太陽光発電システムの建設コストの低下に伴い、発電コストも下がってきた。公的な研究機関の米Lawrence Berkeley National Laboratoryが2014年9月に発表したレポートによると、大規模太陽光発電システムからの長期電力購入契約単価が2008年から70%以上も下がり、平均で50米ドル/ MWh、つまり5米セント/kWhになったという。
調査会社の米GTM Research社も、米国における太陽光発電システムからの電力購入契約時の単価が、現時点で4.5〜7.5米セント/kWhになっているとする。大規模太陽光発電システムの設置価格は、1.5米ドル/Wを下回るものもあるという。これは、連邦政府の税金控除の前の価格である。
こうした太陽光発電システムからの電力調達コストの低下によって、米国内の電力会社は太陽光発電システムからの電力の購入量を増やしている。再生可能エネルギーの導入を義務付ける「RPS:Renewable Energy Portfolio(再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準)」に対応するため、という理由からではない。州によっては、天然ガスを燃料とする火力発電所を建設するよりも安い上に、天然ガスの価格変動に対するリスクを回避できるからである。
NEXT ≫数年前はRPS義務のため