今回のUー29。
主人公は24歳で学習塾塾長の孕石修也さん。
通称ハラミ。
(孕石)ここがやっぱり一つのゴールではあるので。
普通の塾に満足できない子どもが通う塾。
特徴は生徒と徹底的に話す事。
やるじゃないすか。
ハハハ…。
はいはいはい。
そうです。
ハハハハハ…。
親との会話が減りがちな思春期。
「子どもが何でも話せる塾だ」と口コミで浸透中。
だが塾が個性的なら子どもも個性的。
優くん。
ハラミです。
いい肉食う!ゆうにじゅうくう。
舞台に塾。
ん?塾があるのは愛媛県松山市にある商店街。
寒いっす。
涙と鼻水が止まんないっす。
ハラミが大学4年生で開いたこの塾今年で3年目。
ハラミ1人で切り盛りしている。
特徴はとにかく自由な事。
決まったカリキュラムも独自の教材もない。
塾に通う子どもは中高生中心に15人。
平日の午後5時から10時まで子どもが好きな時間にやって来る。
週に何回通うかも自由だ。
まず塾の生徒が向かうのは塾長ハラミの元ではなくこちらの部屋。
「集中の間」と呼ばれている。
生徒は毎回3時間この部屋でそれぞれ自習する。
内容は学校の宿題や受験勉強など自由。
生徒が自分で決める。
一方塾長の仕事は生徒と向かい合って話す事。
1人と2時間以上話す事もある。
自習していて分からない問題があれば生徒はそのつどハラミの元に来て解説を求める。
勉強だけでなく生活のちょっとした悩みも聞く。
なるほどね〜。
高1のナツミさん。
部屋にマンガがあって勉強に集中できないらしい。
よかったやん。
どんな話題でもハラミは生徒の話を聞き受け止める。
(タケノリ)こんばんは。
2週間前から通い始めた中2のタケノリくん。
勉強嫌いが少しでも改善すればと母親が入塾を決めた。
勉強への意欲を湧かせるためハラミはまず目標となる自分の将来を考える事が効果的だと思っている。
「将来の夢何ですか?」って聞かれたらさ何て答える?俺はそう思ってなくて……っていうのがポイントだと思ってね。
じゃあまず…職業ではなく将来どんな生き方がしたいのか。
初めての質問にタケノリくんなかなか答えがまとまらない。
実はこれがハラミの狙い。
自分の思いと向き合う時間を意識して作ろうというのだ。
今横向き。
横向きか。
うんうんうん。
少しずつ自分が今いろいろモヤモヤ考えていると思うんだけど。
寝そうにもなってると思うんだけど。
勉強を進めながら将来についても考え続ける。
さよなら。
はいさよなら。
重んじるのは自主性。
何でも自分で決められるようになってほしいという。
自分で決めるっていうそのプロセス主体性っていうのが大事じゃねみたいな。
先生に「そこの高校行け」って言われて仮に受かったとしてもその高校生活がちょっとでもつまらなくなった瞬間にその先生を責めてしまうんですよね。
「先生がここ行けって言ったから行ったのに全然つまんないんだけど」って。
「いやつまんなくしてるの自分じゃん」って。
ハラミがようやく家に帰る時間だ。
部屋には布団テーブル以外に家具がない。
1日のほとんどを塾で過ごすハラミ。
家でやる事はアイロンがけくらい。
単純作業で無心になれる時間が好きだという。
静岡の進学校に通っていたハラミ。
先生の薦めで難関国立大学を目指したが不合格。
第2志望の大学に入った。
周りから認められたい。
3年生の時30歳近く上の社会人から学童保育の共同経営を持ちかけられた。
やべえ…そこで「オレすごいそういうの興味あるんですよ」みたいな。
ただそんなに何だ…誘いに乗って始めた学童保育事業。
しかし共同経営者に言われるがまま手を広げた結果資金繰りで行き詰まってしまう。
いろいろほっぽり出して。
その時は本当すごい…自分の生き方が分からなくなったハラミ。
その時から日記を書き始めた。
人生で初めて自分の心と向き合う時間。
思いを文字にするうちに不思議と前向きになれた。
自分と同じ失敗をさせたくない。
考え抜いた末もう一度子どもと向き合うため今の塾を開いた。
そんなハラミの一週間スケジュールがこちら。
とにかく家にいない。
最も多くの時間を過ごすのが塾。
生徒が来ない時でも塾にいる。
ハラミのある1日を見てみよう。
朝5時前。
ハラミは塾で目覚める。
早朝塾では別の学習塾が開かれている。
寝ぼけ眼で立ち会う。
大学の後輩が「早朝の時間を利用して塾を開きたい」と言うので試しにハラミの塾をテナントとして借しているのだ。
朝ごはんはハラミも一緒に食べる。
(大向)自分自身が教育を通して作りたいのって居場所っていう所なんですかね。
お!いい言葉使ったね。
ハハハ。
昼間塾は高齢者向けのパソコン教室になる。
大学時代の友人が新しく始めた事業だ。
ハラミも講師として働く。
僕の周りにいる人たちが「これやりたい」っていうのをひたすら応援してあげるっていうのをやってます。
メリ〜クリスマ〜ス。
夜からは子どもたちへのボランティア活動の集まり。
こうした仲間からの刺激がハラミのエネルギーのもとなんだって。
