リリー・フランキー、日米合作映画主演!原作は世界的名作
マルチに活躍する作家で俳優のリリー・フランキー(51)が、日米合作映画「シェル・コレクター」(16年公開予定)で主演することが18日、分かった。世界的な名作短編小説が原作。劇場デビュー作が世界の映画祭で評価された俊英・坪田義史監督(39)の第2弾作品への主演依頼に応じたリリーが、離島で暮らす盲目の貝類学者という難役に挑む。
リリーが演じるのは、妻子と離れ、沖縄の離島で1人、厭世(えんせい)的な生活を送る盲目の貝類学者。島に流れ着き、同居を始めた画家のいづみが患っていた難病が、貝の毒で治癒したことから、学者の生活に異変が訪れる―。
「演じる主人公は盲目ですが『見える=自由』『見えない=不自由』といった単純な図式では測れないものを表現できればと思います」とリリー。共演は、いづみ役が「キャタピラー」(10年)でベルリン映画祭最優秀女優賞受賞の寺島しのぶ(42)。学者の息子役に池松壮亮(24)、いづみと同じ病気に侵された島の有力者の娘役に橋本愛(19)と実力派ぞろい。
自然と人間との共生をテーマにした原作は、米作家のアンソニー・ドーアの短編小説「シェル・コレクター/貝を集める人」。同名処女短編集が、英文の短編小説に贈られる権威あるO・ヘンリー賞を受賞したドーア作品の初映画化。舞台を沖縄に置き換え、オールロケで撮影が進んでいる。
坪田監督は、劇場デビュー作「美代子阿佐ヶ谷気分」(09年)が、ロッテルダム国際映画祭のコンペ部門に正式招待されるなど国内外で十数の映画祭に招待され、受賞を重ねた新進気鋭。ニューヨークで出会った、国際的に活躍するプロデューサーの黒岩久美氏、エリック・ニアリ氏と日米合作製作が具体化した。
リリーは「原作、脚本を読んで、監督の前作を見て、日本映画には珍しい絵画的なユニークな作品になると思った」と話す。坪田監督は「リリーさん始め、素晴らしく個性的なキャストの方々と一緒に比類なき作品を創りあげたい」と自信たっぷり。世界の映画祭への出品を視野に製作されている。