ろーかる直送便 ドラマチック関西「グレースの幸せ難病日記」 2015.01.07


(グレース)ルミちゃん部屋映してもらっていい?すごい汚くてちょっと大丈夫か不安やけど。
こんにちは〜。
私は…ヘルパーに24時間サポートを受けながら大阪市内で一人暮らしをしています。
彼氏がいて大好きで泣き虫の怒りん坊の甘えん坊さんです。
まあいわゆる一般的な女子なんですけれども他の人とはちょっと違う部分もあるんです。
私には3つ難病があって1つは神経を攻撃する「多発性硬化症」っていう難病ともう一つは筋肉を攻撃する「重症筋無力症」っていう難病とあともう一つ難病があるんですけれども。
この「スケール」っていうのは多発性硬化症の「現在あなたの状態はこうですよ」というのを数値化したものなんですが「10」っていうのがいわば「Death」みたいな。
そんな9.5って言われて…最近発作の起きる回数が増えてきて特に呼吸がうまくできないと結構やばいっていう感じで気管切開をいつするかという話も出てたりするんですけど気管切開をしちゃうと声を失っちゃうっていう事も考えられるという事なんですよね。
…とまあいろいろありますが私は元気にいつもこう言っています。
彼氏とイチャイチャしたり自分がやりたいと思ってる事を仕事にできてるし気の合う友達とギャーギャーできているってめっちゃ幸せな事じゃないですか。
言ったところで「またまたあ」って言う人が出てくると思うのでまあ私の幸せな生活ぶりをビデオで撮ってみる事にしました。
おはようございます。
眠気マックスで…。
夜中に1回起きて…髪の毛ボサボサの朝です。
ちなみに今日は2014年6月23日です。
そしてですね…。
イエイ。
私の朝はガーデニングのチェックから始まります。
こちらがミニトマトそしてこちらがベビーレタス。
2か月前に植えたんですけどいい感じに育ってきました。
収穫…。
ていうか今冷蔵庫に何もないので夕食あたりのために収穫します。
無人島で暮らしてる人みたいになってきたけど…。
という感じでですねいろいろガーデニングも楽しんでいるグレースでした。
私の体は病気のため胸から下は動かないうえに感覚もありません。
それに呼吸する力も弱いので人工呼吸器が欠かせません。
だから定位置はベッドの上。
ここから介助してくれるヘルパーにあれこれ指示を出しています。
え〜ただいまお昼の準備をしていま〜す。
容器カポッと…。
私は食べ物をうまく飲み込めない障害もあっておなかに開けた小さな穴に管を通して…ちなみに胃に直接入れてるので味は全くしません。
まあ言うたら…冷たい。
しゃっくりが止まらない2014年7月の…何日だったっけ。
12日で〜す。
(しゃっくり)いつもは栄養剤の食事なのでたまには口でおいしいものを味わいたい!だから彼氏が来る時だけは料理を作って一緒に食べるんです。
作るのはヘルパーさん。
でも全部私の指示どおりにやってもらうのでれっきとした私の愛情手料理なんです。
彼氏がやって来ました!ジャーン!同い年の…仕事はヘルパー。
今日は早いですけど介助と介助の合間に駆けつけてくれたので。
はい寄させてもらいました。
…のでので夕食を作りました。
(拍手)定番のショウガ焼きとカボチャサラダですね。
…はこんな感じですね。
(雄大)色とりどりですごくおいしそうです。
うまいですね。
(雄大)食欲をそそる…。
まあ食べましょう。
頂きましょうか。
(2人)いただきま〜す。
ほんま?うん。
カボチャの味も出てますいい感じで。
色だけじゃなくて。
出会ったのは1年前。
チャラそうに見えてとっても誠実。
そこにほれて私から猛アタック。
ゲットしちゃいました。
食べてもらいたいなと思って。
いやいやいや…。
ここら辺で終わろう。
一緒に食べよう。
いいの?分かりました。
という事でこれから食べま〜す。
彼氏に会ってテンションが上がるとその夜が大変なんです。
疲れが一気に噴き出し声すら出なくなっちゃいます。
「もうちょい左」。
左か…ハハハッ。
この辺りでいける?この辺?もうちょっと?OKって言ったの?ヘルパーとの会話は専ら音声装置付きの文字盤です。
更に呼吸する力もなくなってくると…。
脳に酸素が回らず意識が飛んじゃいます。
ちなみに「らら」は私のニックネーム。
呼吸ができていないから血液中の酸素濃度がどんどん低下。
かなりやば〜い状態です。
こんな時はまずたんの吸引。
そして訪問看護師さんに急いで連絡。
電話で指示を受けながらの応急処置。
体を横に向け呼吸のしやすい姿勢を探ります。
吸引を続けながら姿勢を調整する事30分。
ようやく安定しました。
ちょっと驚かせちゃいました?でもこれも難病女子の日常風景なんです。
毎週金曜日はリハビリの日。
進行性の病気なので筋力は年々弱まってます。
でも私こう見えてスポーツ万能だったんです!
