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プロ野球コラム
大阪桐蔭が2014年夏の甲子園を制した時の西谷浩一監督。スケールの大きな選手を輩出する同校のスタンスは、世界を目指す侍JAPANの目標と一致している。
photograph by Hideki Sugiyama
野球善哉

甲子園、プロ、そして日本代表!?
高校球児の「目標」に変化の兆し。

氏原英明 = 文

text by Hideaki Ujihara

photograph by Hideki Sugiyama

 昨年11月、「株式会社NPBエンタープライズ」の設立が発表された。

「株式会社NPBエンタープライズ」は、日本野球機構とプロ野球12球団の共同出資で設立され、侍ジャパンの事業拡大を目的とする会社だ。侍ジャパンのトップチームから12U代表までの全世代をバックアップするという。

「世界を目指す」ことはどのような競技、分野においても、業界の発展において不可欠である。日本野球界発展のためにも、NPBエンタープライズ設立の意義は大きい。

 侍ジャパンやNPBエンタープライズの今後の可能性については、またの機会にゆだねるとして、本コラムでは、18U日本代表(高校生年代)について考えたい。

 というのも、1月23日に出場校が発表されるセンバツ大会のための取材をしている中で、しばしば「高校日本代表」についての話題が出てきたからだ。

 ある強豪校の関係者はこう言っていた。

「今年は、ワールドカップが大阪・兵庫で開催される。うちもいいチームができたし、一人くらい選んでもらえたらいい」

 また、今秋のドラフト候補の一人である近江のエース小川良憲は「JAPAN」への熱い思いを口にした。

「目標はプロ野球選手になることで、甲子園を目指して練習していますが、もう一つの目標として、高校日本代表に入りたい」

高校日本代表へ、という発想は過去にはなかったことだ。

 長く高校球児の取材をしてきたが、実はこの発想、過去にはなかった。

 もともと、高校日本代表というカテゴリーは古くからあった。田中将大や松坂大輔、松井秀喜、福留孝介など、高校時代にスターだった選手の多くは、日本代表として戦ったことがあるのだ。しかし、夏の甲子園直後に結成される高校日本代表の試合は、親善の意味あいが強く、「夏の大会のご褒美」的な要素が強かったというのも事実だった。

【次ページ】 「高校日本代表」の認知度は確実に上がっている。

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