はるかなるアンデスの山々は
文明のゆりかごでした
旅のはじめは空中散歩から
できたばかりのこのロープウエー
走るのは何と
南米ボリビアの首都
富士山の山頂ほどの高さに100万人もの人が暮らしています
ここは世界の首都の中で
一番高い場所です
標高4000メートルのロープウエーは街の新たな名物となりました
アンデスにはこうした高地の都市がいっぱい
古くから天空の文明を育んできたのです
今回はインカ帝国のルーツを列車でたどります
まずはあの空中都市
全ての道が集まる都
世界の中心でした
インカ繁栄の秘密を追って湖のほとりの神殿から
世界一たどりつくのが困難な遺跡へ
アンデスの山中で年に一度
悪魔が目覚めるのを目撃しました
アンデスをめぐる旅は驚きの連続
最初に出会ったのは標高3600メートルに架かる
吊り橋でした
しかも草のロープを編んだ橋です
(スタッフ)超怖い
深い谷をつないだこの吊り橋
の一部です
毎年6月近くの集落から男達が集まり
吊り橋をつくります
何度もより合わせた40メートルもの太いロープ
ロープの橋は寿命が短く
毎年架け替える必要があるのです
材料はイネ科の野草を干したもの
こうした吊り橋をはじめインカ帝国は
アンデスの山々に道を張り巡らせました
山の民は500年前の技術を受け継ぎ
今も役立てているのです
断崖に築かれたインカ道は
それが各地に人や物を運びました
帝国の繁栄を支えたのです
険しい山道にはこんな丸木橋も架けられました
道のかなたにはあの空中都市があります
ペルーの山中
撮影隊が向かったのはマチュピチュです
なぜこんな山の上に街が作られたのでしょうか
太陽を崇めたインカ
少しでも天に近づきたい
人々の思いを感じさせます
100年前マチュピチュを発見した探検家は
「世界で最も美しい石壁だ」と
驚きの声をあげました
自然の岩の上に巧みに人工の石を積み上げています
これは
ここで天体の動きを観測しました
マチュピチュはインカの皇帝にとって
特別な場所だったのです
わずか50年でアンデスを制覇した
大帝国
最盛期の領土は南北4200キロにも及び
そこに張り巡らされた道は黄金の都に通じていました
こんな伝説があります
太陽の神は息子に黄金の杖を与えこう命じます
杖が沈んだ所に神殿をつくれと
その場所こそ
街に残るかつてのインカ道には
今も美しい石壁が
形の違う石を隙間なく積み上げた高度な技術が伺えます
しかしインカの都は16世紀
スペインの征服者の手で
ことごとく破壊されました
わずかに残された太陽神殿の土台
その上にスペイン人は修道院を建てました
先住民にキリスト教への改宗を迫ったのです
朝8時
クスコの駅からチチカカ湖を目指します
そこはインカ発祥の地ともいわれます
わずか50年で大帝国となった秘密が隠されていました
チチカカ湖へ向かう列車は
今世界の鉄道の中で最も標高の高い場所を走ります
湖畔の街プーノまではおよそ400キロの旅です
アンデスから流れだす川に沿って高度を上げていきます
展望車からの眺めは格別です
豪華な列車は時速50キロののんびりした速度で進みます
地元の人は安くて速いバスを使います
列車に乗るのは外国人ばかりです
イギリスからですカナダのオタワです素晴らしいこんな景色見たことないよ
出発から5時間食堂車でランチを済ますと
ショーの始まりです
先住民の調べとスペイン系の音楽が溶け合った
フォルクローレ
乗客達もノリノリ気分でダンスに加わります
さらに標高は高くなり辺りは荒涼としてきました
この鉄道の最高地点は4300メートルにもなります
アンデスの大平原を走り抜け
列車は峠を越えました
夜7時ようやく終点のプーノに到着
11時間の長旅でした
標高3800メートルに広がる
南米最大の湖
インカの神話ではここは人間が生まれた場所です
湖面に生い茂るのはトトラと呼ばれるアシ
チチカカ湖には不思議な島があるといいます
実はこの島湖に浮いています
トトラでつくった
湖の民はトトラを使い
家から舟まで何でもつくります
アシを何層にも編んでつないだウロス島
人工の浮島は手入れさえすれば10年以上はもつといいます
さらに沖へ1時間半
そこには今もインカの末えいが暮らしていました
タキーレ島至る所で
インカ時代の名残が見られます
島民はみんな昔ながらのカラフルな衣装を織るのです
インカから続く伝統の織物
この手技ユネスコの無形文化遺産でもあります
男達も織物上手
自分で被る帽子を数ヵ月かけて織り上げます
文字がなかったインカ
こうした織物がイメージを伝える手段として
大切な役割を果たしていたのです
さらにアンデスの断崖へ
謎の遺跡が隠されていました
南米チチカカ湖
ここはインカ帝国発祥の地の一つだと考えられています
太陽の島には一面の段々畑・アンデネス
これがアンデスの語源になりました
