冬はとくにお風呂に長く浸かるのがとても心地良い季節。そしてお風呂上がりに“耳掃除”を行う人も多くいますよね。身体がさっぱりした後、耳もスッキリしたいためか毎日やっている人も多いようですが、この耳掃除たくさんやりすぎると大変な事になってしまうのです。
今回は、筆者の著書『健康レベルを上げる「身体学」入門』から、耳掃除をしすぎる危険性について紹介します。
■耳あかの重要な役割とは
耳あかの正体は新しくできた耳の皮膚が、新陳代謝によって剥がれ落ちたものや耳に入ったごみやほこり、耳からの分泌物などが混ざって溜まったものです。それならキレイに掃除した方が清潔なのでは?と思う方も多いと思います。
実は、耳あか自体に抗菌作用があるので、菌が入ってきても殺菌剤となり感染予防をしてくれる重要な役割があるのです。
また、耳に入ってきたゴミやほこりを吸着して外にだしてくれたり、外耳道の皮膚を湿潤に保ち、守ってくれたり、耳あかの臭いで虫が入らないようにする働きがあります。このように耳あかには大切な役割があり、耳にとって必要不可欠なものなのです。
■カビが生えたり菌が繁殖したりすることも
耳掃除が気持ちいいと思う人は多くいますので、それが常習化してしまうこともあります。しかし、耳の中の表皮はとても薄いため、耳掃除をしすぎると耳の中の外耳道を傷つけて出血してしまい、そこから化膿して炎症を起こすこともあります。
さらに抗菌作用の耳あかがなくなるので、耳掃除をしすぎると、“カビ”が生えたり、菌が繁殖したりする可能性もあります。
また、つい奥までめん棒や耳かきを挿入してしまう人も多くいますが、鼓膜を傷つけてしまったら、聴力が低下、最悪の場合鼓膜を破ってしまい手術になることもあります。
■お風呂上がりの耳掃除はNG
実は、耳掃除は、1ヶ月に1回、多くても週1回が良いとされています。奥深く掃除をしなくても、耳あかが溜まるのは入り口から1cmくらいまでなので、特にめん棒や耳かきを使わなくても、タオルで耳の入り口近くを軽くなでるようにして拭けば十分とも言われています。
また、『WooRis』の過去記事「入浴後スグ耳掃除はダメ!やりがちだけどNGな“お風呂での美容法”3つ」でもご紹介したように、お風呂上がりに耳掃除をする人も多いですが、お風呂上がりは耳の皮膚もふやけて傷つきやすい状態なので、避けた方がよいですね。
以上、耳掃除をしすぎる危険性について紹介しましたが、いかがでしたか?
いつもキレイにしていたいし、気持よいからといって、耳掃除を毎日してしまう耳掃除依存症にならないように、正しい耳掃除をしてくださいね。万が一、耳掃除によって、耳から出血があったり、音が聞こえづらくなったりという場合は速やかに耳鼻科を受診し、お医者さんに相談してください。
【関連記事】
【姉妹サイト】
※ ソレが危険!働き女子の「雑菌をウヨウヨさせちゃう」NG習慣4つ
※ 知らないと赤っ恥!大人の女が心得るべき「レストランマナー」3つ
【参考】
※ 古畑 公、岡村 博貴、望月 理恵子、木村 康一(2014)『健康レベルを上げる「身体学」入門 知れば変わる自分のカラダ』(福村出版)