ろーかる直送便 シリーズいわて「豊田エリーの 今夜は日本酒!」 2015.01.08


首都東京。
官公庁が立ち並ぶその一角であるプロジェクトが行われていました。
外交官たちが集められ始まったのは日本酒の勉強会。
和食が世界の注目を集める中日本酒の魅力を海外へ発信しようというのです。
日本の食文化が育んだ酒造り。
その担い手が杜氏です。
中でも岩手県が発祥の南部杜氏は全国一の人数を誇り数々の銘酒を生み出してきました。
そんな南部杜氏の底力を解明しようと岩手を訪れたのは…モデルやタレントとして活躍する彼女。
実は大のお酒好き。
私はもともと日本酒が大好きなんですがあまり詳しい事は知らないので今日は本場で日本酒の魅力をいっぱい探っていきたいと思います。
今夜は豊田エリーさんと南部杜氏の奥深い酒造りの世界を旅しましょう。
盛岡市の住宅街に来ましたけれども。
本当ですね。
普通のお宅がある中で。
その一角にあるのがこちら。
立派。
明治4年創業の蔵元です。
すご〜い。
まず訪ねたのは盛岡市内にある老舗の酒蔵。
ここに名人と仰がれるベテラン杜氏がいると聞きました。
すごい!こちらの杜氏がこれまでに取った賞状なんですけれども全国新酒鑑評会というお酒を評価する会がありまして金賞を受賞したその賞状なんですね。
見事に全部金賞ですね。
12年連続で金賞を受賞した事があるという方なんですよ。
負け知らずじゃないですか。
名人の仕事場はこちら。
ここ見てみて下さい。
中。
えっ?何か…えっ?お酒?何か研究…科学的な研究室みたいですよ。
(大槻)ですよね。
奥にいらっしゃる方がこちらの杜氏藤尾正彦杜氏なんですよ。
えっ博士じゃないんですか?
(大槻)博士っぽいかもしれませんね。
はい。
ドクター。
お邪魔します。
全然イメージと違ったな。
あっいい香り!すみません。
お邪魔します。
研究中のところ失礼します。
今たくさんの表彰状を見させてもらったんですがそんなにおいしいお酒を造っている秘密を今日はお伺いしたくて。
秘密ですか?博士みたいですね。
そんな秘密も何もないんです。
いやいやもちろんそんな事はありません。
藤尾さんの酒造りの秘密はこちらの麹です。
一体どんな秘密が隠されているのか。
麹造りの様子を見てみましょう。
麹造りは米を蒸す事から始まりますがまず大事なのは米に吸わせる水分の量。
秒単位で時間を計りちょうどよい硬さに蒸し上がる水分量を見極めているのです。
藤尾さんが名人たるゆえんの一つが徹底したデータ主義。
米は種類ごとに水を吸収するスピードが異なります。
まだ勘に頼る杜氏が多かった時代から藤尾さんはデータを積み重ね今のやり方を作り上げました。
実は藤尾さんが杜氏になったのは40歳近くとやや遅め。
周囲に追いつこうと努力を重ねてきたのです。
20代で杜氏になった方々県外に出稼ぎしてですね。
そういう方々に太刀打ちしていくためにはやっぱり相当勉強しなきゃ駄目じゃないかと。
米が蒸し上がると麹造りは次のステップへ。
ここが名人技。
米の温度を確認するのに頼るのは温度計ではなく自らの手です。
この米に麹菌を振りかけ2晩寝かせると麹が完成します。
麹菌はとても繊細。
適温の32度でなければうまく繁殖してくれません。
緻密なデータと手に宿る感覚。
2つがそろって初めて名人の麹が仕上がるのです。
はいいいでしょう。
出来上がった麹。
白い麹菌がしっかり米に根づいています。
この麹菌が米を溶かして糖が生まれアルコールとなり日本酒が出来上がります。
光を当てて透かしてみると浮かび上がる黒い影。
米の中まで麹菌が深く入り込んでいます。
これぞ藤尾さんの麹の最大の特徴です。
中にあんな…根を張ってるんですね。
入ってるんですね。
浸透している…。
へえ〜!まずそういう麹を造ればお酒はいつまでも糖化作用をそのまま持続するんですよ。
糖化作用?デンプンを溶かす。
お米のデンプンを溶かす作用ですね。
それはさっき言ったように全面に…表面だけに回ってるとあっという間に溶けちゃう。
溶けちゃうとそこで終わりますので中に菌が入ってると長続きしますね。
じっくり造られていく。
溶かす時間が。
そこがまず必要なんですね。
そうなると味わいとかも変わってくる…?
(藤尾)非常にきめ細かくてきれいなお酒になるんですよ。
へえ〜。
きれいな。
そのお味はいかに?
(藤尾)香りから嗅いでみて下さい。
ほんのり甘〜い香りがしますね。
じゃあ頂きます。
(藤尾)はいどうぞ。
はあ〜。
本当おっしゃられたとおり喉にス〜ッと入ってきて。
何かまた…「あっちょっとどんな味だったっけ?」ってくいくい飲み進めてしまいそうな。
(大槻)飲みやすいんですね。
すごく飲みやすいです。
藤尾さんの日本酒は多くのファンに支えられてきました。
その一人が俳優大滝秀治さん。
(藤尾)ご本人から頂いた…。
え〜直筆ですか?