(取材者)すげえ。
(女性)貴重なポロシャツ。
実は私柔道のアメリカ代表としてここにいるはずだったんです。
信じられないでしょ?私が柔道を始めたのは15歳の時。
インターハイにも出場しそれなりに強かったんですよ。
18歳の時母の母国アメリカで北京オリンピックを目指しました。
翌年には全米1位となり女子柔道52キロ級代表に選ばれたんです。
しかし強化試合で世界各地を転戦している時既に体に異変が現れていました。
手の握力がなくなりしょっちゅう肩を脱臼するようになったんです。
検査のため日本に帰国すると緊急入院。
神経を保護する膜に異常が出る難病…その後症状が悪化し全身麻痺。
声も出ず目もほとんど見えず寝たきり状態になりました。
北京オリンピックは看護師さんが結果だけ教えてくれました。
二十歳の夏の出来事です。
これ何だか分かります?私のベッドの上にあった電球の写真。
毎日毎日ただこの光を見ていました。
実はこの時余命宣告を受けてたんです。
あと6年の命だって。
生きる希望を持てず死ぬ事だけを考えていました。
これやったら死んじゃった方がいいんかなって思って…より落ちたっていう。
「まだ下あったんか」みたいな感じの…落ちたっていうのは覚えてますけど。
ていう意味合いでは…2年に及ぶ入院生活のあと私は栃木の実家に戻りました。
これはそのころの映像。
ヘルパーもいなかったので私の面倒は全て両親が見ていました。
それが最も苦痛でした。
なぜって?親に迷惑かけてるのがつらかったから。
障害者になった自分が悪いんじゃないかって思ってたんです。
だから親と顔を合わせるのが嫌で嫌で部屋に閉じ籠もってばかりいました。
そんな私に4年前転機が訪れます。
どうなるか分かりませんけれども…知り合いから大阪にある障害者団体を紹介されたんです。
おはようございま〜す。
(一同)おはようございます。
今の私の職場です。
ここは…ここで働いている障害者はみんな施設や親元を離れいきいきと一人暮らしを楽しんでいました。
自分のような難病患者は家や病院にいるのが当たり前だと思っていた私には衝撃でした。
自分よりも重度な人を見つけちゃった瞬間に地域にいるんやみたいな。
出会った事なかったから施設でしか。
病院とか施設でしか出会った事なかったから…
(スタッフ)グレースさんです。
お願いしま〜す。
大阪に思い切って引っ越した私は障害者として第2の人生をスタート。
NHKの福祉番組「バリバラ」にもレギュラー出演しています。

(男性)うわ〜深いなあ。
障害者だからといって遠慮せず言いたい事が言えるようになった私。
今は毎日が充実しています。
講演会でもありのままの自分を堂々と伝えています。
そして講演の最後には必ずこのメッセージを届けているんです。
今自分がハッピーかどうかという事を考えて…
(拍手)多くの人に人生を楽しむ事を伝えたい。
私にしかできない仕事だと思っています!
(セミの鳴き声)え〜おはようございます。
今日は2011年…ん?今日2014年?
(ヘルパー)2014年8月28日。
8月ももう少しで終わろうとしています。
という事は私の誕生日も近づいています。
イエーイ!フーフー!
