ヘイトスピーチ:是正勧告で公表の対策案まとめる
毎日新聞 2015年01月16日 23時51分
◇大阪市人権施策推進審議会の検討部会
特定の人種、民族への憎悪や差別をあおるヘイトスピーチについて、大阪市人権施策推進審議会の検討部会は16日、被害者側が訴訟を起こした場合の費用の支援や、ヘイトスピーチと認定したケースに是正勧告をして公表するなどの対策案をまとめた。案を基に審議会が2月にも橋下徹市長に答申する。市によると、是正勧告や訴訟支援の制度が実現すれば、全国初という。
対策は、市内の街頭などで行われたヘイトスピーチで、大阪市民が被害に遭った場合が対象。弁護士ら有識者でつくる市長付属の審査機関が、ヘイトスピーチに該当するか、発信側、被害者側の双方から書面で意見を聴取して審査する。認定されると市は是正勧告し、大阪法務局に通知したことなどをホームページで公表する。
訴訟の支援では、判決中でヘイトスピーチについて言及があれば、市が被害者側の費用を負担する。負担割合は審査機関が判断する。
一方で、公共施設の利用制限や、条例で罰則を設けることは、表現の自由もあって、困難とした。橋下市長は16日、報道陣に「条例での罰則や施設利用制限は法律を作ることが必要で、維新の党で検討したい」と話した。【寺岡俊】