ふだん何気なく飲んでいる薬
その原料を知っていますか?
例えばせき止め薬に使われることがあるのは
日本人におなじみの桜の木の皮
そして解熱鎮痛剤によく入っている成分を持つのは
柳の木
古来多くの薬を植物から作り出してきた人類
21世紀の今でもほとんど手つかずの未開の場所がある
それが日本の海
そこには新薬につながる無限の可能性が眠っている
その開拓者が科学者
かつて海洋生物から発見した物質で抗がん剤が開発
そして再び世界初となる薬を
大海原から生み出そうとしている
実は上村ノーベル賞を受賞した
野依博士下村博士と同じ門下生
恩師である平田博士は
物質研究における世界的権威だ
日本中の海を駆け回り
世界が驚く新薬作りに挑む
IhaveadreamWehaveadream!
どんな最先端の薬の開発も地道に歩き回り
海洋生物を見つけることから始まる
この日は学生を連れ地元の海へやって来た
ウミウシの仲間ね
この生物から抗がん作用が
何だか不思議ですね
さらに…
ちょっと見せてうんそうそうこれねこれは典型的なクロイソカイメン人類にとっても重要な働きをする化合物の宝庫
上村はかつてこのクロイソカイメンから抗がん物質を発見
乳がんの治療薬開発につながった
日本で生まれたその薬は現在…
多くの乳がん患者の苦しみを和らげている
私の場合ということなんですが以前使った抗がん剤に比べれば本当に副作用が少なくて元気に働けますし…
新薬開発につながる功績が認められ…
ところがそんな上村の研究には
常に隣り合わせのある問題があった
それは海洋生物から取り出せる物質の量が
ごくごくわずかなこと
クロイソカイメンの場合はおよそ600kgを海から採取
ところがそこから取り出せるお目当ての物質は
わずか12.5mg
米1粒ほどの量だった
そのときの新物質を上村は今も大切に保管している
物質量としては少ないので大変苦労しますね
宝物である新物質を
もっと効率的に探し出す方法はないのか
その答えを探しにやって来たのは
上村が30年以上前から通っているという
沖縄・石垣島の海だ
上村の今回のターゲットは…
やって来たのは島の西部に位置する吉原海岸
あらゆる生命の源とも言える海洋生物だ
上村は長年の研究から薬につながる物質は
海洋生物が食べた餌の中に豊富に含まれているのではと考えた
そこで食物連鎖の末端に位置する藍藻に注目したのだ
ですから私たちは藍藻に着目しているわけです
多様な物質を含むと今世界的にも注目されている藍藻
では上村は30億年前から生きるこの生物から
21世紀の現代に役立つ
どんな物質を探そうとしているのか?
目指すは科学的に根拠のある
これまでにない肥満治療薬の開発だ
世界の薬開発者が注目する生物藍藻
上村はそこからどんな物質を探し出そうとしているのか
現在体に蓄積された脂肪に
直接働きかける肥満治療薬はない
上村の夢はその薬の開発だ
これまでの研究で探したい藍藻の当たりは既につけている
ところが藍藻は数千種類もある
真夏の炎天下3時間が経過
探している藍藻はサンゴの上にうっすらと付着する
一見石のように見えるもの
それはまるで砂漠の中から1粒のダイヤモンドを探すかのよう
海洋生物から薬を開発するには体力と忍耐が不可欠だ
上村は御年69歳
それでも力強い足取りが緩むことはない
(スタッフ)疲れないですか?疲れませんねやっぱりおもしろいと思うからでしょう誰でも子どもでもそうじゃないですかおもしろいことはやりたがるでしょ
好奇心がなくなったら普通の老人になってしまう
そして4時間が過ぎた頃
おーい
ついに見つかったのか?
