民主党新代表 決選投票で岡田氏1月18日 16時03分
民主党の代表選挙は、1回目の投票では3人の候補者のいずれも過半数のポイントを獲得できず、国会議員らによる決選投票が行われた結果、岡田代表代行が、1回目に1位だった細野元幹事長を抑えて新しい代表に選出されました。
民主党の代表選挙は、長妻元厚生労働大臣、細野元幹事長、岡田代表代行の3人が立候補し、18日午後、東京都内のホテルで開かれた臨時党大会で、国会議員と来年の参議院選挙の公認候補予定者による投票が行われました。
そして、郵送で投票が行われた地方議員と党員・サポーターの票と合わせて開票結果が発表されました。
それによりますと、▽細野氏が、国会議員らの票が96ポイント、地方議員の票が63ポイント、党員・サポーターの票が139ポイントで、合わせて298ポイント、▽岡田氏が、国会議員らの票が95ポイント、地方議員の票が51ポイント、党員・サポーターの票が148ポイントで、合わせて294ポイント、▽長妻氏が、国会議員らの票が74ポイント、地方議員の票が27ポイント、党員・サポーターの票が67ポイントで、合わせて168ポイントでした。
この結果、3人の候補者のいずれも、全体の760ポイントの過半数を獲得できず、細野氏と岡田氏の上位2人が、132人の国会議員と、来年の参議院選挙の公認候補予定者1人によって行われる決選投票に進みました。
決選投票を前に、細野氏は「われわれが掲げる目標は次の衆議院選挙での政権の奪還だ。私には困難に打ち勝つ体力や気概はあるが、経験が足りない。どうぞ皆さんの力を私に与えてほしい」と述べました。
岡田氏は、「多様な声にしっかり耳を傾けて議論する代表になる。世界が苦しんでいる格差を日本が最初に乗り越えていくことを大きな旗に、一緒にこの国を立て直そう」と述べました。
そして決選投票が行われた結果、岡田氏が133ポイント、細野氏が120ポイントとなり、岡田氏が、1回目に1位だった細野氏を抑えて、新しい代表に選出されました。
岡田氏は、衆議院三重3区選出の当選9回で61歳。
民主党の結成に参加し、これまでに党の代表や幹事長を務めたほか、民主党政権では副総理や外務大臣などを歴任し、去年9月から党の代表代行を務めています。
民主党内の反応は
▽野田前総理大臣は記者団に対し、「民主党の再生をかけたラストチャンスの代表選挙で、いい議論が行われたと思う。新代表が決まった以上、政権交代をうかがえる政党にもう一度生まれ変われるよう、みんなで支えていきたい。私は後ろからサポートする立場で、党のおもだった役職は新代表が適材適所で決めると思う」と述べました。
▽枝野幹事長は記者団に対し、「今回の選挙は、民主党の多様性と同時に大きな方向性が3人ともそろっていることを伝えるよい機会だった。民主党は、これから厳しく長い戦いをしていかなければならないので、岡田新代表には、長い経験と安定感を発揮して党を引っ張っていただきたい」と述べました。
▽前原元外務大臣は記者団に対し、「新たなスタートを切るためにも、代表をやったことがない若い細野氏に投票したが、残念な結果だった。民主党の立て直しがまず第一だが、自民・公明両党と対じするためには野党の協力が必要で、それは岡田新代表も認識していると思う。党を立て直していくなかで野党をどうまとめていくかも、岡田体制の中でしっかりやっていくことになるだろう」と述べました。
各党の反応は
▽自民党の谷垣幹事長は東京都内で記者団に対し、「岡田新代表は、民主党の3年3か月の与党時代に中心的な存在であり、その経験から何を学び、どういう形で日本の政治や社会に貢献していくかという見識がある方だ。また、まじめで、ポピュリズムに走ることもあまりないのではないか。通常国会では切磋琢磨(せっさたくま)しながら、少しでも日本の政治をよくしていくことが一緒にできればと思う」と述べました。
▽公明党の山口代表は滋賀県大津市で記者団に対し、「民主党は政権を担っていたこともあるので、こんにちまでのさまざまな経験を生かして、健全な野党第1党として切磋琢磨(せっさたくま)していけることを期待している。岡田新代表は経験豊富な政治家であり、通常国会は予算をはじめ重要な課題がたくさんあるので、建設的で活気ある議論を期待したい」と述べました。
▽維新の党の松野幹事長は国会内で記者団に対し、「民主党の代表選挙の中で、維新の党との合流が否定されたことは残念だ。野党として1つのまとまりを作ることが重要なのに、今の一強多弱の状況で国会を乗り切れるのかどうか非常に疑問だ。岡田新代表をはじめ新執行部の方からは、政権を狙える体制をどうやって組むのか、話を聞きたい。代表選挙での発言をよく精査し、距離感を考えていく」と述べました。
▽共産党の山下書記局長はNHKの取材に対し、「安倍政権の暴走を止めるため、また、国会の民主的な運営のため、協力できる点は協力したい。ただ、代表選挙を通じて自民党政治との対抗軸が見えてこなかったので、民主党が新しい代表の下でどのような旗を掲げるのかを注視していきたい」と述べました。
▽次世代の党の松沢幹事長は、「岡田新代表には、しっかりリーダーシップを発揮していただき、この国に真に必要な政策を、共に国会の場で真摯(しんし)に議論していきたい。国民生活に関わる喫緊の政治課題が山積するなか、党利党略に拘泥して政治のあるべき姿を見失うことなく、国民に責任を持てる審議を行っていきたい」という談話を発表しました。