(藤尾)直筆です。
すごいですよ。
達筆ですよ。
「お酒頂きました。
ちょっと大げさに言えば世の中にこんなうまい酒があったと驚いています」。
大滝さんは文化功労者に選ばれたお祝いに藤尾さんの日本酒をもらいました。
それは病気で亡くなる少し前の事。
「酒は飲んでもよいと医者は言うけれどまさか病室へ持ち込む訳にもいかず家に帰って初めて味わった訳なのです。
本当に驚いた。
もう一生飲めないかなと思ったけれど大事に大事にちびりちびり飲みます。
ありがとうございました。
大滝秀治」。
すてき。
すてきなね。
ものすごく気に入られたんですね。
本当にありがたいなと思いました。
私もこれ頂いて。
うれしいですね。
すてき。
これからも若い人を指導しながら後進を育てながら更においしいお酒を造っていきたいなと。
更に?はい。
こんなにおいしいのに。
いやもうね限界はないんですよ。
ここで満足しちゃったらもう駄目です。
釜石市にあるこの酒蔵に県内最年少の南部杜氏がいるとの事。
その方がこちらの…杜氏になって3年。
20代から70代までの蔵の人たちをまとめ老舗の味を守っています。
(大槻)奥村さんは岩手県の出身じゃないんですよね。
そうです。
そうなんですか。
どちらの?埼玉の出身です。
へえ〜!それでどうしてこの場所を選ばれたんですかね?やっぱこう…お酒造りと考えた時に真っ先に南部杜氏っていうのが頭の中に浮かんできまして。
南部杜氏の里である岩手県を…行った事がなかったので夜行バスに乗って一人で旅行したのがきっかけですね。
やっぱ飲んですぐほれたって感じですか?まあそうです。
その時はおいしいなと思いましてほかのお酒もいろいろ飲んでいくうちに釜石のお酒がすごい自分に合ったなと思いました。
杜氏に憧れ日本酒造りの世界に飛び込んだ奥村さん。
今年ある大きな仕事を任されました。
この蔵の日本酒はほのかに匂う果実のような香りが自慢。
ところがここ数年その香りがちょっと弱くなっていました。
原因の一つとして考えられたのが酵母の変化。
日本酒の香りの強さは酵母の働きが決め手となります。
この蔵では同じ酵母を20年以上使い続けてきた事からその力が弱ったのではと疑われました。
社長の新里さんは長年使い続けた酵母を新たなものに替える事を決断。
その大役を最年少杜氏の奥村さんが担います。
新たな酵母選びには県の研究所も協力してくれました。
ここには県内の各酒蔵の酵母が保管されています。
奥村さんの酒蔵の酵母はG95。
実はG95の中にも性質の違う酵母は複数います。
それぞれを培養しそこから強い香りを醸し出す酵母を見つけ出す事にしました。
10種類の酵母を培養し試験的に造った酒。
さあどれが最も伝統の香りに近いか。
先輩たちの意見を聞き奥村さんが決断を下します。
候補を絞り込んだものの奥村さん何か気になる様子。
実はこの時選んだ酵母では香りが強すぎると感じていました。
すると研究員からあるヒントが…。
もしやるんであれば…新たな酵母で造った酒にあえて香りが弱くなっていた元の酒を混ぜてみます。
ようやく求めていた味にたどりついた奥村さん。
今後は新たな酵母とG95をブレンドして仕込む事にしました。
豊田さんが訪ねたこの日。
新たに仕込んだお酒からはう〜ん何ともいい香りが…。
何か高級メロンのような…。
すごい爽やかだけどほんのり甘い香りがしますね。
(大槻)あれだけ頭をひねって選び抜いた酵母が今こうやってお酒になろうとしている訳ですけれども。
う〜んそうですね…まずお酒になった事で安心感がありますね。
早速搾りたてを頂きます。
頂きま〜す。
う〜んおいしい!ちょっとピリピリという感じもしますね飲むと。
搾りたてなので炭酸ガスも入ってますしあとは原酒で口当たりも強いと思います。
何かいい香りが口に広がってる。
30代という若さで蔵を引っ張っていく立場というのは改めて…。
ちょっとやや緊張感持ってやればそんなプレッシャーに押し潰されずにできるんじゃないかなと思ってやってます。
先輩杜氏に負けないよう頑張りたいと思います。
最後にもう一つこちらの蔵を訪ねてみましょう。
大きな夢を抱いて修業中の方がいると聞きました。
お〜っ!?海外の方なんですか?ああこんにちは〜。
(大槻)どうもこんにちは。
こんにちは。
こちらがその…どこから来たんですか?Whereareyoufrom?アメリカ。
アメリカ!アメリカのどこですか?小さい州ですけどそこで多い米を作ります。
お米?アメリカで。
そう一番です。
そうなんですか?アメリカの中で。
酒蔵を?アーカンソーに?ホットスプリング市の水が有名ですから。
とてもいいです。
ねえいいですね!今アーカンソーで酒米があります。
アメリカで現地の水と米を使い日本酒を造るという夢。
