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  • Mao Kawashima

    Mao Kawashima

    Mao is Online Marketing Associate, Growth Hacker at btrax, working for UI design, front-end coding, and growth hacking. He also serves a key role in organizing JapanNight 7th.

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~Facebook離れは本当なのか~ 米国若者ソーシャルメディア最新実情


日本では少子化が叫ばれる一方で、アメリカでは新たなテクノロジーやサービスに敏感な若い世代が多く生まれてきている。その中でも最近特に注目されるようになってきているのが現在18才以下のジェネレーションZ。「2015年に予想される13のテクノロジートレンド」でも紹介したように、アメリカ国内において、実はミレニアル世代とジェネレーションZを合わせた37歳以下の若者は、既にアメリカの全人口の半分以上であり、サービスの成功には若者ユーザーが大きな鍵のように思える。

米国のメイン市場は人口の過半数を構成する若者世代

アメリカの年齢別人口(左)と世代別人口の割合(右)

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アメリカの10代に流行るアプリとは? ヒットするサービスは常に若者ユーザーから」の中でも主にデータを元にどのようなサービスが若者に人気があるのか紹介したが、実際に若者の声を聞ける経験は非常に少ない。

これから紹介するのはアメリカの学生によるリアルなソーシャルメディアに関する投稿の一部。彼はThe University of Texas at Austinに通う19才の男子学生で、ソーシャルメディアがどのような役割を私たちの生活の中で果たし、どのように実際に進化していくのかといいうことに興味があるとのこと。まさにミレニアム世代とジェネレーションZの間にいる彼がどのように現在のソーシャルメディアを考えて使っているのか、それでは紹介したいと思う。

Facebook

2004年にハーバード大学の学生たちによって創業された、ソーシャルネットワークサービス、Facebook。当初はハーバード大学の学生限定のサービスとして公開され、その後アメリカの大学を中心にして世界へ広がっていった。まさに若者から広まったサービスの典型ともいえるFacebookであるが、近年若者のFacebook離れが叫ばれている。19才の彼はこう語る。

Facebookは僕たちとってもう死んでしまったもの。中学校の頃に面白そうだったから始めたけど、今はまるで退席出来ない気まずい家族ディナーのよう。もちろんfacebookをまだやってることが変に感じたり、うっとおしいことすらありえる。

ただ、そうは言ってもFacebookを持っていないのはもっと変だし、うっとおしいんだ。というのも”誰もがFacebookを持ってるでしょ。あなたもだよね?”という社会からのプレッシャーがあるし、Facebookを聞かれたときに毎回持ってない理由を説明しないといけないでしょ。

社会的なプレッシャーや昔登録したからという理由で、登録はしているものの実際にはほとんど使われていないというのが現状のようにも思える。そうは言っても彼の年代だと中学生頃にみんなが登録したおかげもあり、一部のサービスだけが未だに使われているという。

使われている機能3つ

  1. グループ機能
    facebookを使う目的の多くはグループ的な役割。彼の多くの友達はグループをチェックするためだけにfacebookを使い、重要なところを見終えるとすぐログオフしてしまうほど。ニュースフィードのように難しいアルゴリズムも使われておらず、ただ新たな情報が一番上に見れるというシンプルな仕組みが良い。また大量に流れて来るポストや広告を読気にする必要もなく、ただ一番上にある情報をチェックすれば良いだけだから楽で使いやすい。
  2. メッセージ機能(Facebook Messanger)
    誰もがFacebookのアカウントを持っているためEmailに近い役割を担う。また番号を聞くほどの仲ではないけれど、連絡取るときに気軽に友達申請送れるし、誰にでもリーチできるのが使われる要因。
  3. 検索機能
    初めてあった人を探すときにまず最初に使うのがfacebook。twitterやinstagramはあまり使わず、多くの場合Facebookが使われる。なにより実名で検索するだけでほとんど誰でも見つけることが出来るのが特徴。

Twitter

正直僕たちの多くはTwitterの本質的な価値(Core Value)を理解していない。たしかに、どの学校にも一部のたくさん自分からツイートしているグループやただ流れてくるツイートを見て、リツイートするだけのグループの2つは存在するが、それらは少数派で、実際の多くはTwitterを全く使っていない。ただ、簡単に検索で人を見つけられるわけではないので、親や家族が見ていない環境で学校の不満を言うような場所として機能することはまだある。

