(2015年1月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ピーター・フォン・オスタエン氏は大晦日を兄弟の家族と一緒に過ごした後、真夜中のお祝いをパスして、仕事をするために家に帰った。
夜や休みの日に取り組むこの仕事は、事業体の設計者、ビジネスアナリストとしての本業でやり残した作業ではない。
仕事というよりは、むしろ熱烈な情熱で、ツイッターとフェイスブックを使って、シリアで過激派組織「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」や「ヌスラ戦線」のために戦っている、主にベルギー人の過激派を追跡するのだ。
ソーシャルメディアを活用する戦闘員、逆手にとって活動を追跡
ジハード(聖戦)主義者が新兵を探したり自分たちの活動を広めたりするためにソーシャルメディアを活用していることから、ブロガーは遠くから彼らの活動を追跡することができる。仕事の一環として追跡する人もいるが、この仕事で報酬を得ていないフォン・オスタエン氏のような人は、これがいずれ収入になることを願っている。
1月初旬に週刊紙シャルリエブド本社とユダヤ系スーパーが襲われたパリの襲撃事件の後、ベルギーのメッヘレンに住むフォン・オスタエン氏は、ベルギー人戦闘員の脅威に関する重要な情報を見つけようとしてソーシャルメディアの膨大なフィードを読んだ。同氏によると、フィードの中に、イラクにいるベルギー人のISIS戦闘員が母国の人に後に続くよう呼びかけるものがあったという。
フォン・オスタエン氏は、襲撃犯に対して自分が抱く感情は、外交政策研究所(FPRI)のシニアフェロー、クリント・ワッツ氏のブログ投稿に要約されていると言う。「大半ではなくとも多くの西洋のジハード主義者は不安を抱えた人で、時として自分の意思や動機について我々以上に困惑している」
地元育ちの過激派と、戦闘に参加するためにシリアやイラクへ行く人に関して、ソーシャルメディア上で驚くほどの量の情報を見つけられるとフォン・オスタエン氏は言う。
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