その第一歩を踏み出したベンさんの修業ぶりを蔵の先輩たちと一緒に見てみましょう。
スタート。
ベンさんがこの蔵にやって来たのは今年10月。
今はまっているのは日本で初めて知った飲み方そう熱燗です。
(電子レンジの音)ベンさんは日本へ来る前酒の販売店に勤めていました。
その時ある酒のイベントで南部杜氏が造った日本酒に出会い衝撃を受けたといいます。
ベンさんの留学は来年3月まで。
限られた時間の中で少しでも多くの事を学ぼうと必死。
この日は麹造り。
麹菌の種を米に振りかける作業を任されました。
半分半分。
見よう見まねでやってみるものの…。
袋が左右に揺れややぎこちない様子。
大事なのは麹菌の種を全体にむらなくかける事。
分かっていてもなかなかうまくいきません。
これも流れてるでしょ?それだと全然かからない。
先輩田村さんの手首の動きは柔らかくリズミカル。
腕を伸ばしたり縮めたり麹菌の種が満遍なくかかっています。
ベンさん改めて挑戦。
徐々にコツをつかみ始めました。
この日はなんとか及第点をもらう事ができました。
どうですか?師匠の皆さんは。
今はみんな助けてくれますけどいずれ一人になった時に迷うと思うんですよ。
そのためにも今いろんな事を吸収して頑張ってほしいですね。
アメリカで造っていきたいっていうのはうれしいですよね。
(竹林)そうですね。
いずれベンが造ったお酒をここにまた戻ってきてみんなで飲みたいですね。
楽しみに待っていたいですね。
待ってます。
こんにちは〜。
こんにちは。
すみませんお忙しいところを。
いいえ。
かわいい社長!仕事の合間に駆けつけた社長の久慈さん。
ベンさんに大きな期待をかけています。
日本酒がアメリカをはじめ世界に出ていった時に当然すごくいいお酒を輸出していきますのでどうしても値段がすごく高くなっちゃう。
それを飲める方々たちはもちろんいるんですけどこういう三角形を見てみたらやっぱり今この辺一番上のここに日本酒は飲まれているんですね。
当然それはそれでいいんですけどもやっぱりこの層を少しでも広げていかなければいけない。
もっとカジュアルな日本酒も…。
そうなんです。
そのためにはやっぱりアーカンソーの山田錦を使ってアーカンソーの水を使ってそして日本の伝統ある南部杜氏の技術で造る酒。
現地で造られたものをそのまま飲んでもらうんだからそりゃ高品質なものを安く飲む事ができるという事で彼にはもうすごいそれを期待してるんですね。
そのためにはうちはこの竹林忍君をアメリカに1年ぐらい行かせる覚悟がありますから。
もう覚悟はありますから私は!アハハ初めて聞いたような…。
(久慈)彼はニューヨークにも行ってる経験ありますから。
でもいずれ我々とすればそのぐらいの気持ちでサポートしたい。
ベンの成功はベンだけの成功じゃなくて日本酒全体の成功につながる僕はそう思っています。
頑張ろう。
南部杜氏の技は海を越えアメリカにも広がろうとしています。
豊田エリーさんとの旅今回はここまで。
南部杜氏の酒造りの世界豊田さんいかがでしたか?私は日本酒って完成されたものだと思っていたので味とか風味とかも。
南部杜氏の方々が更においしくしようといろいろ研究されて日々努力されてるのでものすごく驚きました。
まだまだおいしくなっていってしまうのかと日本酒は。
あと海外からの修業されてる方もいましたしベンさんも。
何か今後日本酒がどう発展していくのか楽しみですね。
これから飲みながら杜氏さんたちの顔が浮かぶような気がしてます。
じゃあ皆さんの顔を思い浮かべながら頂きましょうか。
すてきな出会いでした。
耳を傾けてみませんか?2015/01/08(木) 15:15〜15:41
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 シリーズいわて「豊田エリーの 今夜は日本酒!」

“南部杜氏の里”岩手の酒蔵をタレントの豊田エリーさんがめぐり銘酒を堪能。ベテラン杜氏のこだわりの日本酒造りや若手杜氏の挑戦など、南部杜氏の姿に迫る。

詳細情報
番組内容
日本一の杜氏集団“南部杜氏”の里として知られる岩手。全国新酒鑑評会で連続金賞受賞の清酒や現代の名工の技が光る銘酒など、岩手が誇る日本酒を生み出す酒蔵を、タレントでモデルの豊田エリーさんが訪ねます。ベテラン杜氏のこだわりの日本酒造りに、若手杜氏の新たな挑戦…豊田さんが見つけた、日本酒造りのプロフェッショナル、南部杜氏の心意気とは?
出演者
【ゲスト】豊田エリー,【リポーター】大槻隆行

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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