先どり きょうの健康「耳・鼻・のどの病気 最新情報 子どもの難聴」 2015.01.09


(テーマ音楽)知っておきたい健康情報を分かりやすくお伝えしましょう。
「きょうの健康」です。
今週4日間はこちら。
早速今日のテーマはこちら。
日本では毎年生まれてくる赤ちゃんの1,000人に1人の割合で難聴が出ているというふうにいわれております。
以前はこうした子どもたちの聴力を改善させる事は難しいといわれていたんですが最近では人工内耳によって聴力を劇的に改善させる事が可能になっています。
今日は実際にこの人工内耳の手術を受けたお子さんの例も見ながら言葉を習得する前に起きる子どもの難聴についてお伝えしていきます。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
特に子どもの難聴の治療がご専門です。
どうぞ今日はよろしくお願い致します。
さてお話の初めにまず赤ちゃんの難聴これは一体何が原因で起こるんでしょうか?先天性難聴ともいいますがその原因は約半分が遺伝子によるもの。
そして残りの半分が感染症によるものやそのほかさまざまな妊娠中のトラブルによって起こるといわれています。
中でもここ数年は妊娠中の風疹が大変問題になっています。
先天性風疹症候群といって妊婦さんが風疹にかかるとそれが胎児に感染し難聴などさまざまな障害が起こってくるというものです。
2013年には日本国内で32人の先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれその子たちの多くが高度の難聴になりました。
さてこの赤ちゃんの難聴大変小さい時は耳の聞こえぬ状態がどうなのかという事が分かりにくいという事がありますね。
どうやって調べるのか検査について久田さんからお伝えしましょう。
はい。
今から15年ほど前までは子どもが2〜3歳になってから言葉の発達が遅い事に周囲が気が付いて医療機関で耳の検査を受けて難聴だと分かるという状況でした。
しかし最近ではこちら新生児聴覚スクリーニングという検査によって生まれてすぐに難聴の可能性があるかどうかを調べられるようになっています。
この検査では赤ちゃんにある刺激音を聞かせ脳波などの反応を分析する事で耳がどのくらい聞こえているのかを調べる事ができます。
早期に難聴を発見して対応していく上でとても重要な検査となっています。
大事な検査ですがこの新生児聴覚スクリーニングこれはどれぐらい広く行われているものですか?全国的に行われてはいますが実は都道府県別に見ると実施率が大きく異なっています。
こちらの地図は赤ちゃんの生まれる産科施設で赤ちゃん全員に検査を行ってる施設の割合を示していますが赤やオレンジの場所は実施率が半分以下の場所という事になります。
こういう色は実施率が悪い訳ですよね。
こうしてこの実施率に濃淡差があるのはどういう背景なんでしょうか?スクリーニング機器の普及の度合いや自治体による助成金の有無などによって異なっていると考えられます。
結果として新生児全員に行われている訳ではないのです。
それが現状なんですね。
でもやはり全員に行ってほしいですよね。
そうですね。
難聴の発見が遅れると日本語の発達に影響が出てそれはその後の学校での勉強や日常生活にさまざまな影響をもたらします。
ですから全ての子どもが検査を受けられるように日本耳鼻咽喉科学会や日本産婦人科医会などではこの検査を大変重要視しています。
この難聴かどうかという事が早く分かればその後の対応というのも違ってくるのでしょうか?はい。
基本原則では産婦人科などで生後1か月以内に難聴の疑いを調べ3か月までに耳鼻咽喉科で確定診断をし6か月までに対応。
これを専門的には療育という訳ですがこれを開始するという事が掲げられています。
早く対応するこの療育という言葉出されましたがどれぐらい違ってきますか?私たちの研究では生後6か月以内に療育を開始できればその後良好なコミュニケーション能力を身につける可能性というのが3倍高くなるという結果が出ています。
そして早くからの療育へつなげるためにはやはり新生児聴覚スクリーニングが大変重要であると考えています。