こちらがハラミの月収。
塾の授業料とテナント料などで31万円。
経費を引いた18万円が実質の収入。
経営難に備え貯金は欠かさない。
1人ハラミが気にしている生徒がいた。
入塾して3か月になる中1のシュンくん。
週5回塾に通って来る。
勉強のお供に欠かせないのはハラミがいれたブラックコーヒーだ。
(シュン)何かもう慣れすぎて…シュンくんは他の学習塾になじめずハラミの塾にやって来た。
この塾の自由な雰囲気がすぐに気に入った。
最初に先生がいれてくれた麦茶がすごいおいしかったそうです。
ハハハハハ…。
ちょっと。
何?しかし塾にはやって来るが5分くらいしか集中力が続かない。
学校の宿題を塾で終わらせる事ができず家に持ち帰る事が多かった。
さよなら〜。
気を付けてな。
この日も宿題が終わらず土日に家でやってくる事になった。
次の週。
シュンくん宿題は終わったのかな?ちゃんとここに…
(シュン)「コーヒーですすみません」って書いてあるの。
終わっていなかった。
土曜日?チョキーン。
(シュン)やるよ。
宿題をやらないシュンくんに内心はガッカリのハラミ。
しかしそれは表に出さない。
一方シュンくんは…。
どうぞ〜。
頑張っとるから。
社会の訂正ノート終わらせたよ。
2日後。
この日もシュンくんは集中できず話しながら学校の宿題の工作をしていた。
うん。
いや見たら分かる。
そしてついに…。
これまでシュンくんの気持ちを優先してきたハラミ。
抑えていた気持ちがついに出てしまった。
帰り際毎日塾に来ていたシュンくんが気になる事を言った。
うん。
(シュン)さよなら。
さよなら。
やべえ。
オレも分からんくなってきた。
ちょっと今多分お母さんと同じ気持ちかもしれん。
ちょっと落ち着こうって。
(ため息)それ以降シュンくんは余計にハラミとの話を避けるようになった。
しかしシュンくんが変わるきっかけはシュンくん自身に考えてもらうしかない。
…案外。
分かります?どんどん押されるから。
更に2日後。
この日ハラミは寝ていたシュンくんを起こして対話室へ連れ出した。
進入〜。
逃がさないようにこの日はあえて横に座らせ自分の思いをぶつけてみる事にした。
いやそれはね…他に?うん。
他にどんな事があるの?ハラミからシュンくんへの遠慮は消えていた。
集中力とは何かシュンくん自身に考えさせてシュンくんの言葉で書かせる。
シュンくんが飽きてくると引き起こし紙に向き合わせる。
ああ。
他には?腰が痛くなる…。
話題を変えながらも最後まで書かせる。
OK。
それは整体師さんが言ったから間違いない。
あと左手も出す事ね。
ヨッシャー。
こうしてシュンくんは集中できない理由を自分で分析した。
主な原因はおしゃべり。
更に具体的な目標を考えさせる。
5時間?
(シュン)やるやるやる…やる〜!ハラミ自身の思いも伝えながらシュンくんの意思も尊重した。
そしてシュンくんは自分で決めた目標に向けておしゃべりせずに取り組んだ。
(シュン)はぁ〜。
この日初めて時間を決めて集中する事ができた。
バイバ〜イ!はいお疲れさん。
今日どうでした?最後に集中した。
した。
したな。
したしたした。
バイバ〜イ。
バイバ〜イ!恥ずかしがんなや。
バイバ〜イ。
うん。
うん。
分かった。
明日。
お休み。
(シュン)バイバ〜イ。
明日6時から?だっけ?じゃあ16時。
4時。
4時?うん。
4時9時。
オレ起きとるかどうか分からんよ。
起きろ!う〜ん!生徒たちが帰ったあとハラミが日記を書いていた。
「自分と向き合う時間と相手と向き合う時間、共に大切にしていこう!」。
自分の事は自分で決める。
そのために子どもたちの手助けをしようとハラミは決めた。
自分で決めた人生はちょっと苦くても面白いよね。
2015/01/12(月) 19:25〜19:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「学習塾 塾長」[字]
主人公は松山市で学習塾を営む孕石修也さん・24歳。自由が売りの塾には個性的な生徒がやってくる。子どもの自主性を尊重するあまり、生徒に注意できずにいるハラミだが…
詳細情報
番組内容
主人公は松山市で学習塾を営む孕石修也さん。通称・ハラミ。弱冠24歳の塾長だ。彼の塾は「学習する内容は自分で決める」とユニークな方針を貫いている。何より大切にしているのが生徒との対話。内容は成績から生活、恋愛の悩みまで何でもアリ。生徒たちはこの時間を楽しみにしている。だが自主性を尊重するあまり、集中して勉強しない生徒に注意できずにいるハラミ。どうすることが本人のためなのか?葛藤する若き塾長に密着。
出演者
【語り】Mummy−D
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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