本社世論調査:「村山談話継承を」50%

毎日新聞 2015年01月18日 21時20分(最終更新 01月18日 23時36分)

 毎日新聞は17、18両日に全国世論調査を実施した。過去の植民地支配と侵略を反省し謝罪した村山富市首相談話(1995年)の立場を引き継ぐとする安倍晋三首相の姿勢について尋ねたところ、「引き継ぐべきだ」と答えた人が50%に上り、「引き継がなくてよい」の34%を上回った。首相が今年発表する戦後70年の談話でも、村山談話や小泉純一郎首相談話(2005年)の方向性を踏襲するよう求める声が強いことがうかがえる。

 安倍首相は5日の年頭記者会見で、「村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」と表明。戦後70年談話に(1)先の大戦への反省(2)戦後の平和国家としての歩み(3)今後のアジア太平洋地域や世界への貢献−−を盛り込む考えを示していた。

 憲法改正については、国民の理解が深まっていると「思わない」との回答が76%と大勢を占め、「思う」は17%にとどまった。首相は改憲に必要な衆参両院の3分の2の賛成に加え、国民投票で過半数の賛成を得ることが「一番の大切なポイントだ」と指摘しているが、改憲を急務だと考える人が少ない現状が浮かんでいる。

 安倍首相は、昨年7月の閣議決定に基づく安全保障関連法案を通常国会に提出する方針。集団的自衛権の行使容認には「反対」が50%に上り、「賛成」は37%。また、今春にも実施される九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働には「反対」が54%で、「賛成」は36%。安倍政権の当面の重要課題に対し、世論の支持は高まっていない。

 安倍内閣の支持率は昨年12月の前回調査から1ポイント増の44%。不支持率は2ポイント増の36%だった。【松尾良】

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