「高橋ユニオンズ」の歩み、オーナー孫が自費出版
1954年から3年間でプロ野球界から姿を消した「高橋ユニオンズ」のオーナー、故・高橋龍太郎氏を祖父に持つ秋山哲夫さん(73)が、計600ページに及ぶ「球団の歩み」を自費出版した。
サッポロビールの宣伝部に勤務し、同社がパ・リーグのスポンサーだった縁で、球団資料などを福島襄夫・パ事務局長から手渡され、「高橋球団の歴史を伝えるのは君しかいない」と言われたという。
その後、かつての球団関係者から送られた球団の帳簿、選手の契約書などが大量に見つかり、東京ドーム内にある野球殿堂博物館に通い、博物館内に保管されている「報知新聞」や野球雑誌を調べるなど、約3年間をかけて球団の成り立ちから吸収合併で消滅するまでを時系列に追った。
公式戦435試合にオープン戦、2軍戦、全選手成績の入った記録集の分冊も含め、一級品の資料になった。「(この本は)ユニオンズOB会の方々やお世話になった関係者にお配りしています。私財を投じた祖父にささげるつもりで出しました」と秋山さんは肩の荷を下ろした表情だった。
※この本を読んでみたいという方は、はがきに〒住所、氏名、年齢、電話またはメールアドレスを明記の上、〒108―8485 報知新聞社運動第一部「ユニオンズ本」宛てに送ってください。追ってこちらから連絡します。
◆高橋ユニオンズ 1953年オフ、パ・リーグ8球団目のチームとして誕生。企業の役員を務めていた高橋氏が個人スポンサーとなって生まれた。2年目はトンボ鉛筆がスポンサーとなったが、3年目は再び高橋に戻った。通算303勝のスタルヒン投手、後にプロ野球ニュースのキャスターとなる佐々木信也内野手らが在籍。順位は6位、8位、8位。4年目の57年春季キャンプ中、パの球団削減案により大映(後に大毎=現ロッテ)に吸収合併され、解散した。