ちゃんと動かない、見た目がイマイチ――。ダメな手作りロボットで戦う相撲大会「技術力の低い人限定ロボコン(ヘボコン)」が先週末、都内で開催された。マニアックなコンセプトにもかかわらず予想の数倍の参加希望が殺到。満員の観客で埋め尽くされた試合会場は、ダメロボたちが繰り広げる真剣勝負への声援で熱気に包まれた。
■ダメさにのぞく人間味
ステージに設置された大きな卓球台のような100センチ四方の「土俵」に乗る4体のロボット。試合開始を告げるブザーが鳴り響くや否や、タイヤを付けた大型のちりとりが急発進、1体にすくい投げを食らわせる。その傍らでは紙粘土でできた重量級のシロクマのロボットと、6本ものクローラー(無限軌道)を備えた異形のプラモデルががっぷり四つに組んでいる。
東京・お台場のイベントスペースで19日夜、開かれたヘボコンの2回戦の一幕だ。1回戦を勝ち抜いたツワモノたちの戦いぶりはさすがといいたいところだが、実際はちりとりは急発進の勢いで止まりきれずに自ら土俵の外へ。シロクマはプラモデルの突進をどっしり食い止めているように見えて、実は単に電池のパワー不足で立ち往生しているだけ。プラモデルもいかめしいのは見た目ばかりで、重いシロクマに体当たりしてはじき返されていた。
ヘボコンはこんな技術レベルの低いロボットを愛する石川大樹さん(34)が企画。当初は「個人的に10人程度で、公民館の和室なんかで細々と集まるつもりだった」(石川さん)。ところがブログで呼びかけると出場希望者が瞬く間に数十人規模に。自身もコンテンツ制作や編集を手がけるニフティのサイト「デイリーポータルZ」の公式イベントに「格上げ」され、最終的に総勢32体のダメロボたちが一堂に会する一大大会となった。
「ダメなロボットは妥協や諦めといった人間の弱い部分の結晶。冷たいはずのロボットに人間らしい部分が見えるのがいとおしい」と魅力を語る石川さん。「失敗があるからこそ成功がある、だから失敗にも価値があるんだ」という考え方は“成功至上主義”だと批判する。「ダメなロボットはそれ自体で魅力的。工学的にではなく、背景にストーリーが見える文学として楽しめる。そういうロボットが活躍できる場があってもいい」と力を込める。
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