第一話のリベンジでヤッターキングダムに潜入するため、ドロンジョ一味は閉鎖された地下トンネルを走り、即席で組み上げたメカの中からミサイルが飛んでくるのを機体の中から見て、俯瞰でミサイルが着弾し吹っ飛ぶシーン、次のシーンでは雨の中。何かを悟るような描写。夜のヤッターマン見てたら劇場版パトレイバー2だった。
夜ノヤッターマンは押井節を見るか
『パトレイバー2 the Movie』の冒頭では、東南アジア某国で国連PKOに派遣されている自衛隊のレイバー部隊が武装勢力の攻撃に遭い、壊滅する場面があります。そして、壊滅した自衛隊のレイバー部隊を指揮していた「柘植行人」が、本作で展開される一連の事件の首謀者となり、日本の平和が「欺瞞に満ちた平和」であり、その背後に「真実としての戦争」が隠蔽されていることを暴露しようとするみたいな描写があるわけですが、「夜ノヤッターマン」に通ずるものはあるのか。
「不正義の平和」を打ち壊すための「正義の戦争」
この物語の平和は、恐らくヤッターマン依然の無数の戦争によって支えられてきた血塗れの経済的繁栄であり、そのことから目を逸らし続ける不正義の平和であるように思える。その意味でドロンジョ一味をスケープゴートとした「真実としての戦争」によって支えられた「欺瞞に満ちた平和」である。そして、この欺瞞から目を逸らし続ければ、いずれは誰かが大きな罰(オシオキ)を下すことになり、「欺瞞に満ちた平和」は「真実としての戦争」に取って代わられるということがこの「夜ノヤッターマン」の世界なのではないか。つまり「不正義の平和」を打ち壊すための「正義の戦争」というものはあるのか視聴者に疑問を投げつけているように思えるのが今作である。
随所に登場する今作の鳥のメタファについて
『夜ノヤッターマン 2話』「鳥」が随所で登場しているが、パトレイバー2にもあった、押井の「空を飛ぶものは、人間からすれば怖いもの」→ヤッターマン達という考えに基づいた演出で鳥類のメタファーとして効果的に登場させているように感じた。ヤッターキングダムこそが真人間(ドロンジョ一味)の脅威であり、また裏返しの悪としての世界観を感じさせる内容になっていると考えた。
中野さんは2話に押井さんの要素を取り入れておりました。
— 吉原達矢 (@o_ihs_oy) 2015, 1月 18
【追記】こっそり発表されていた。
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