(拍手)そう今日はマイバースデー!パチパチパチ!うわ〜花瓶ない!彼氏から花束が届きました。
今日は仕事なんだって。
メッセージカードで…今日で26歳。
二十歳の時にあと6年の命と宣告されてその6年がたちました。
この年まで生きていられるか正直不安だったんですけどね。
これからは余命を意識せずにもっと…余命があると意識しちゃうじゃないですか。
う〜ん…。
僕が例えば医者に掛け合ってこうして下さいって言っても今の医療技術では無理なところももちろんあるやろうしそれこそ何か極端な話…運命の26歳を迎えた私ですが今新たに難しい選択に直面しているんです。
それは…病気は明らかに進行していて呼吸器を付けていても息をする事が難しくなってきているんです。
解決策は1つ。
喉に穴を開け直接気道を確保する気管切開を行う事です。
ただし声を失うリスクがあります。
毎日夜になるとしゃべれなくなる私は声を失うつらさを身にしみて体験しています。
何がつらいってヘルパーになかなか意思が通じない事。
眼球を見てイエスかノーを確認してもらうんだけど今の私はただ眠いから放っておいてほしいだけなの。
質問するなら眠いかどうかを聞いてくれないと答えられない。
(ヘルパー)タオルいきますか?お願いだから話しかけないで。
(ヘルパー)もうちょっと下?もうまぶたを開けないで。
ほんと勘弁して!
(ヘルパー)ティッシュ。
(ヘルパー)ごめんね。
最後は伝わらないストレスから涙だけがあふれてきちゃいます。
意思疎通ができないって想像以上にきついんですよ。
実は難病患者で気管切開を選択する人は3割にすぎないといいます。
7割の人が声を失ってまで生きたくないと気管切開せずに死を選んでいるそうです。
一生声が出なくなるのは怖い。
でも死にたくない。
なかなか気持ちの整理がつきません。
…っていうのはそういう状況下に自分がなるって分かってるのに確率があるっていうのは分かってるのになるのは嫌だっていう…おはようございます。
今日は9月11日です。
今日は雨が降ってま〜す。
雨が降ると気分までうつうつしてきま〜す。
ちょっと今死活問題なんですよ。
それは禁句なんです。
(取材者)結構枯れ…ですよ。
(ヘルパー)しな〜ってなってる時と復活しててんけど…ほんま?じゃあ雨で…。
ちょっと暑すぎたんですよ。
蚊も異常発生するし。
そんな時代になったんですよ。
このところのモヤモヤ気分をぱ〜っと晴らすにはやっぱりこれ!そう女子会です。
私を交代で支えてくれている15人のヘルパー軍団。
今日はそのうちの1人が結婚するのでお祝いの会なんです。
生きるか死ぬかの夜を一緒に乗り越えてきてくれた仲間たち。
今夜は思いっきり騒ぎます!体温が上がって脱力症状が現れました。
はしゃぎ過ぎちゃったみたい。
すぐさまヘルパーたちが対処してくれます。
さすがプロ。
頼りになります。
えっ!帰らない?本当はここで帰るべきなのは分かっています。
でも最後までみんなと一緒にいたいとわがままを通しました。
仲間たちはそんな私の気持ちをいつも尊重してくれます。
「ららはそう思ってるかもしれんけどこっちとしてはそれはできひんで」とか「それはさすがに無理やで」みたいな…。
脈めっちゃ落ちてきてるからちょっと頑張って。
みんなが支えてくれているからどんな事があっても大丈夫。
だから私は決めました。
たとえ声を失ったとしてもやっぱり私は生きる。
2014年9月の…12日になりました。
今日はですね呼吸器リハビリとマイボイスの方の取り組みをする予定です。
この日気管切開をした難病患者の支援をしている作業療法士がやって来ました。
気管切開しても自分の声で会話できる方法があるというのです。
(小林)私あらかじめ打ったんですよ。
「こんにちはこばやしきよです」。
文章を入力すると録音した人の声で読み上げてくれるプログラム…ちゃんときれいな…
(小林)これは私の声なんです。
「こんにちは」も単語で入れたんです。
「こばやしきよ」も単語で入れて。
「で」と「す」だけ1つずつ。
あとで。
(笑い声)ちょっとごめん。
思い当たる感じがした。
ハハハハッ!
