金沢女将塾の面接が終わったかぐらやでございます
(知子)ねえねえ?
(2人)うん?
(知子)みんなすごい経歴の人たちばっかりだったわよね。
(知子)キャビンアテンダントの人もいたりしてさ。
英語で自己紹介してたみたいよ。
(2人)ああー。
(英語)
(和代)それにどこかで見た顔だって思ったら昔グラビアアイドルしてた人もいた。
(弘美)うん。
(佑美)《学生のバイトのつもりでしていました》
(弘美)あっ。
でも一人いたじゃない。
(弘美)とうてい無理そうな人が。
(真知子)《1890年?》
(弘美)《はい》《ってことは100年以上も前から?》この老舗旅館かぐらやをよく知りもしないでやって来るなんて。
能登の漁師の娘とか何とからしいけど。
ありゃ駄目ね。
おばあちゃん大丈夫?
(キミ)何とか。
それで?旅館はどっち?
(キミ)降りて左。
分かった。
(奈緒子)ではこの5名が合格ということでよろしいでしょうか?
(村田)うむ。
山代温泉郷の老舗旅館宮崎屋さんの娘さんは全員一致で合格だ。
(村田)誰も文句はないね。
(綾)《どうかよろしくお願いいたします》
(菊)もちろんでございます。
(菊)ああいうお人がおってくれてホントほっといたしました。
(奈緒子)はい。
(奈緒子)私も塾生の中に旅館のことをよく知っている綾さんみたいな方がいてくださったら心強いですし。
(村田)うむ。
まあせめて一人ぐらいは最後まで残って女将になってもらわないとこっちとしても困るよ。
だがまあ彼女なら間違いないだろう。
はい。
それとこちらの香さんも皆さん合格でよろしいですね?
(村田)うんうん。
彼女のような国際感覚を身に付けた女性もこれからは必要だよ。
はい。
それと佑美さん。
(菊)私は合格にはしとりません。
元グラビアアイドルやなんて。
堂々と世間さまに水着姿を見せとったやなんて何や気に入りませんさかい。
ほやけどまあ村田さまが熱心に推されるさかい賛成したまででございます。
(村田)えっ?いやぁ。
別にあのう。
グラビアアイドルだからなんて。
ただあのう。
けなげだなぁと思ったんだよ。
セクハラされて会社を辞め女性として自立した女将になりたいだなんて。
なっ?奈緒子君。
あっ。
はい。
私もそう思いました。
それに自分の気持ちもしっかり言えてましたし。
心も強そうだと。
(村田)うん。
そうだよ。
変な誤解は困るよ。
後の2人も。
元看護師の久美子さん。
予備校の講師だった京子さんでよろしいでしょうか?大女将の方からは何か?
(志乃)いえ。
(志乃)別に私の方からは何も。
だいたい皆さんと同じ意見ですさかい。
ただこのお人さえ合格にならんとけば。
ああ。
能登の漁師の娘さんの真知子さんですか。
別に能登でも漁師の娘さんでも構いません。
本人に女将になる素質があれば。
ほやけどこの人にはほの素質のかけらもないと私はみました。
いや。
それはみんな同じ意見だよ。
彼女には女将になる素質はまったく見られないね。
私はこの履歴書の文字を見たときからほう思うとりました。
ほれにあの態度。
《「千里の道も一歩から」》《えっ?》《「終わりよければ全てよし」》すでに女将失格です。
けれど私はこういう人がいてもいいのではないかと。
えっ?あの物おじしない明るさは天性のものでしょうし。
何かこう能登の海の香りがするようで。
女将になったらどんな女将になるんだろうってちょっと面白そうだなって。
(せきばらい)言うときますが私がこの審査を引き受けたんはこの合格した塾生の人たちがまずこのかぐらやで仲居として修業を始めるからです。
こんな鈍で雑な人をこのかぐらやに入れるわけにはいきません。
分かっております。
ですから私も三角にしました。
三角!?三角。
その真知子でございますが
ここ?何?おばあちゃんが泊まってる旅館ってこのかぐらやだったの?
