(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
早速今回のテーマこちらです。
発達障害といいますと子どもの頃の問題かなというイメージが強いですけれどもね。
確かに子どもの時に気付く事が多いんですが中には大人になって社会に出てから気付くケースもあるそうなんです。
今日はこのテーマで専門家に分かりやすくお話をして頂きます。
それではご紹介致しましょう。
精神科医で発達障害の診断治療に取り組んでいます。
今日はどうぞよろしくお願い致します。
今早速話題に致しましたが子どもの頃は問題にならなかったが大人になってから発達障害に気付くというケースがあるんですね?そうですね。
今発達障害に対する認知はどんどん高まっておりまして年齢を問わず今発達障害と診断される人の数はどんどん増えているという現状があります。
そして昔に比べて一人で多くの事をこなさなければいけない。
そういうふうな社会の状況ですから症状の軽い発達障害の人が学生時代まではなんとかいけたんだけれども大人になってから混乱してしまう。
そして援助を必要とする状態になって初めて発達障害と分かるというケースが多くあるんです。
具体的にはどういった相談内容で受診される方が多いですか?ご本人自身が発達障害の特性で困難を抱えて受診される場合もありますしまたご家族であるとかあるいは会社の同僚が受診を勧めるケースもあります。
内容ですが…。
一つは人とうまくコミュニケーションがとれないとかあるいは仕事でミスが多い。
あるいは臨機応変に対応できないという事や計画的に物事が進められない。
あるいはかんしゃくを起こすなど感情のコントロールが難しい。
そういった事が挙げられます。
こうして挙げて頂いた事は日常的に誰も思い当たる事がありそうな事ですがね。
確かにこれらの相談は誰にでもありえる事なんです。
しかしこれらの程度が強くて日常生活の多くの場面で困難を抱えてしまう場合に発達障害という診断が下される事になります。
誰にでもありがちな症状ですからこれは本人の努力不足であるとか配慮が不足しているとかそういうふうに思われがちで周囲に理解されなかったりご本人自身も自己嫌悪に陥ってしまう事があります。
それでまた睡眠障害であるとかうつ病などの心の不調精神的な不調を来してそれが受診のきっかけになるケースもあります。
では大人になってから発達障害だと分かったケース一例をご紹介しましょう。
こちらです。
現在23歳の男性Aさんです。
言葉を話すようになったのは1歳8か月と少し遅めでした。
幼稚園では一人だけでアリをじっと観察するなどほかの子どもたちと一緒に遊ぶ事はありませんでした。
しかし学校では成績もよく生真面目で物知り博士と周囲から一目置かれる優等生。
大学も無事に卒業しました。
しかし就職後Aさんの様子が変わったんです。
任された仕事はいつも期限ギリギリ。
要領が悪く上司に怒られてばかり。
そしてある日急ぎの仕事中パソコンの調子が悪くなりなんとかしなければとキーボードを強くたたき続けてついには壊してしまったという事がありました。
Aさんは会社の産業医の勧めで母親と一緒に精神科を受診したところ発達障害の一つアスペルガー症候群の可能性が高いと診断されたんです。
Aさんのケースを見ましたがお子さんの時からの経過をちょっと見た訳ですがAさんは大人になってからこうした発達障害を発症されたと考えればいいんですか?いやそうじゃないんですね。
発達障害は生まれつきの脳の働き方の違いによって物事の捉え方とかあるいは行動のパターンに特徴がある状態をいいます。
幼少期から発達障害の症状や特徴というものがあってもそれがもし対処可能な状態であれば困難は生じない訳なんです。
Aさんの場合でも幼稚園から小学校中学校そして高校大学と人間関係がだんだん複雑になっていってもなんとか工夫して乗り切っていけたという事があるんです。
しかし大人になって社会に出るとこれまでと違うスキルが要求されていく事になります。
例えば報告書や企画書を作成するとかあるいは同僚や上司との人間関係。
特に職場でのつきあいやアフターファイブとの切り替えがありましたりあるいは今回のような想定外の事態の対応など臨機応変に対応しないといけない事が増えるんです。
そのためにAさんのように会社勤めをしてから対処可能な範囲を超えてそして困難を来してそれがきっかけで発達障害が分かるというケースがある訳です。
具体的な出来事としましてはAさんパソコンの調子が悪いという事で強い操作をして壊してしまう事態が起こりました。