ちょっとこれこれこれうんと近くで見てください非常に変わった形態をしていてサンゴの上にかぶさってるわけです
これが探し求めていた藍藻
温暖なサンゴ礁海域に生息し
ふだんは魚や貝などに捕食される
この中に人類の悲願である
肥満治療薬につながる物質が眠っているかもしれない
じゃね乾杯お疲れ
探していた藍藻が見つかりホッと一息
うまいッのどがヘロヘロいってるなお酒もお肉も強いです今でもかなわないです
若者にも劣らずよく食べよく飲む
いやあこのパワーまいりました
現在私たちが恩恵を受けている様々な海洋生物の力
その一部ははるか昔から知られていたんです
疲れたときに飲む栄養ドリンク
そこによく含まれている成分がタウリン
実はこれ多くの海洋生物に含まれていますが
その代表格がナマコ
これは今から1000年以上前に編さんされた…
ここに既にナマコは疲労衰弱を治すと記されているんです
また二日酔い対策には肝臓の働きをよくする
オルニチンが有名
その1つが日本の浜辺にいるカメノテという海洋生物だ
やはり日本最古の医学書にも
カメノテには酒の酔いをさます効果があるとの記述が
ちなみに二日酔いにはシジミ汁がよいというのは
シジミにオルニチンが豊富だからなんです
海に囲まれて暮らしてきた日本人は
1000年も前から海洋生物の力を上手に使っていたんですね
大学に戻った上村は
藍藻から目的の物質を抽出する作業に取りかかった
使うのは…
えッ普通のミキサー?
青汁ねジュースね同じです
藍藻から物質を取り出すにはまずは細かく粉砕しろ過する
幾つもの物質が混在したこの中から
肥満治療薬につながるものを探し出す
取り出した1つ1つの物質を
培養したマウスの脂肪細胞に投与し
その反応を確かめていく
その結果ある物質が脂肪に反応を起こした
とはいってもこれは薬開発の初期の初期
シャーレでの実験後人への臨床などを経て
新薬への道が開ける
新物質が薬になる確率は
3万分の1とも言われている
上村が見つけ出した新物質をシャーレの脂肪細胞に投与すると
赤く色づけした脂肪分がみるみるうちに減り…
6日で65%も消えた
この新物質は培養された脂肪細胞の脂肪分を
消し去る力を持っていたのだ
実質これはすごいね
現在市販されている肥満治療薬は
脂肪の消化吸収を抑える薬か
食欲を抑える薬
どちらも脂肪分に直接働きかける作用はない
上村はこの画期的な新物質を
苦労して藍藻を採取した吉原海岸にちなんで
ヨシノンAと命名した
ところが次なるステップへと
駒を進めるに当たり大きな問題が生じた
残っているヨシノンAはたった1.3mgしかない
その常識が上村の前に立ちはだかった
このまま諦めてたまるか
科学的に根拠のある肥満治療薬の開発を目指す上村
ついにシャーレで培養した脂肪分を消し去る新物質
ヨシノンAを発見した
ところが次なる動物実験のステップへ進むためには
新物質の量が足りない
そこで上村が考えたのは…
ヨシノンAの化学構造を解明し
代わりとなるそっくりな物質を見つけようというのだ
目的である化学構造の解明に成功
ここからそっくりさんの物質探しが始まる
ヨシノンの部分構造書いてくれた?ちょっと見せて
ヨシノンAの構造式の一部を検索ソフトに入力
一致する物質をデータベースから探す
すると300以上がヒット
1つ1つの化学構造をチェックしていく
それそれそれどう?
そのときある1つの構造式に上村の目が留まった
これですよ
見つけた物質はヨシノンAと左半分の構造が全く同じ
おまけに入手はそう困難ではないという
これで動物実験をやりましょうそういうことですな
肥満治療薬を待ち望んでいる多くの人のために
夢を支えているのは衰えることを知らない好奇心だ
新薬開発へ向けた次の段階に進むため
上村は共同研究者を訪ねた
こんにちは小山先生どうも
薬理学が専門の小山博士
委託するのはマウスを使った実験
これサンプルを上村先生から預かったやつ冷凍庫に入れてくれますか?