Twitter上では知らない人たちにフォローされ、フォローするような場所であるが、個人のアイデンティティもまたしかりしっかり確立しているような場所という特徴を持つ。つまりTwitterは匿名になりきれてなく、現実世界で関わりのある人から見つけられてしまうかもしれないという微妙な立ち位置に存在するようだ。

またTwitterの主な機能の一つに、ツイートの検索がある。これはもちろんキーワードで他の人のツイートを検索出来るという意味で考え方によっては良い機能が、誰にも見られたくないようなツイートをする場合には好ましくないだろう。それを恐れるがゆえ、多くの人にとってTwitterは結局Facebookと同じような使われ方にしかならないようだ。また将来の同僚や上司に見られるかもしれないということを気にしている人までいる。

Instagram

Instagramは僕たちの世代で最も使われているソーシャルメディア。ほとんどの人がfacebookを持っているけど、実際に利用したり、ポストしているのはinstagram上。例えばfacebookのポストに25lLikeしか貰ってない人のinstagramに253Likeなんてことも起こりうる。

ジェネレーションZにおいて主要のSNSがFacebookからInstagramへの傾向はかなり強い。彼より1つ下の世代である10- 16 才の年代においてはFacebookを持たずにInstagramだけ使用するほどだ。その理由を彼は以下のように分析した。

  • Instagram上ではフォローされたらフォロー仕返さないといけないというプレッシャーがほとんどない。つまり、多くのフィードの中から自分の見たいものを探し出す必要がなく、好きなものだけ流れて来るフィードが出来上がっている。
  • Facebookと違って、変な写真にタグされていないか常に気をつけておく必要がない。というのも、簡単にフィードに流れて来ないように出来ているし、全体的なエクスペリエンスがよりプライベートなものになっている。誰かがポストした写真に変に写ってるとしてもそんなの誰が気にするって?本当に嫌だったらタグを外せば良い。
  • たしかにFacebookにも、タグ付けされた写真が公開される前に1つ1つチェック出来る機能があるが、彼の知る限り多くの人はその機能を使っていないか、その存在自体があまり知られていない
  • Instagram上では多くの人がポストすることに対してもっと慎重で、一日に一回とか、一週間に数回くらいの頻度。だから、アプリを開いたら新しいポストだらけになっていることは少ないし、その分自分のポストもちゃんと見られやすい
  • Instagramの方が広告が少なくて、もっとコンテンツ自体がフォーカスされている。アプリを開いたときのエクスペリエンス自体が魅力的だから、ポストにしっかり目を通して、Likeやコメントのようなユーザー同士の交流が活発になる。そしてそうすることで、またアプリを開いて、みんなと交流するようになっている。
  • Facebook上に載せられている写真は、良い物もあれば悪いものもあったり、クオリティの差が激しい。しかしInstagramは本当に良い一枚だけを載せる場所であり、写真がしっかり厳選されている。

Snapchat

Snapchatはティーン世代を中心に、急激に人気となったソーシャルメディアサービス。写真や動画を送り合う事ができ、送られてきた画像、または動画を見てから数秒経つと永久に消えてしまうというユニークな機能を持つ。このソーシャルメディアの使い方についてパーティに行ったときを例えに、彼はこう語った。

自分のパーティへの準備が完了したとき、パーティに向かっているとき、パーティを楽しんでいるとき、パーティから帰るとき、その次の日に起きたとき、これらの全ての写真をポストするのがSnapchat。そして自分がかわいく友達と写っている写真をいくつかピックアップし、ポストするのがFacebook。その中でもさらに自分が最もかわいく写っている1枚を選んで載せる場所がInstagram。

Snapchatは本当の自分をさらけ出せる唯一の場所

Snapchatは自分のソーシャルアイデンティティを保ったまま、雄一自分が本当の自分を出せる場所。TwitterのフォロワーやFacebookの友達といったような社会的なプレッシャーにさらされることなく、もちろんランダムな人に見られるわけでもない。その代わりに、Snapchatは何かもっと親しいネットワーク内での交流であって、そのネットワーク内の人が自分のパーティーではしゃいでいる写真を見ても問題ないわけだ。