(笑い声)過去ごと消しましょう。
はい。
私が日常よく使う言葉を録音していきます。
どんなふうにとれているんでしょうか。
確認します。
マイボイスの最大の特徴は自分の声で登録した単語を組み合わせて文章にできる事です。
ハハハッ!ご満悦で。
じゃあそのままで。
これならたとえ声を失っても自分の声で会話ができます。
次回の録音作業に向けて自分らしい言葉を集めていきます。
マイボイスの特徴はふだんどおりの会話をなるべくできるように。
ダジャレね今いいのが思いつかないんだよね。
結構あまりにも単語を書き過ぎて…何だかんだ言って…何かなかなか思いつかないんですけれども。
主に彼氏向けの言葉を録音します。
うまく気持ちを込められるかな。
「マジで?」。
「大好きやで」。
「アキも」。
「タケヒロは?」。
「こっち来てよ」ですか?うん。
それはね…「こっち来てよ」やったからさそんなんでいかへんわと思ったんよ。
なるほど。
「こっち来てよ〜」とかさちょっと甘えた声をさあ…。
(小林)アッハッハ!よう頑張った。
(笑い声)…がすごく大事かな。
今日は雄大君がやって来る日。
彼にマイボイスを初披露。
どんな反応をしてくれるのかドキドキです。
入れた言葉を…聞こえるかな。
いきま〜す。
はい。
(マイボイス)「こ〜こ」「こっち」「こ〜こ」「こ〜こ」「こっち来てよ〜」「さみし…いん…です」。
あれれれ?何じゃこれ。
立ち上げたばっかだから…。
これはどうですか?
(拍手)パソコンの独特のしゃべり方ってあるやんか。
何かこう…。
「あ…か…さ…た…な…」というやつ?そうそう。
何とも言えん感じじゃないから…ああ〜確かに。
言うてほしい言葉…。
例えば…なかなかね「そうね」みたいな感じになるわけよ。
「ラーメン」とか「おすし」とかそんなん?そうそう。
そうじゃなくて…パチパチパチパチパチパチー。
2人で行く初めての旅行。
7月から計画を立て準備万端。
行き先はずっと憧れていたあの遊園地。
私のたっての希望を雄大君が聞いてくれました。
うわ〜!乗ろう!お目当てはスリルを味わえる絶叫アトラクション。
いってきま〜す!
(叫び声)いや〜楽しかったあ。
はあ〜。
多分私めっちゃ笑顔やと思う。
足フラフラすんだけど。
ほら絶対私めっちゃ笑顔やった…。
イエーイ!彼にはつきあう時に言いました。
彼はいいって言ってくれました。
同時に……と言います。
本当にそうだよね。
自分の声で話せる多分最後の旅行。
来年はマイボイスになっているかもしれないけど今と同じようにきっとはしゃいで旅行を楽しんでるよね。
という事で…おはようございま〜す。
2014年11月11日で〜す。
今日はですね結構お外もポカポカ陽気なのでここ最近寒いし雨降っててできなかったガーデニングをやってみたいと思いま〜す。
この前見事に枯らしてしまった野菜たち。
気分一新新しい野菜を育てます。
そう。
この冬を越せれば春には収穫できるはず。
晴れの日も雨の日も雪の日も今度はちゃんと面倒見るね。
それが全部自分が楽しいと思える時やったり楽しくないけど後から振り返ると楽しく思える時があったりだから…これが私の人生。
大好きな仲間に囲まれてたくさんの人とつながって愛する彼氏に見守られて自分らしく生きているそれだけで最高。
だから私は今日もこう言って笑ってます。
(取材者)こんな生活どうですか?幸せですか?幸せです!2015/01/07(水) 15:15〜16:00
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 ドラマチック関西「グレースの幸せ難病日記」[字]

大橋グレース愛喜恵さん。柔道の元オリンピック全米代表選手だが大会直前に難病を発症する。現在は24時間介助生活。それでも「幸せ!」と言い切る彼女の人生を紹介。

詳細情報
番組内容
NHK・Eテレの障害者情報番組「バリバラ」のレギュラー、大橋グレース愛喜恵さん。柔道の元オリンピック全米代表選手だが、大会直前に進行性の難病を発症し出場断念。現在は右手が少し動く程度で24時間介助を受けている。悲劇のヒロインを想像してしまうが、本人は、「障害は不幸じゃない。今の生活は幸せ」と明るい!死と向き合いながらも、自分らしく生きようとする彼女を通して、「幸せとは何か?」を考える。
出演者
【出演】大橋グレース愛喜恵,【ナレーション】篠原ともえ

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
福祉 – 障害者

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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