発達障害のある人は非常に生真面目な人が多くて決まった事はきちっと人一倍やるんです。
でも急な事が起こると混乱してしまう事があります。
Aさんの場合には急にパソコンが動かなくなってしまってそれをなんとかしようと慌てて強くキーボードを押し続けてしまったという事になります。
Aさんは受診されてアスペルガー症候群の可能性があるという診断だった訳ですがこのアスペルガー症候群はどういう状態なんでしょうか?アスペルガー症候群は対人関係がうまく築けなかったりとかあるいは特定の領域に対して強い関心を持っていたりこだわりが強く見られる点では自閉症と類似しているんですが言葉の発達が良好である点で自閉症とは異なっています。
今話題に出ております発達障害いろいろなタイプがある訳ですがそこのところちょっと押さえておきましょう。
久田さん。
ではこちらで見ていきましょう。
まずは自閉スペクトラム症。
これは自閉症に連続性を持つ状態という意味なんですが特定の領域に強い興味やこだわりがあるという特徴の発達障害のさまざまなタイプがここに含まれています。
主なものとして自閉症またAさんが診断されたアスペルガー症候群などもここに含まれます。
そしてこちらですね。
落ち着きがない待てないまた注意が散りやすいなどの特徴がある注意欠如・多動症。
これはADHDともいわれます。
また読み書き計算などのいずれかに著しい困難がある学習症LD。
これは学習障害とも呼ばれています。
そのほかに知能指数の低さで診断される知的能力障害知的障害もあります。
こうして図示する事によって分類の理解をした訳ですがこの重なり合っている部分もやっぱりある訳ですね。
これはどう理解すればよろしいでしょうか?複数の発達障害を持ち合わせていたりあるいは診断に至らないまでも別の発達障害の傾向がある事は非常によくある訳なんです。
Aさんの場合例えばアスペルガー症候群の場合知的能力障害を伴う事は非常に少ないんですが注意欠如・多動症などの発達障害を伴う事が非常に多く見られます。
Aさんは精神科を受診したという事になった訳ですが悩んだ時にはどこに相談すればいいんでしょうか?診断を受けるとかあるいは睡眠障害やうつ病などの精神的な不調を併せ持つという事も多くてその治療も必要だという事を考えますとやはり受診するのは精神科という事になると思います。
精神科を受診しますとどのように診断をつけていく事になりますか?何よりも大事なのは問診です。
生まれた時であるとか小さい時からの育ちの経過あるいは学校や家庭でどういう生活を送ってきたのかという事ですね。
それから母子手帳であるとか学校の通知表なんかを持ってきて頂く事もあります。
そしてその人の行動や物事の捉え方のパターンですね。
そういうものを捉えていく確認していく作業を行います。
問診以外に何か検査をされる事はありますか?知能検査を行う事もあります。
知能検査といいますと知能指数ですね。
つまり全体としての知能のレベルを見る検査と思われがちですが知識の豊富さだけではなくって例えば言葉で説明する力であるとかあるいは計算力目で見て捉える力目で見て捉えた事に応じて手を動かす力などをチェックする事で知能のどこの領域が得意でそしてどこが不得意かですね。
それから得意なところと不得意なところの差がどれぐらいあるのかという事を確認していきます。
Aさんは母親と一緒に受診したという事がありましたがやはりこういった家族と一緒にという事はいいんでしょうか?そうですね。
その人の事を一番よく知っているのはやっぱり家族なんですね。
それから今後の生活を考えますと協力者として一番頼りになるのもやはり家族なんですね。
ですので家族と一緒に来て頂けるという事は大切です。
ご家族の理解も深まるという事ですよね。
さあ成人してから発達障害と分かった場合の対処法ですがどういう事が柱になりますか?まず大事なのは環境作りです。
発達障害のある人が生活しやすくするために本人や家族がどういう事ができるのかという事を考えたりあるいは職場との調整ですね。
そういう事を行います。
そのためにもその人の発達障害の特性を知るだけじゃなくってその人自身の得意不得意を学ぶ心理教育ですね。
そういった事が大事になります。
また生活がうまくいかない。
そういう事のために自信を失っていたり悲観的に考える事もやっぱり多いんです。
