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【大相撲】

白鵬横綱600勝 天覧相撲で決めた

2015年1月19日 紙面から

安美錦を引き落としで下した白鵬=両国国技館で(大泉謙也撮影)

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◇初場所<8日目>

(18日・両国国技館)

 2011年初場所以来4年ぶりに天皇、皇后両陛下が観戦された中、横綱白鵬(29)=宮城野=が安美錦を引き落とし、8戦全勝で単独首位を守った。横綱で史上4人目の600勝を達成。ストレート勝ち越しは2場所ぶりで、自身の最多記録を36度目に伸ばした。横綱日馬富士(30)=伊勢ケ浜=は1敗を堅持した。全勝の白鵬を日馬富士、稀勢の里が1敗で追い、2敗で鶴竜ら5人が続く。関脇逸ノ城(21)=湊=は星を五分に戻した。

 天皇皇后両陛下が入場されると、支度部屋で体を動かしていた白鵬は背筋を伸ばし、両陛下が映し出されたモニターを見つめた。

 感謝の気持ちが込み上げてくる。「コピーなんですけど」。東京都内の自宅で大切に保管している手紙がある。野球賭博問題の中で開催された2010年名古屋場所。それまで84年間途切れることのなかった天皇賜杯の授与が見送られた。

 3場所連続の全勝優勝を飾ったその場所後。白鵬は天皇陛下から活躍をねぎらう書簡をいただいていた。「悲しさ、寂しさがあってつらいとき、一通の手紙が吹き飛ばしてくれた」。天皇陛下から優勝力士に書簡が送られるのは異例のこと。それが涙に暮れたその後の支えになってきた。

 「天皇杯はいろいろあるけど、天皇賜杯は大相撲だけ。それをなくすのはとんでもないことだと思って」。当時、ポッカリと空いた胸の内を埋めてくれたのが天皇陛下からの手紙だった。

 そして、臨んだこの一番。白鵬は4年ぶりに観戦に来られた天皇陛下の前で、後の先の立ち合いを見せた。立ち遅れたように見えて、自分の形にしてしまう後の先。うまくいかなければ負けもあるが、「あえて後の先でいきました。天覧相撲ですから、覚悟を決めていきました」。究極として追い求める立ち合いで、感謝を表現してみせた。

 横綱通算600勝を8日目での勝ち越しで飾ると、「いい日ですね、きょうは」と満足そうにうなずいた。

 今場所は本場所としては01年春場所以来、東京場所としては97年初場所以来の15日間大入りとなる可能性がある。

 「こういう日が来ると信じてやってきた」

 両陛下、詰めかけたファンが、白鵬に見えない力を吹き込んでくれたようだ。(岸本隆)

 

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