ・ハウス・オブ・マネー」(スティーブン・ドロブニー著、2006年)によれば、ユーゴスラビア人家庭に生まれたと自称するディミトリジェビック氏は、スイスで育った。1990年に800万ドルでエベレスト・キャピタルをスタートさせ、新興市場に資金が殺到したり、先を争って逃げ出したりする過程で資産価値が上昇と下落を繰り返す様子を目の当たりにしてきた。

原題:Swiss Franc Trade Said to Wipe Out Everest’s Biggest Hedge Fund(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Katherine Burton kburton@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Christian Baumgaertel cbaumgaertel@bloomberg.net Pierre Paulden

更新日時: 2015/01/19 13:45 JST

 
 
 
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