これまで振り返ってみるとどういう工夫を自分がしてきたのかとかあるいはどういう事が自分は得意なのかあるいはこれから自分が人生の中でどういう事を目指していきたいのかそういう事を一緒に考えていく。
これは精神療法といっていいと思うんですがこういったものも大切です。
お薬を使う事もあるんですね?はい。
発達障害の方では睡眠障害であるとかうつ病などの精神的不調を伴う事が多いですのでそういった症状に対して薬物療法を行う事もありますしまた注意欠如・多動症ADHDの場合にはその特性を軽減する薬物療法も可能です。
それでは先ほどのAさんどういう経過をたどったのでしょうか?久田さん。
ではこちらで見ていきましょう。
発達障害の一つアスペルガー症候群と診断されたAさん。
医師の指導の下発達障害者支援センターに相談しました。
自分の得意な事不得意な事をここで確認する事ができたんです。
得意な事は地道ではありますが正確さを求められるパソコンのデータ入力作業。
不得意なのは仕事の順番を期限に合わせて臨機応変に変えるといった事でした。
そこで発達障害者支援センターはAさんの得意な事を生かせる職場環境作りをAさんの会社に提案してくれたんです。
その結果Aさんの仕事を上司が常にチェックして順番を指導する事でAさんは得意とするパソコンの入力に専念できるようになったんです。
また主治医と会社の産業医が情報を共有する事で産業医にフォローしてもらえる環境も出来たんです。
こうした事でAさんは職場で混乱する事が減って作業効率がよくなり働く事に自信が持てるようになりました。
今出てきました発達障害者支援センター。
これはどこにありますか?発達障害のある人が生涯にわたる支援を必要としている事を踏まえて2005年に発達障害者支援法というのが出来たんです。
そして各都道府県政令指定都市に設置されています。
ここ以外に相談できる窓口は何かあるでしょうか?生活に関する相談であれば保健所であるとか地域生活支援センターなどが相談に応じています。
また就労であれば障害者職業センターであるとかハローワークも相談に応じています。
発達障害の方へ生活上のアドバイスとして何かありますか?リラックスする事とか余暇を取る事も大切ですよね。
自分なりの楽しみ方例えば週末に散歩に行くとかカフェーに行くとか鉄道の見学とかその人のペースであるとか興味に合わせたようなそういうふうな自分なりの楽しみ方を計画的にスケジュールに組み込む事が大切です。
また有給休暇をうまく取るという事ですね。
そしてそれを活用する事も重要になってまいります。
こういう事になりますと職場の理解も必要ですし当然周辺の理解が非常に大事なんですね。
そのためにはどういう事が大事なんでしょうか?周辺の理解も含めて。
発達障害の特性や症状は程度の差こそあれ誰にもあるものなんです。
それでその程度の強いために社会で困難を来している人たちそれが発達障害のある人たちだという事であります。
紹介したAさんのように学校で物知り博士と一目置かれていたりあるいは会社でパソコンの入力作業では非常に卓越していたりというふうに強みがあるという事もある訳なんです。
そういう一人一人の強みとかあるいは得意な事そういう事を本人や周囲がきちんと理解をしてそれを生かしていく事が成熟した社会の在り方じゃないのかなと思います。
どうも今日のお話大変ありがとうございました。
2014/12/27(土) 04:15〜04:30
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「大人になって気づく発達障害」[解][字][再]
大人になって発達障害と診断されるケースでは軽症のものが。適切な支援で、自分の得意分野を活かせる環境づくりが可能だ。発達障害者支援センターなどへの相談も考えたい。
詳細情報
番組内容
年齢を問わず、発達障害と診断される人が増えている。大人になって診断されるケースでは軽症のものが。これは、子どもの頃は何とか対応できたのに、社会に出て臨機応変な対応・コミュニケーション力が求められる環境に対応しきれず、発達障害とわかるようなケースだ。診断がついても、適切な支援を受けることで、本人が生活しやすく、自分の得意分野を活かせる環境づくりが可能だ。発達障害者支援センターなどへの相談も考えたい。
出演者
【講師】名古屋大学大学院准教授…岡田俊,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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