更にこの療育というのは一体具体的にはどういう内容なのかご説明頂きましょう。
はい。
まずは補聴器や手話を使って言葉の刺激を与える事。
これが一番大切です。
そしてそれを実現に移すためには両親に教育していく事も大切になっていきます。
岡山県の研究では生後半年から補聴器の装用など早期療育を受けたお子さんが6歳になった時の言葉の力というのを調べますと重度の難聴のお子さんであっても知的な能力に差がなければ聞こえるお子さんと同じくらいの言葉の力を身につけている事が分かりました。
このため現在多くの自治体で難聴が軽度であっても補聴器の装用が勧められておりその補聴器の購入のために助成金を出す仕組みというのも広く行われるようになっています。
その補聴器ですが使う事で子どもの耳の聞こえはかなりよくなるんでしょうか?もちろんうまくいくお子さんも非常に多いんですが全てのケースでうまくいくという訳ではありません。
補聴器を使っても効果がなかなか得られないような重度難聴のお子さんの場合は1歳過ぎから人工内耳というものを使う事ができるようになっています。
重度難聴の場合は昔は対処法がなかった訳ですがこの機械の進歩によって子どもたちの聴力に劇的な改善が見られるようになりました。
今日はその人工内耳のサンプルをお持ち頂きました。
ちょっと見せて頂けますか?はい。
こちらがそのサンプルになりますが人工内耳というのは大きく分けますと2つのパートに分かれます。
一つが体の外に着けるもの。
そして体の中に埋め込むものになります。
こちらが体の外に着けるものになりますがここの部分で耳に掛けてそしてここのマイクで音を拾います。
それはマイクロホンですね?そうです。
ここで拾われた音の情報がケーブルを通ってこちらのアンテナに伝えられます。
そして無線で体の中に埋め込まれたこちらの機械のアンテナで拾われてケーブルを通して体の深いところに情報が運ばれるという形になります。
実際にはこちらの機械は耳の後ろ体のこの部分の皮膚の下に埋め込まれるという形になります。
埋め込む手術をする訳ですね。
そうですね。
ではこちらの模式図を使って更に仕組みをご説明頂きましょう。
外から入りました音は人工内耳の体の外に着けてあるここのマイクで拾われましてここでいろいろな処理を行われた上で体の中に埋め込んであるインプラントに情報が送られます。
手術ではこのインプラントから大人の小指の大きさほどの穴を開けて体の中深いところで一番奥にあります蝸牛という部分にその電極の先端をそっと差し込むという事が行われます。
入り込む訳ですね。
音の情報はこういう機械を通して外からインプラントそして蝸牛で電気刺激になって加えられますとあとは聴神経を通って脳まで伝えられるという形になります。
このベルの音はしっかり脳の中でも音として認識できるようになるという事なんですよね。
これ一度植え込んだものはずっとそのままなんですか?体の外に着けてあるものというのは技術の進歩によって取り替えられる事というのがある訳ですが中に入ってる部分というのは基本的に一生ものとして使って頂くようになります。
入れたままでいい訳ですね。
それでは実際に手術を行った男の子の例を見てみましょう。
栃木県宇都宮市に住む…
今は普通に会話ができますが赤ちゃんの頃は難聴のため耳がほとんど聞こえていませんでした
そこで3歳の時人工内耳を入れる手術を受けました。
するとそれまで聞こえなかった虫の声が聞こえるようになりました
(取材者)すずむしの鳴き声が聞こえるようになったんだ。
音が聞こえるようになった笙悟くんですがすぐに言葉が話せるようになった訳ではありません
笙悟くんは病院で言語聴覚士の指導の下言葉の意味を理解して話す練習を繰り返しました
「寒くなったね」。
「寒んなったね」。
「パンを焼く」。
「パンを焼ん」。
「出かけてきます」。
「出あえてきます」。
笙悟くんは今ピアノに挑戦しています
いや〜これを見ますと人工内耳大したものですね。
すごい効果ですね。
はい。
この手術は多くの場合言葉を覚える前から行われる訳ですが音が聞こえるようになったからといっても言葉を理解していなければ人との会話に使える訳ではないです。