Snapchatを除いて(もしかしたらTwitterもその傾向があるかもしれないが)そんなネットワークは存在しない。もちろんイイネの数やコメントを気にする必要もない。とにかく他のソーシャルネットワークと比べて、圧倒的に社会的なプレッシャーが少なく、だからこそ自由に出来る場所なのである。

ハッキングされても大きな問題ない

スナップチャットで送られた写真の多くは本当に消されていないのではないかと考えている人が多い。もしハックされたり、リークが起きたときはどうするのか?しかし、そんなことは彼らに言わせるとたいした問題ではないのかもしれない。なぜなら、彼らが送り合っているのはソーシャルセキュリティカードではなく、変顔のセルフィーなのだから。

Snapchat isn’t like that at all and really focuses on creating the Story of a day in your life, not some filtered/altered/handpicked highlight. It’s the real you.
Snapchatは自分のストーリーを作る場でも、ハイライトを載せる場でもない。本当の自分自身を表現する場所なのである。

Tumblr

Tumblrはそのサービス上の人をフォローし、フォローされる匿名のプラットフォームとして機能する。Twitterと大きく異なるところは、社会的なアイデンティティがそこにあるかないのかということ。

言い換えると、誰もがTumbre持っているのに誰もそれについて話さない秘密のコミュニティなのである。本来の自分を出し、興味や趣味が同じ人と交流する場所なのである。それゆえTumlrのURLを知っている友達は本当に仲が良い友達のみに限られている

それに加えて、もし誰かが自分Tumblrを見つけたら、簡単にURLを変えることが可能。プロフィールに自分の名前の記載はないし、URLがないと名前を知っていても人を見つけることは非常に難しい。特に、こっそり自分のソーシャルメディアを見ようとしている親に対しては有効。多くの交流がこのプラットフォム上で起きているとは言えないかもしれないが、誰もが簡単に世界中で共通の趣味、興味を持つ人と出会うことが出来る。

そこが魅力的で、多くの10代もただ友達を作るためといった目的のために登録している。

Yik Yak

Yik Yak自分から半径10マイル以内にいるユーザーとポストを共有し、匿名でコメントを書き込める新たなSNSサービス。大学などの学生が集まるコミュニティでここ最近、爆発的に人気を呼んでいる。彼によると、既に学校で本当に多くの人がアプリをダウンロードしているという。人気のポイントはコンテンツの質が高いこと。面白いポストや何か的を得たポストにはLikeがたくさん付き、フィードの上の方に残り、それ以外は下にいくというシンプルな仕組みがコンテンツのクオリティをあげている。また匿名あるため、誰が書いているかに関わらず誰が書いていようと、みんなが良いと思うポストがしっかり評価されて見られるという仕組みも人気のポイント。競合とされるSecretというサービスと比べて以下のように記している。

“まだ他のソーシャルネットワークと比べると人気が出ていないものとも考えられるが、他のものに負けないだけのポテンシャルを秘めている。多くの人がSecretというアプリとの競争について書いているのを見た事があるが、Secretなんて使っている人は私の周りに誰1人としていない。みんなYik Yakのスクリーンショットを撮って、送り合っている。しかしSecretが送られてきたことを見た事がないんだ。”

唯一の欠点と言えば、Yik Yakは大学が休みに入るとみんな使わなくなってしまうこと。自分の位置から10マイル内でしかコミュニティが形成されないので、もし人口が少ないエリアに行ってしまうとつまらないアプリになってしまう。これは他のソーシャルメディアにはない、Yik Yakだけの特徴だろう。

まとめ

今までSNS界の圧倒的トップだったFacebookや世界的にヒットしているTwitterを若者が使わなくなってきており、それに伴い使われるサービスは大きく変わってきている。例えばメッセージ機能に関しては、まだまだアメリカではTextingとFacebook Messangerが主流とも言えるが今後Facebook自体が使われなくなるとそれも大きく変わってくる可能性すらある。あまりに移り変わりに早いサービスのトレンド、これをアメリカで攻略するためにはユーザーの中でもすぐに新しいものに食いついて来る若者の声を聞き、どのようなサービスへなぜ移り変わっているのかを把握し、彼らのニーズをしっかり考察するところに何かヒントが隠されているような気がする。

筆者: Mao Kawashima/ btrax, Inc

参考記事: https://medium.com/backchannel/a-teenagers-view-on-social-media-1df945c09ac6
photo by Leo Hidalgo

 

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