【初場所】白鵬、最速45場所で綱600勝!天覧相撲で北の湖抜いた

2015年1月19日6時0分  スポーツ報知
  • 安美錦(手前)を引き落としで下した白鵬

    安美錦(手前)を引き落としで下した白鵬

 ◆大相撲初場所8日目 ○白鵬(引き落とし)安美錦●(18日・両国国技館)

 史上単独最多33回目の優勝を狙う東横綱・白鵬が横綱通算600勝を挙げ、2011年初場所初日以来となる天覧相撲に花を添えた。西前頭3枚目・安美錦を引き落とし、唯一の中日勝ち越しを決めた。横綱在位45場所での600勝達成は、北の湖の50場所を抜いて最速。1敗は東横綱・日馬富士、東大関・稀勢の里の2人。2敗で西横綱・鶴竜ら5人が追う。

 ヒヤリとした。白鵬はまともに引いた。乗じて出てきた安美錦に土俵際へ追い込まれたが、こらえて引き落とし。唯一の中日勝ち越しを決め「押されはしたけど、良かった」と安どした。実は理想に掲げる「後の先」の立ち合いを狙ったと言い「あえて後の先で行った。天覧相撲だから覚悟を決めた」と解説した。

 これで07年名古屋場所での昇進以来、横綱としての勝ち星は節目の600個に到達した。史上4人目の快挙で、在位45場所での達成は北の湖を5場所も上回る最速記録。「今日はいい日だね」。ストレート給金も36回目で、自身が持つ最多記録を更新した。

 負けられなかった。4年ぶりに天皇、皇后両陛下のご観戦がかなった日だった。両陛下には特別な思いがある。優勝した10年名古屋場所。野球賭博問題の影響で天皇賜杯がなく、表彰式で悔し涙を流した場所後、陛下から激励の書簡を贈られた。「悲しさ、寂しさがあったが、1通のお手紙で迷いが吹き飛んだ」

 前回、両陛下が観戦された11年初場所の直後に八百長問題が起き、角界はさらなる逆風に見舞われた。同年3月11日には東日本大震災が発生。その中で角界の頂点たる横綱として、常に先頭で歩んできた。「こういう日が来ると信じて頑張ってきた。横綱になって8年だけど、今思うと、特にこの4年間はやってきて良かったと改めて思う」と感慨深げに話した。

 北の湖理事長は「危ない相撲でも落とさないのが強み」と評価するが、今場所はヒヤリとする相撲が続く。それでも単独トップを快走。9日目の19日は“角界の父”として慕った大鵬さんの2度目の命日だ。特別な意味を持つ一番が続くが「一日一番集中していくだけ」。大記録へ着実に歩みを進める。(三須 慶太)

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