この月の島は
かつて多くの巡礼者が集まる聖地でした
撮影隊はチチカカ湖に程近い都市遺跡
ティワナクへ
そこにはインカのルーツともいえる文化がありました
インカ帝国大躍進の陰には
実は先行するアンデスの文化がありました
ここもその一つ
土に埋もれてただの丘のように見えますが
これはピラミッド型の神殿です
丘を掘るとそこには巨石を積み上げた見事な石組み
ティワナクはこの地域の宗教的な中心として
600年も栄えたのです
インカはこうした高度な技術を受け継ぎました
太陽の門は重さ5トンもある一枚岩を削りだしたもの
そこに刻まれた図柄は
農耕用の暦だといわれます
この半地下神殿には
不思議な顔が並びます
石壁の180もの顔
この地で交流した民族でしょうか
ティワナクの滅亡後インカは大帝国を築くのです
撮影隊はさらにアンデスの山中へ
そこにもインカ以前の文化が潜んでいました
リオアビセオは世界一たどりつくのが難しい世界遺産です
道なき道をラバに揺られ
峠を越えます
標高4140メートル
うっそうとしたジャングルが行く手を遮ります
ここからは徒歩で進むしかありません
その時でした
何と
幻のサルです
アンデスの霧に覆われた森にしかいない彼ら
実は90年前に絶滅したと思われていたのです
貴重な映像が残せました
遺跡に向かいすでに5日目
突然断崖に出ました
9世紀頃から栄えた
チャチャポヤとは「雲の上の人々」を意味します
眼下に森を望むこの断崖に
彼らは墓をつくり先祖のミイラを祭ったのです
ミイラは布に包まれひとつひとつに顔が刺繍されていました
これは13歳くらいの
眼球まで残っています
湿気の多い森で独特のミイラをつくりました
15世紀チャチャポヤはインカに滅ぼされ
その文化もまた帝国に吸収されたのです
悪魔のよみがえる日が近づいていました
南米のグランドキャニオンへ
アンデスの旅インカの営みを追って
南に下ります
たどり着いたのは南北150キロも続く
深い谷
アルゼンチンの世界遺産
ウマワカ渓谷はかつて大山脈を越えるただ一つの道でした
そこに先住民が聖地と崇めた場所があります
美しい色の帯が幾重にも重なります
地層に含まれた鉱物の違いによるものです
まさに南米のグランドキャニオン
今日は年に一度の祭りの日
悪魔が村にやってきます
母なる
こうした土着の神々は
スペイン人に悪魔だとして信仰を禁じられました
そこで人々はキリスト教のカーニバルに形を借り
日頃のうっぷんを晴らしたのです
崖の上に悪魔が登場しました
光る鏡は「喜び」を
頭の角は「強さ」を表しています
彼らの正体は禁じられたアンデスの神々です
山を下りた悪魔達は
母なる神パチャママを祭った石の塚へ
そこに埋められた小さな悪魔を掘り出します
こうして大地の底に封印された全てのもの
虐げられた魂を解き放つのです
アンデスが育んだ文明
それは小さな川が集まり大河ができるように
インカ帝国となって大きな花を咲かせました
そして今もなお
アンデスの大自然の中に生き続けているのです
2015/01/11(日) 18:00〜18:30
MBS毎日放送
THE世界遺産[字]【列車でゆく天空のインカ帝国】
アンデスSP後編は、天空の文明インカのルーツを列車でたどります。マチュピチュ、インカ道、世界一たどり着くのが困難といわれる遺跡まで、6つの世界遺産を巡ります!
詳細情報
お知らせ
【遺産情報】
<国名>ペルー、ボリビア、アルゼンチン
番組内容
アンデス山脈の隆起により多様な自然が生まれた南米大陸。その高地に花開いたのは、「天空の文明」でした。インカ帝国最後の砦、マチュピチュ。インカ道の起点、黄金の都クスコから、世界一標高の高い場所を走る高山鉄道でチチカカ湖を目指します。そこは、インカ発祥の地。また、インカのルーツとも言うべき都市遺跡から、アンデスの断崖遺跡までを巡ります。今週のアンデス・スペシャル後篇は、5つの世界遺産をご紹介します。
出演者
【ナレーター】
藤原竜也
音楽
【オープニングテーマ曲】
「風の詩〜THE世界遺産 version2013」小松亮太
【メインテーマ曲】
「Les enfants de la Terre fantaisie〜地球のこどもたち〜」 作曲 服部隆之 演奏 宮本笑里 with 仙台フィルハーモニー
制作
■番組HP
http://www.tbs.co.jp/heritage/
■facebook
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ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
福祉 – 文字(字幕)
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