(キミ)そうですよ。
何だ。
やっぱり縁があるんじゃない。
ハァ。
(房子)あっ。
大女将。
お疲れさまでございました。
いやホントに。
60名も面接するやなんて。
(房子)であのう。
合格者はお決まりで?うん。
決まりました。
5名や。
(房子)ああ。
そうですか。
であのう。
その中に宮崎屋の娘さんは?ああ。
もちろん合格です。
ああ。
よかった。
えっ?ああ。
いえいえ。
いや。
あのう。
ああいう老舗旅館で生まれてお育ちになった方がいてくださると私も楽かなと。
ほりゃほうやね。
房子さんも女将修業を指導する立場になるんやさかいね。
はい。
しっかりと務めさせていただきます。
すいません。
お邪魔します。
あら?今玄関の方で声しなかった?おばあちゃん。
部屋は?2階。
うん。
分かった。
(増岡)ああ。
あのうちょっと。
(弘美)あっ!えっ?ちょっとどうしたの?
(弘美)あの子です。
えっ?
(弘美)あのう。
能登の漁師の。
能登?えっ!?梅の間。
ここだ。
よいしょ。
よいしょ。
よいしょ。
おばあちゃん。
下ろすよ。
はい。
大丈夫?よいしょ。
大丈夫?おばあちゃん。
薬は?あのう。
その袋の中。
これ?はい。
あっ。
あった。
これね。
お水お水。
あっ。
水。
・失礼します。
どうなさったんですか?温かいタオルを下さい。
えっ?手足を温めないと。
はい。
知子さん。
ご用意を。
(知子)はい。
それから弘美さん。
湯たんぽと火鉢のご用意もお願いします。
(弘美)はい。
あっ。
お靴。
(弘美)はい。
和代さん。
テーブルを。
(和代)はい。
飲めた?大丈夫?すいません。
今お布団敷きますからね。
横になってください。
どうぞこちらへ。
大丈夫かな?どうぞどうぞ。
すいません。
おばあちゃん。
(増岡)女将。
お医者さまは?お願いします。
(増岡)はい。
どうぞ。
(キミ)大丈夫ですから。
いや。
でも…。
(キミ)持病の高血圧で少し気分が悪くなっただけで。
もう今お薬飲みましたから。
すぐよくなります。
ホントに大丈夫ですか?はい。
薬持って出るのを忘れてしもて。
この人が背負ってここまで連れてきてくれたんです。
おばあちゃん。
ホントに大丈夫?はい。
横になったからもうすぐ治ります。
少し眠ったら?
(キミ)はい。
私おばあちゃん眠るまでそばにいるから。
(キミ)はい。
ねっ。
はい。
分かりました。
ではあしたお待ちしております。
はい。
失礼いたします。
(増岡)心配なさっとったんじゃないですか?ご家族の方。
ええ。
あしたこちらまで迎えに来られるそうです。
ほうですか。
この金沢に身内の方のお墓があって吉本さまは毎年お参りに来られるの。
でも1泊だけだからお一人でも大丈夫だろうってご家族の方も思われていたみたい。
ほやけど大したことにならなくてようございました。
ホント。
それも真知子さんが具合が悪くなった吉本さまをすぐにおぶって連れてきてくれたおかげ。
そういえばおぶってました。
それも梅の橋の向こうから。
えっ?ええ!?あんなところから?いやいやいや…。
ほれはまた。
着いてからの対応もなかなかだったしね。
・
(知子)失礼いたします。
(知子)どうですか?あっ。
もう大丈夫そうです。
(知子)はい。
あっ。
真知子さん。
おばあちゃんもう落ち着かれてぐっすりお休みなので私はこれで。
ホントにありがとう。
真知子さんがすぐにお連れしてくれたから吉本さまも大事に至らずに済んだのよ。
いえ。
そんな。
けどすごい行動力ね。
ここまでおぶって連れてくるなんて。
無我夢中で何とかしなきゃって。
その後のお世話も見事だったわ。
お薬を飲ませてベルトを緩めて寝かしつけるなんて。
「勘働きに休日なし」えっ?私のおばあちゃんがよく言ってました。
能登で民宿をなさってた?はい。
今どんな状況でお客さまが何をしてほしいと思ってるのか自分のことに置き換えたら分かることだと。
(フミ)《さてとお風呂の支度ができたさかい次はご飯を炊こうかね》
(真知子)《おばあちゃん》《まだ釣りに行ったお客さん帰ってきてないのにもうお風呂の支度しちゃったの?》