実験ではマウスを3グループに分ける
1つ目には高脂肪食の餌を与える
2つ目には高脂肪食プラス実験物質
3つ目には通常の餌
3つのグループの脂肪と体重がどのように変化するのか観察する
この実験がうまくいけば
世界初となる肥満治療薬に一歩近づく
5週たちましたのでまいりましたドコモでは災害の発生に備えさまざまな取り組みを行っています。
日頃携帯は基地局との間で電波をやりとりして通信を行っています。
この基地局が災害時に機能しなくなった場合つながらなくなった複数のエリアをカバーできる大ゾーン基地局を全国100か所以上に設置しました。
また停電への備えとして自家発電設備や予備バッテリーを設置。
移動基地局もさらに増やすことでより広い範囲へ迅速に対応できるようにしています。
「災害用伝言板」「災害用音声お届けサービス」の提供「エリアメール」のさらなる活用などにも取り組んでいます。
災害に強い通信ネットワークを目指して。
マウスを使った肥満治療薬の実験
その結果が出た
おはようございますどうでしょう?
なんと実験物質を摂取したグループは
通常の餌のグループとほぼ同じ体重変化を示した
さらに脂肪の量を計測したところ
実験物質を食べたグループの数値が
一番低くなったのだ
これによりマウスの肥満の進行が抑えられたことが実証された
夢の実現に向けて非常に一歩近づいたということで非常にうれしく思ってます
今回の実験結果を専門家に評価してもらった
砂山博士は肥満症治療のスペシャリスト
上村の発見した新物質へ期待を寄せた
今回薬剤この物質に関しては脂肪細胞に直接働くようなアプローチということなのでなるほどおもしろいアプローチだというふうにご意見いただきましたので我々としてもこれをさらには臨床にまでもっていけるように頑張ってみたいというふうに思います人生長いじゃないですか長い間気力を持って研究を進めていけば必ずやいいことがあるその源は何かというと物事に対する好奇心と思ってます
肥満治療薬の人への臨床試験の目標を5年後に定めた
そのとき上村は74歳
でもきっと変わらずに日本中の海を
パワフルに駆け回っているだろう
次回は人工衛星の世界に価格破壊
通常数百億円かかる人工衛星をわずか3億円で打ち上げる
目指すは宇宙をもっと身近な場所にすること
平均年齢33歳の若者たちが宇宙革命を起こす
ナレーターは彼にバトンタッチ
今夜
何と!
2015/01/11(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【坂口憲二▼脂肪が消える!?海の生物から肥満治療薬をつくる!】
日本の海は宝の山!新物質を発見し夢の新薬開発へ
詳細情報
お知らせ
普段、飲んでいる“薬”、その原料の多くは、陸上に生息する生物由来のもの。
だが、100万種以上の生物が棲み、薬になる有効な物質が眠っている可能性を無限に秘めた場所がある。それは、海。
実際、海洋生物から、「乳がんの治療薬」につながる物質を見つけ出した化学者がいる。
“天然物化学”の第一人者、神奈川大学教授・上村大輔。
日本で開発されたその薬は、現在、世界50カ国以上で承認されている。
番組内容
上村の次なるターゲットは、“脂肪を消し去る”新物質を持つ海洋生物。
体に蓄積された脂肪に直接働きかける、新たな肥満治療薬の開発を目指す。
目をつけたのは、約30億年前から存在するという「藍藻」と呼ばれる藻の一種。
しかし、3000種ほどあるという藍藻・・。上村は“宝”を探し出せるのか?
そして、極わずかしか取り出せない物質から新薬をつくるために、上村がとった秘策とは?
出演者
【ドリーム・メーカー】神奈川大学 理学部 教授 上村大輔(69歳)
【ナレーション】坂口憲二
音楽
小田和正「やさしい雨」
制作
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ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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