これはちょうど日本人が外国語の言葉というのを音として聞いたとしてもその意味が分からなければ会話として使えないのと同じ事なんです。
ですから手術のあとには必ず聞き取りや会話のトレーニングを行う事というのが重要になります。
さてこの人工内耳の手術は小さい赤ちゃん1歳から可能なんだという事でしたよね?はい。
日本耳鼻咽喉科学会が作っております適応基準では人工内耳の手術については1歳以上。
そして聞こえの基準としては基本的には両耳とも90デシベル以上の重度難聴である事というのが挙げられています。
これらのほかにも人工内耳の手術をしても1%ぐらいの頻度では人工内耳の効果が見られないあるいは非常に乏しいというケースもありますのでこういうものを診断するために画像検査などを受けて適応をきちんと考える必要というのがあります。
なるほど。
健康保険は適用されると。
はい。
ですから個人の方あるいは難聴児の親御さんというのが実際に負担される額というのも限られたものになっています。
既に実績がこれぐらいですね?はい。
18歳未満の小児の人工内耳のお子さんというのは現在で国内約2,500人の方が使っておられます。
いかがでしょう?この手術は特殊な特別な医療機関でのみ行えるものですか?いえ。
決してそういう訳ではありませんで各地の大きな医療機関主として大学病院という事になるとは思うんですがそういうところで受ける事ができます。
ただやはり小さいお子さんに手術をするという事ですから親御さんは不安もあると思いますよね。
そうですね。
ただ人工内耳の手術自体は大人であっても子どもであっても基本的にはその形というのは変わるものではありませんでリスクが非常に高くなるという事はありません。
最も重い合併症としましては顔が半分まひしてしまう顔面神経まひというのがあるんですがこれの頻度は0.1%程度といわれています。
…とはいえもちろん全ての手術にリスクは伴うものです。
必ず手術のリスクと手術によって得られるメリットを天秤にかけた上で手術受けるかどうかという事をきちんと担当者と相談される事をお勧めします。
よく説明を受けるという事ですね。
起こりうるリスクも理解しそして得られるメリットはどういうものかという事をよく理解した上でという事ですよね。
さて一般的に赤ちゃんの耳の聞こえにどうも不安だなと…覚えた時はどういうふうにしたらいいでしょうか?全ての医療機関で対応できるとは限らない場合もあると思います。
こういう場合のために日本耳鼻咽喉科学会ではホームページにお子さんの難聴についてお子さんの難聴に関する情報を挙げておりまして…。
今出てますね。
こういう子どもの難聴に対して特に専門的に取り扱える病院のリストを公表しておりますのでこちらをご参照頂いて近くの病院に受診して頂く事をお勧めしたいと思います。
はい。
今日は新生児聴覚スクリーニングの大切さも強調して頂きましたね。
どうもお話ありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2015/01/09(金) 10:40〜10:55
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「耳・鼻・のどの病気 最新情報 子どもの難聴」[解][字]

最近では人工内耳の手術により子どもの聴力を劇的に改善することが可能になった。また新生児聴覚スクリーニング検査により難聴の可能性を早期に把握できるようになった。

詳細情報
番組内容
新生児の千人に一人が難聴と言われている。最近では人工内耳の手術によって、聴力を劇的に改善することが可能になった。また検査でも、最近では新生児聴覚スクリーニング検査によって、難聴の可能性を把握できるようになっている。また、手話や補聴器によって言葉の刺激を与えることも大切だ。実際に人工内耳の手術を受けた子どもの事例を含め、子どもの難聴に対する適切な対処の仕方を詳しくお伝えする。
出演者
【講師】日本耳鼻咽喉科学会専門医…福島邦博,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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