つまようじ少年、自作自演か 混入動画投稿から7日、米原で逮捕
「つまようじ混入」少年による投稿動画は“自作自演”だったのか―。スーパーで商品の菓子につまようじを突き刺す場面や、コンビニで万引きしているような様子が動画サイトに投稿された問題で、警視庁は18日、万引きしたと見せかける虚偽の動画を撮影する目的でコンビニに侵入したとして、建造物侵入の疑いで東京都三鷹市の無職少年(19)を滋賀県内で逮捕した。「少年法を改正するためにコンビニに入ったことは間違いない」と容疑を認めている。
警視庁によると、少年とみられる投稿者は、昨年12月中旬から、この日の朝まで、60本以上の映像を動画サイトに投稿。スーパーのスナック菓子につまようじを刺して押し込んだり、コンビニでペットボトル飲料を持ち去ったりする様子が映っていた。
しかし、警視庁が動画に出てくる東京都武蔵野市のコンビニの防犯カメラを調べた結果、少年は万引きのような動きをする5分前にも入店。用意した飲料ボトルを、いったん商品が陳列されている冷蔵庫に入れ、再入店して持ち出した可能性があることが分かった。
また、少年宅からは、ふたをつまようじで刺したような小さな穴の開いたスナック菓子の容器が発見された。店側も菓子を回収できておらず、少年がつまようじを混入させた後、店に置いたように見せかけて自宅に持ち帰った可能性もある。
「つまようじ混入」動画投稿から7日。15日に逮捕状が出た後、各地を逃走していた少年がようやく逮捕された。警視庁によると、逮捕容疑は、5日午後7時ごろ、いたずらの目的で東京都武蔵野市のコンビニに、侵入した疑い。窃盗や威力業務妨害などの疑いも含め捜査を進める。
少年は逮捕直前まで名古屋駅から動画投稿を続け、自身の逃走劇を“実況中継”していたとみられ、詳しい動機や足取りを調べる。
18日早朝に電車内に似た人物がいるとの情報が寄せられ、午前7時半、滋賀県のJR米原駅に停車中の電車内で、県警の警察官が少年を見つけた。黒いジャンパーに茶色のズボン。「〇〇(少年の実名)君?」。呼びかけに逃げず、静かにうなずいたという。正午すぎ、新幹線で品川駅に移送された少年は、うつむき加減に黒い上着のフードを目深にかぶり、ホームで両脇を捜査員に支えられながらゆっくりと歩いた。その後、ワゴン車で武蔵野署に身柄を移された。
同じアカウントで投稿された一連の動画から、少年は羽田空港や川崎市、静岡県のJR浜松駅などを訪れたとみられる。「全力逃走中」と題し「超余裕」と警察を挑発する映像や、「18、19歳に少年法は適用しなくていい。物事の判断は付く」と主張した映像もあった。