ブログ運営やSNSをはじめとして、ネットに何かを投稿する事が増えてきました。何かを投稿する際、少しでも自分の投稿を魅力的にしようと、色々なデータや素材を使う事になります。
基本的には、許可された素材を使う事になりますが、中にはどうしても、その著作物を取り扱わないと話が出来ない事があります。
その際、他人が作ったデータですから、著作権が発生する可能性があります。ということで、著作権侵害について気をつけなければなりません。
「そんなことわかってるよ! でも引用にあたるかどうかよくわからない…とにかくおいらの投稿を魅力的にしたいんだ!」という人のために、ナナメ下からの著作権との付き合い方を教えます。
著作権・引用などの基礎知識
コピーと引用の違い、著作権の基礎知識などは今回の記事では扱いません。以下のリンクが著作権や引用問題について大変詳しいです。
書籍で法律の概要を知っておきたい人には、以下の著作権本をおすすめしておきます。
図解入門ビジネス 最新著作権の基本と仕組みがよーくわかる本 (How‐nual Business Guide Book)
- 作者: 橋本拓朗,横溝昇,加藤美香保,梅村陽一郎,南部朋子,弁護士法人リバーシティ法律事務所
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2012/09
- メディア: 単行本
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- 作者: 鈴木龍介,富田太郎,山本浩司,奥田百子
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2014/03/19
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上記のリンクや書籍を見ると、著作権侵害を完全に避けようとすると、情報発信が何もできないのでは?そう思ってしまった人に向けて話を続けます。
著作権者はどういう時に訴えるか
日本では原則として「著作者が侵害を訴えた場合」に侵害が発生します。ようするに著作者の胸先三寸で犯罪か、お咎めなしかが決まります。
著作権侵害の裁判例を見るとおおよそ傾向がつかめて来ますが、実際は侵害した側が、かなりの額を支払い示談に応じるため、なかなか裁判記録のように表に出ることはありません。しかし、傾向はわかります。著作者は主に以下を理由に著作権侵害を訴えます。
- 訴えると金になる(正当な支払いを要求する)
- 商売の邪魔になるから排除したい
- 感情的に許せない
彼らは何も六法全書を読み解いて、該当するものがあれば順に訴えているわけではありません。
著作権侵害で頻繁に訴えてくるヤバい相手
前述の理由を持つのはどういう人々か、解説します。
商品そのものをコピーされた権利者
ソフトウェア、フォントや文章・ライセンス写真、映画・音楽など、デジタルデータ自体を商品として販売している権利者は、真っ先に法に訴えてきます。
なぜなら、それら著作は明確に金額とライセンス方法が明記されており、被害額の算出が容易だからです。示談するにしても損得の勘定が簡単にできるからです。プラスになると判断すればすぐ訴えてきます。
また彼らの多くは、外部団体に侵害の監視を委託して、常に侵害が発生していないか見張っています。そういった委託企業・法律家を使っても、流れ作業のように訴え、勝ち取った示談金のプレミアで彼らは黒字になります。
また、商品そのものが複製されるとビジネスモデルの存続が脅かされるため、彼らは容赦しません。絶対にそういう人たちの著作物を無断で使用する事はやめましょう。写真家など相手が個人でも、その著作物の性質を考えましょう。
大手ニュースサイトのセレブ写真などもライセンス団体に大金を払って掲載している場合があるので、それが宣材写真なのか、買っている写真なのか出所に気をつけましょう。
ブランド管理をしている大手企業
固有名詞は控えますが、キャラクターライセンスやブランドマークのライセンスがビジネスの企業も要注意です。
グッズ販売などライセンスによる収益を期待している企業はもちろんのこと、ブランドイメージの高さにより売上が左右されるものは著作権を厳重に管理しています。
著作物の利用がポジティブであれば黙認される事は多いです。しかし、彼らは法務部門をかかえており、年間予算によってその部門を運用しています。
それは「個別の案件について損得を鑑みず、潰しに来る」という意味です。ブランドイメージを維持するために、目立ちやすいところ、影響範囲が大きいところから訴えてきます。
アウトローな団体
著作権侵害を対象の弱みとして、実際の著作権侵害損害額以上の利益を上げようとする団体がまれにいます。アダルトサイトを運営している人は、その著作物の著作権者がどういう性質の人々か注意しましょう。
表立った世界でも、サブマリン特許などが過去インターネットで問題化されました。他の例を上げれば、現在も大手のハイテク企業は、大量の特許技術を使って商品を開発するため、ライバル企業の特許侵害を行わない事が実質不可能です。そのため別の多くの特許を取得して、訴えられないようある種の握り合う商習慣をとっています。
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敵
実はこれが一番やっかいかもしれません。主張や存在に同意できない、過去に遺恨があるなどの理由で法に訴える場合です。他の理由とは事なり、金銭を目的としていない分、最後まで許してくれない。お金で解決できず、あなた自信が大きく疲弊する可能性があります。
どうすれば他人の著作物に言及しつつ訴訟リスクを減らせるか
前述の相手をイメージすれば対策がある程度できます。
を意識すれば、特攻バトルを避ける事が可能です。特に、その著作物が商品の「一部」なのか「全部」なのかと、権者が誰なのかは意識していないと大変なことになります。
ただし、クラッシュしても保証はしかねますのでご了承ください。
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きりん は著作権侵害のギリギリを攻めろ、といっているわけでありません。今、著作権法は明らかに時代に法律やシステムが追いついておらず、一歩離れた視点で自衛する必要があるため、うっかり巻き込まれないよう、記事にしました。
親告罪はどこまで許されているのか線引がわかりづらいため、権利者側の視点を考える必要があります。
とにかく、著作権について、あまり考えずに大クラッシュする個人が減りますように。また、萎縮しすぎる人も減りますように。
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