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【日本の議論】「10代少女と遊びたいなら長野。捕まらないから」建前論では性被害食い止められぬ…“淫行処罰規定”なし、長野県が上げた重い腰

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【日本の議論】
「10代少女と遊びたいなら長野。捕まらないから」建前論では性被害食い止められぬ…“淫行処罰規定”なし、長野県が上げた重い腰

淫行処罰の条例制定の必要性を盛り込んだ県民運動の見直し検討報告書を長野県の阿部守一知事(右)に提出する青少年育成県民会議の田口敏子検討チーム座長=平成26年8月29日、長野県庁

 つまり、淫行処罰規定を含む青少年健全育成条例がなければ、これらの要件を立証できない子供の性被害は防止できないのだ。その手立てを持たない長野県で、子供たちは性被害から無防備な状況に置かれている。建前の精神論で子供たちの健全育成を図れるならそれに越したことはないが、現実には子供たちが大人たちのゆがんだ性欲の対象とされているのだ。

現実を直視した議論を

 また、子供たちの性被害と自由恋愛を同列に議論すべきではない。「自由な恋愛を守るために、性被害から子供たちを守る条例は必要ない」という主張はバランスを欠いている。自由な恋愛を守る代償として、子供たちが性被害に遭っても仕方がないと言っているようなものだ。淫行処罰の条例があっても、自由で健全な恋愛は十分成り立つ。

 幼い頃に受けた性被害は、筆舌に尽くしがたい苦悩を与え、その後の人生を左右しかねない。その重大さを考えれば、あらゆる手段を使って子供たちを性被害から守る必要性があるし、そうした仕組みを早急に構築すべきだ。

 県青少年育成県民会議常任理事として条例によらない健全育成運動の先頭に立ってきた田口敏子さんは「条例は必要ないといいたいが、今の子供たちが置かれた状況をみると、そうはいい切れない。忸怩(じくじ)たる思いだ」と語る。

 子供の性被害を防ぐには、建前の精神論や見栄(みえ)ではなく、現実を直視して具体的な対策を考える議論が必要だ。長野県には今、それが求められている。(長野支局 太田浩信)

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