(フミ)《空を見てな》《西の雲がおてんとうさまにかかっとるときは船の上も寒うなっとるはずや。
もう船も戻っとるやろ》・
(戸の開く音)
(男性)《ああ寒かった》
(フミ)《おかえり》
(男性)《おばあちゃん》《早いけど風呂入れるか?》
(フミ)《いつでも入れます》《どうぞ》私だったらこうしてほしいって思ったことをしただけです。
あっどうぞ。
あっ。
だから吉本さまが安心できるように手をつないでもくれたの?病気のとき私もいつもそうおばあちゃんにしてもらってましたから。
あっ。
うちは母が幼いころに亡くなっておばあちゃんが育ててくれたんです。
いいおばあちゃんだったのね。
はい。
自慢のおばあちゃんです。
民宿に来るお客さんたち皆さんよく言ってました。
ここに来るとおふくろのいる田舎に来たみたいだって。
おばあちゃんはそれを聞くといつもうれしそうに「客の心ともてなす心が響き合う。
それが宿のよさ」って。
そう。
あっ。
あのう。
私どうだったんですか?面接は。
あっ。
それは…。
まさか落ちたってことは?えっ?あっ。
そのう。
さようなら。
ホントにお疲れさまでした。
(増岡)ああ。
あんなに肩をお落としになって。
ええ。
絶対合格って信じてたみたいだからね。
はい。
けどどこからあんな自信が湧いてくるのかしら?あのう。
どうされるおつもりですか?何が?あっいえ。
女将にはお考え直しがあるんやないかと思いまして。
・失礼します。
もうお起きになって大丈夫なんですか?
(キミ)はい。
どうぞご無理なさらずに。
少し眠ったらもうすっかりよくなりました。
ああ。
そうですか。
あの子は?あのここまでおぶってきてくれた。
先ほど帰っていきました。
そうですか。
もう一遍ちゃんとお礼言いたかったのに。
けどあんなに自分のことのように心配してくれるやなんてね。
もううれしくなってしまいます。
でも今回この金沢に来てホントにいい思い出ができました。
「よき思い出は心の宝」でございます。
ハァ。
(宗佑)ハハッ。
いやぁ。
金時草安かったなぁ。
(宗佑)あのう。
お嬢さん?早まったりしないよね?えっ?
(宗佑)さあできたぞ。
よし。
どうも。
これが小籠包?
(宗佑)ああ。
(宗佑)まあ食べてみろって。
ホントにいいんですか?もちろん。
じゃあ遠慮なく。
いただきます。
この特製黒酢につけて食べるんだぞ。
はい。
うん。
熱いから気を付けてな。
はい。
うん!おいしい。
だろ?俺が本場台湾で修業して身に付けた味だからな。
小籠包ってこんなにおいしいんですね。
もううれしいこと言ってくれんね君は。
お代わりとかあるんですか?もちろん。
来週この店オープンでね今日から下ごしらえしたから山ほどあるよ。
きっとはやりますよ。
この味なら。
だろだろだろ?おいしい。
よし。
じゃあお代わりな。
でもささっき何であんなため息ついてたの?俺てっきり身投げするんじゃないかと思って心配しちゃったよ。
そのことですか。
うん。
実はとてもショックなことがあったんです。
うん?何よ?夢が壊れたっていうか生きる希望がなくなったっていうか。
えっ?人生最悪の日です。
(哲)お願いします。
はい。
知子さん。
(知子)はい。
これ桐の間にお願いします。
(知子)はい。
奈緒子さん。
はい。
梅の間の吉本さまのお具合は?ああ。
もう起きられて今夕食の方を召し上がっておられます。
ああほうか。
ほれはよかった。
はい。
(房子)あのう。
これからは持病のあるお客さまがお出掛けのときにはお薬をお忘れでないか声を掛けるの徹底しますんで。
ああ。
仲居たちにもよく言い聞かせておきます。
お願いします。
はい。
ほなら。
大女将。
えっ?少しお話ししたいことがあるんですが。
えっ?えっ?あの能登の子を補欠で合格させたいて?はい。
何を言うんや。
合格者は5名。
これは審査員の村田さまや菊さんたちと決めたことです。
はい。
分かっています。
ですがどうしてもあの真知子さんを塾生の一人に加えていただきたいんです。
あの子は不合格やともうすでに決まったことです。
あんな鈍で雑な人。
確かにそうかもしれません。
