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 二人三脚による自己主張 
	
	二人で協力することを「二人三脚で」なんて言ったりするが、大人になるとなかなか二人三脚をする機会はない。というか、そもそも一人であってもかけっこをする機会がない。二人三脚の出番がないのも当然である。 
もっと、いつもやっていることに二人三脚の概念を持ち込んでみてはどうだろう。たとえばキーボードのタイピングとか。 > 個人サイト nomoonwalk タイピングを二人三脚にするとどうなるのか、実際にやっている様子をごらんいただこう。 
弊社社内で開催したテストプレイ会の様子 
	2人のプレーヤーがそれぞれ、キーが半分しかついていないキーボードを使い、タイミングをあわせてタイプすることでテキストを入力する。これがキーボード版の二人三脚だ。 
最大の難所は記号の入力である。Shiftキーは左の人が使うキーボードにしかついておらず、また記号のキーは右の人のキーボードに多く配置されている。息を合わせての同時打ちが要求されるのだ。 難しい、やきもきする、イライラする。これで仕事しろと言われたら日本のGDPは1/3くらいに落ち込みそうだが、しかしゲーム感覚でやると大変盛り上がる!これが新感覚ゲーム、キーボード二人三脚である。 綱と風呂と二人三脚じつはこれ、イベント向けに考えた遊びである。 
今月の29日にCROSS 2015という、WEBエンジニア向けの巨大勉強会みたいなイベントがある。ここにデイリーポータルZも呼んでもらえることになったので、いくつか用意した余興のうちのひとつがこれだ。他に、綱引きと札束風呂。 綱引きと 
	札束風呂 
	エンジニア向け勉強会に出てくれと言われて躊躇なく札束風呂を持ち込むデイリーポータルZ。浴槽はレンタルでなく自前、でかくてふつうの宅配便では送れないので赤帽を手配している。そんなマイペースすぎる我々の、唯一エンジニアを意識した出し物がこのキーボード二人三脚だ。 
間違ったペアプログラミングソフトウェアエンジニアのあいだで行われる、「ペアプログラミング」(ペアプロ)という行為がある。2人でひとつの画面を見て、共同でプログラムを書くのだ。 
ふつうペアプロをするときは、キーボードを打つのはどちらか片方で、時間ごとに交代したりするらしい。 正しいペアプロ。 
	でも、それって本当に協力しているといえるだろうか。手を動かすのが片方なら、もう片方は口を出すだけになってしまう。ひとりだけ楽してないか?そう思いながら上の写真を見返してみると、なんだか左の人の態度が悪いのが気になってくる。精神論でプログラムはできないこともわかっているが、それでもお互い汗を流してこその「ペア」ではないか?もっと平等にふたりとも手を動かすべきではだろう。 
このように! 
	その点、このキーボード二人三脚なら、二人の負担はほぼ平等。声を掛け合ってのタイピング作業で、チームワークもどんどんよくなる。 
このペアプロのすばらしさは他にもある。やったことがない体験のため最初は混乱するのだが、2回、3回とやるとものすごい勢いで上達するのである。開発現場において、プログラミング技術の上達は一朝一夕でできるものではなく、エンジニア各位も時にはスランプに陥ることだってあるだろう。そんなときはこのペアプロで上達感を得ることによって、なんだか仕事ができるようになったように錯覚し、モチベーションも上がってくるのだ。 ためしに遊んでみた編集部・古賀さん。この「一仕事終えた」を通り越して「ひとっ風呂浴びた」かのような満足げな表情 
	そんないいことづくめの、この新型ペアプロ。しかしまだ時代は我々に追いついていないようなので、イベントのタイムテーブルではひとまず下手に出て、「間違ったペアプロ」という名前で入っている。内心では、正しいのはこっちのほうだと思っている。今後3年以内の本家乗っ取りを目指したい。 
 
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