上田真美
2014年7月25日11時53分
ロボコンといえば、高い技術力を駆使して製作したロボットが、妙技を競う大会――そんなイメージをひっくり返すようなイベントが開かれました。題して「技術力の低い人限定ロボコン」、略して「ヘボコン」。ヘボい、つまり出来の悪いロボットが31体、東京のイベント会場「東京カルチャーカルチャー」に集合しました
ヘボコンを提案したのは、ユニークな電子工作の記事を執筆している、ニフティの石川大樹さん(34)。「失敗作にはそれだけで価値があって面白い。つたないゆえの可愛さがあります」と、その魅力を語ります。誰でも参加できて、完成度の低い作品が一堂に会する場を設けようと企画したそうです。
当初はこぢんまりやるつもりでしたが、ブログで呼びかけたところ、80体近くの応募がありました。工学部出身者や電子回路を設計している人もいますが、多くはほぼ初心者。人形がポールダンスをしながら攻撃するロボットで出場したアニポールきょうこさん(34)は「前から作りたいと思っていて、これならヘボくてOKだし。案外、線をつないだら動くよ」と話します。
競技は、50センチ×1メートルのベニヤ板で出来た土俵上で、2体(2回戦は土俵を広げ4体)のロボットが相撲をとります。土俵から出るか、倒れると負けです。ただし、遠隔操作や自動操縦などの高度な技術を使うと「ハイテクペナルティー」として減点されます。また、ロボットが動かない、まっすぐ進まないなどの可能性が高いため、「接触せずに外に出たら再試合」「1分間で決着がつかなかった場合は、移動距離が長い方が勝ち」などのルールも追加しました。
土俵には、工夫を凝らしながらも、技術力の低いロボットが次々登場。試合前には、製作者がロボットのヘボいところを、愛情たっぷりに紹介しました。
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