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【スポーツ】

佳純 涙の3冠 54大会ぶり史上2人目

2015年1月19日 紙面から

女子シングルスで優勝し、涙を浮かべる石川佳純。史上2人目の3冠を達成した=東京体育館で(岩本旭人撮影)

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◇卓球全日本選手権<最終日>

 卓球の全日本選手権最終日は18日、東京体育館で行われ、女子シングルス決勝で石川佳純(21)=全農=が森薗美咲(22)=日立化成=を4−1で破り、2年連続3度目の優勝を飾った。女子でダブルス、混合ダブルスとの3冠は54大会ぶりで、史上2人目。男子シングルスは水谷隼(25)=ビーコン・ラボ=が神巧也(じん・たくや、21)=明大=にストレート勝ちし、2年連続7度目の優勝。斎藤清が持つ8度の最多優勝記録にあと1に迫った。世界選手権個人戦(4月26日〜5月3日・中国)の代表は19日に発表される。

 勝利の瞬間、ラケットで顔を隠し、石川は歓喜の涙を浮かべた。負けられない重圧、度重なる接戦…。すべてを乗り越えた21歳の心は、ようやく軽くなった。

 「シングルスは特にうまくいかなくて…。毎日どうなるんだろう、って思っていました。本当に苦しい1週間でしたが、パートナーにも恵まれた。すごくうれしい」

 日本女子の黄金期を支えたレジェンド・山泉和子以来となる女子3冠。安堵(あんど)と喜びが混じった石川の声は、何度も震えた。

 準決勝では敗戦を覚悟した。18歳の前田に対して第1ゲームを先取したが、立て続けに3ゲームを奪われた。らしくない凡ミスが続き「負けるかと思った」。会場には大波乱の予感が漂った。

 しかし、土壇場で踏みとどまった。2ゲームを奪い返し、最終ゲームも8−9から11−9と逆転すると、感極まって手で顔を覆った。激戦を乗り越えると、決勝は4−1で森薗を振り切り優勝。全日本のシングルス勝利数は、福原愛(ANA)に並ぶ48に伸びた。

 6日間で17試合をこなした。元世界5位の陳莉莉コーチは「接戦ばかりで、体力以上に精神的に疲れていたようだ」。石川も「思った以上に緊張した」と明かすが、それでも打ち勝てるのは、確かな地力があるからだ。

 石川は昨年から男子の日本代表との練習に取り組み、サーブや強打への対応を学んできた。「強いボールを打たれても怖くなくなった」と石川。陳コーチも「守備が安定した。以前は中国のトップ選手に攻められると耐えられなかったけど、今は大丈夫」。世界ランク4位につける日本のエースは、進化を続ける。

 石川の視線の先にあるのは、最強の中国勢が待つ世界選手権だ。2年前は3回戦で敗れたが、「佳純はメダルが十分に狙える」と日本女子の村上恭和監督。石川もはっきり言った。「もっと実力を上げて、世界選手権、そしてリオ五輪で世界に挑戦したい」。3冠を自信と勲章に、輝きを増していく。 (青山直樹)

 

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