以前、Twitterで流れてきて見た、上のまとめなんですけど。
プロの先生方のコメントはすごくためになるし、まとめた方にもご苦労様とは思うのだけど、ちょっと整理が足りなくて混乱してしまう感じになっているので、もったいないなーと思って。
その時、Twitterでも書いたんですけど、誰も見ていなかったし、流れていってしまったので、あらためて自分なりに整理して残しておこうと思います。
自分が迷った時の確認用に。
そして、もし同じように迷う人がいたら、少しでもその人の参考になれば。
◆ なぜ戸惑ってしまうのか
先に結論を書いてしまうと、「階層分け」がされていないのが原因なんですね。
プロの方々のコメントをまとめて、ザックリとより分けたまでは良いのだけれど、そこで終わってしまって、単に箇条書きを並べただけになってしまっているので、混乱してしまうんです。
もう一手間が必要です。
◆ レベルによってアドバイスが変わる
例えばですけど、少年野球や少年サッカーの監督やコーチになって、彼らを指導すると想像してみてください。
スポーツを始めたばかりの、体力のついていない走れないコには、先ずは、ひたすら走って体力をつけるよう言いますよね?
体力がない、走れない、ボールが蹴れない、投げられないのでは、試合やゲーム以前の問題ですから。
体力がついて、走れるようになって、基本のいくつかができるようになって、はじめて、ポジションやゲームの流れ、簡単な連携…へと移っていきますよね。
そこからレベルが上がるに連れて、適正やポジション、勝ち方、高度な戦術、メンタル面まで。
初心者、初級、中級、上級…
そうやって、一つ一つ積み上げていって、学ぼうとする人の習熟レベルによって、その段階ごとに、アドバイスの内容も変わりますよね。
体力もなく、走れず、ロクにパスも回せないコに、戦術のことを言っても仕方がないでしょう?
むしろ、その段階でそんなことを言っても、かえって混乱するだけです。
そのコのレベルでの課題に集中させた方がいいです。
そこを踏まえていないと、アドバイスで振り回してしまうし、振り回されることになってしまいます。
◆ おとなはウソつきではないのです
そういうことを頭に置いて、まとめの見出しを、もう一度見てください。
・考えながら描く
・描く対象の構造を理解する
・たくさん描く
・ただ量をこなすだけじゃダメ
・絵が上手い人を見習う
・心の持ちようも大切
・他人の目を意識することで上手くなる
・トレスも役に立つ
・描いていないと絵は下手になる
・手癖で描くのも駄目
なんか、バラバラですよね?
どこがおかしいか、もうなんとなく分かりますよね。
「たくさん書く」の次に「ただ量をこなすだけじゃダメ」という、先に言ったことを否定するような項目がきてしまっています。
正反対の、矛盾するアドバイスに聞こえます。
戸惑うし、混乱します。
覚えがありませんか、こういうこと。
「結局どっちなんだよ!」
「オトナはいつもそうだ!」
ちがうのです。
うそつきではないのです。
習熟レベルによって変化する、段階の違う項目を同列に並べて書いてしまったために、こうなってしまっています。
あと、具体的な練習法と、それに取り組む際のメンタル的なものが分かれていないのも、混乱に拍車をかけています。
だから、そこさえちゃんと踏まえれば、スッキリ分かりやすくなると思います。
◆ 並べ替えてみよう
というわけで、あらためて並べ替えて、もう少し分かりやすく整理してみます。
<初心者>
・たくさん描く
スポーツを始めたばかりです、とにかく体力をつけなければ話になりません。
ひたすらペンを持って、らくがきでも模写でもいいので、ノートや紙を埋めて積み上げてください。
小難しい理屈はいらないです。楽しんで自由に、描き続けてください。
全ての基礎であり基本です。
レベルが低いうちは、簡単にレベルアップが感じられるので。
10枚、30枚、50枚、100枚、300枚…と、やればやっただけステップアップします。
<初級〜中級>
・ただ量をこなすだけじゃダメ
・考えながら描く
>描く対象の構造を理解する
>絵が上手い人を見習う
>トレスも役に立つ
・他人の目を意識することで上手くなる
描くクセがついて、体力がついてくる頃。
レベルアップの間隔が開いてきて、ただ描いているだけではステップアップを感じにくくなった頃。
描けないものが出てきて、上手く描きたい欲が出てきたあたりが、ひとつの壁かな、と。
スポーツでいえば、体力がついて基本をマスターして、ゲームをこなせるようになった頃。
考え始めるのは、このへんからですね。
自分の適性・方向性、伸ばしたい長所や克服したい短所、そういうものを意識しながら、トライアンドエラーで幅を広げていきます。
<上級>
・心の持ちようも大切
・手癖で描くのも駄目
・描いていないと絵は下手になる
慣れやマンネリを打ち消し、初心を忘れず、向上心を持ち続ける。
スポーツもそうですが、上級者レベルになると、メンタル的な部分が大きくなるでしょうか。
だいたい、こんな感じかと。
私の基準で、これまたザックリなので、「そうじゃないよ!お前も分かってないなっ」と異論がある場合は、ご自分で整理してみてください。
◆ いつか星の海で
自分が、どの段階にあるのか意識すれば、それに適したアドバイスが活きてくると思います。
一人で判断するのは難しいかもしれませんが。
師匠なり先生なりがいて、習熟レベルを把握してもらえていれば、適切な助言を示してもらえるんですけど。
そういう人を見つけるのも重要です。
忘れてはいけないのは、この階層はピラミッドになっているので、上の階層に進んだからといって、下の階層をないがしろにしないこと。
土台がしっかりしていないと、バランスを失って崩れてしまいますから。
一流スポーツ選手ほど、基本を大事にしますし。上で行き詰まったら、一段下に戻って積み上げ直すようにしたいです。
「10,000時間の法則」と言われるように、結局は打ち込んだ時間と、描いた、積み上げた枚数がモノを言います。
雲の上のように感じる、めちゃくちゃ上手いあの人は、雲の上までそれを積み上げています。
あなたや私にそういう絵が描けないのは、それを積み上げていないだけです。
そこへ到達できるかはわかりませんが、人によってそのスピードも違いますが、積み上げ続けることで、間違いなくそこへ近づきます。
そんなわけで、お互いに頑張りましょう。
いつか雲の上で逢おうぜ!(天国という意味ではない)