ですが私は真知子さんは女将にとって一番大事なものを持ってるように思えるんです。
女将にとって一番大事なもの?はい。
とても大事なものです。
ほうなんか。
お客さまを梅の橋からおぶってきたんか。
大女将。
お願いです。
真知子さんを塾生として迎えさせてください。
ほやけどあの子にこのかぐらやでの修業が務まるとは思えんのやけどね。
いいえ。
何としても務めさせてみせます。
どうか私にお任せください。
私の手で女将になれるように育ててみたいんです。
大女将。
お願いします。
まあほこまで言うんやったら勝手にするまっし。
それでは?ほやけど奈緒子さん。
全ての責任は女将のあなたにありますさかいね。
分かっております。
大女将。
ありがとうございます。
(房子)えっ?じゃあ奈緒子さんが押し切ってもう一人合格させたんですか?うん。
あんなに強引に押し切るやて。
ハァ。
大女将が反対しているにもかかわらず。
何てことを。
私はそもそもね女将塾そのものに反対しとったんや。
(房子)はい。
まあほやけどこうなったらとことんやってもらおうかいね。
あの新米女将の嫁に。
(房子)あら。
(辰夫)おい。
いいんか?うん?いいも何も。
どっちにしろ私は高みの見物ですさかい。
(辰夫)いや。
ほうは言うてもやな。
ほれに見ものでもあります。
(辰夫)見もの?奈緒子さんがあの鈍で雑な能登の娘をどういうふうに一人前の女将に育て上げるか?ほういうことか。
もしもし。
片瀬真知子さん?あっはい。
合格!?ホントですか?私が?ええ。
そうよ。
頑張ってね。
ありがとうございます。
やった!2015/01/09(金) 13:30〜14:00
関西テレビ1
花嫁のれん #05[字][デ]【出演:羽田美智子 矢田亜希子 野際陽子】
老舗旅館かぐらやでは奈緒子(羽田美智子)が志乃(野際陽子)の反対を押し切り『金沢女将塾』開講の準備に忙しい。応募者の中に漁師の娘・真知子(矢田亜希子)がいて…。
詳細情報
番組内容
「かぐらや」で『金沢女将塾』の面接を終えた真知子(矢田亜希子)は帰り道、路上で年老いたおばあちゃんが苦しそうにしているのを見かける。見かねた真知子はおばあちゃんを背負って、泊まっているという旅館に連れて行く。そこは何と「かぐらや」だった。
真知子はおばあちゃんの介護をてきぱきと進め、その姿に奈緒子(羽田美智子)も感心。
番組内容2
人のしてほしいことを言われる前にする真知子に、なぜそんなことができるのか問うと、「勘働きに休日なし」と答える。真知子は民宿を営んでいた祖母に、お客様が何をしてほしいのか、自分に置き換えればおのずと分かる、と教えられていたと言う。
真知子は志乃(野際陽子)たち面接官全員の強い反対で“女将塾”の不合格が決まっていたが、真知子に女将になる素質を見出していた奈緒子は…。
出演者
神楽奈緒子:羽田美智子
神楽志乃:野際陽子
片瀬真知子:矢田亜希子
宮崎 綾:原田佳奈
白山 香:広澤 草
石野佑美:川村ゆきえ
神楽翔太:草川拓弥
神楽 幸:木村真那月
・
神楽宗佑:津田寛治
小島房子:沢田雅美
神楽辰夫:山本 圭 ほか
スタッフ
原作・脚本:小松江里子
演出:杉村六郎
村田忍 ほか
プロデュース:市野直親(東海テレビ)
伊藤一尋(テレパック)
沼田通嗣(テレパック)
東田陽介(テレパック)
音楽:富貴晴美
主題歌:東方神起「サクラミチ」(avex trax)
エンディングテーマ:東京カランコロン「夢かウツツか」(avex trax)
制作著作:テレパック
制作:東海テレビ
ご案内
【花嫁のれん・女将検定】
1月5日(月)〜1月23日(金)の放送で、毎日1問、女将になるためのクイズを出題。正解数に応じて番組オリジナルグッズが抽選で当たる!詳しくはドラマ放送中にdボタンを押してね!【公式サイトURL】http://tokai−tv.com/hanayome4/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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