関東大震災虐殺:韓国調査機関が犠牲者21人確認
毎日新聞 2015年01月18日 20時22分
【ソウル澤田克己】聯合ニュースによると、2013年に発見された関東大震災(1923年)での朝鮮人虐殺の犠牲者名簿を調査した韓国首相室傘下機関が18日、21人について虐殺の犠牲者だったことを確認した。
名簿は約290人分。このうち約30人について、除籍謄本との照会や本籍地での聞き取り調査を行い、18人を犠牲者と確認したという。聞き取り調査の過程で、名簿になかった3人も犠牲者と認定した。
名簿は、新築された東京の韓国大使館の引っ越し作業中に倉庫で発見された。ほかにも日本の植民地支配に抵抗した「3・1独立運動」(19年)鎮圧での犠牲者、元戦時徴用工の名簿も見つかった。
韓国政府の分析によると、李承晩(イスンマン)大統領(当時)が52年末の閣議で作成を指示した。日本との国交正常化交渉で使うために作成されたと見られている。
虐殺事件を巡っては、韓国の市民団体や政界の一部に真相究明を要求する声が出ている。韓国政府は「さすがに昔の話だ」(韓国外務省関係者)と慎重姿勢を見せてきたが、聯合ニュースは、韓国政府が「日本に真相究明を要求できる根拠になると見ている」と報じた。