科捜研の女3 2015.01.07


(陶器が割れる音)
(野菜を切る音)
(榊マリコ)何よもう…朝っぱらから。
(榊いずみ)おはよう。
朝ご飯できたから食べなさい。
いらない。
朝は食べないの。
ダメよ。
どうせ外食ばっかりなんでしょ?冷蔵庫の中だって空っぽ。
お漬物ひとつないんだから。
こっちのお漬物好きじゃないの。
何か薄味で食べた気しないし。
(あくび)何これ?展覧会…?なになに?陶芸家円城寺光斎。
いい男ね〜。
マリコもどうせ再婚するならこのぐらいいい男見つけなくちゃね。
何しょうもないこと言ってんの。
それよりいつまでここにいるつもり?そっちこそいつまで独りでいるつもり?話そらさない。
あらこの佃煮賞味期限切れ。
やだ〜佃煮も持ち主も賞味期限切れ!私は賞味期限切れなんかじゃありません!だったら再婚ぐらいしたらどう?あのね私は再婚する気なんか…。
(携帯電話)ゲッ!もうこんな時間。
ヤバ…。
はいもしもし。
あっ所長…。
今どこって家…じゃなくてもちろん向かってる途中。
えっ現場?洛北の仏谷。
男性の不審死体が発見…。
(上原純二)マルガイは高槻幽斎50歳。
陶芸家です。
隣の母屋が住居でここは陶芸用の作業場だったそうです。
(木場俊介)科捜研は?おいそこの!さっさと急いで。
(鶴田幸太郎)僕は法医学は専門じゃありませんから。
だったら何で来てるんだ?僕のほうが訊きたいくらいですよ。
マリコさんが遅刻したからって所長が代わりに行けって…。
またあの女か…。
すいませーん!遅くなりました。
マリコさんもう何やってたんです?ごめんごめん。
ちょっとした家庭の事情ってやつ。
死因は鈍器による後頭部挫傷。
頭蓋骨陥没骨折が見られます。
着衣に乱れはありましたがそれ以外に目立った外傷はありません。
殺しと見て間違いなさそうですね。
死亡推定時刻は?それが…。
どうした?恐らく被害者は死亡した時陶器を焼いていてこの焼き窯にも火が入っていたと思われます。
そのため室温がかなり高く直腸温度からの測定は不能で死後硬直の状態から昨夜午前2時から明け方の5時と推定するのが精一杯です。
3時間かよ…。
そんなに広いんじゃ意味ねえな。
ですが…あれを。
(上原)窯焼きの工程だな。
焼き窯を詳しく調べればいつの時点で被害者が殺害されたのかわかるかもしれません。
何でしたら科捜研のほうで専門家に鑑定を依頼しますが。
残念だがそこから先は我々の仕事だ。
ご苦労さん。
帰って結構。
おい誰かに窯を調べさせろ。
はい。
帰りましょう。
上のほう頼む。
はい。
犯人はそこの裏口から侵入したようですね。
バールか何かで鍵をこじ開けた跡がありました。
金庫のほうは?こっちもこじ開けられてて中身空っぽです。
恐らく犯人がすべて持ち去ったんでしょう。
やはり物盗りの犯行ですかね。
このかけら同じ物みたいね。
早く所に戻らないとまた所長にしかられるよ。
ほらここ見て。
跡が残ってる。
ということは…。
犯人はここにあった壷で被害者を殴ったと…。
それ!何?何で犯人は被害者をここにある壷で殴ったのかしら?だからきっとここに忍び込んだ泥棒が被害者に見つかってとっさにガンッと殴ったんじゃないの?もう先帰る私もう…。
でもさでもさ…。
なになに…?仮に犯人が被害者をとっさに殴ろうとしたとしてこんなに遠くからわざわざ持ちにくい壷を抱えて殴るものかしら?知りません!犯人にでも訊いてみたら?殴るだけなら他にいくらでも物もあったわけだし。
犯人が壷を凶器に選んだことには絶対何かの理由があるはずなのよ。
それを調べるのは捜査課。
僕達の仕事じゃないでしょ?ちょっと待って鶴ちゃん。
このかけら1つ残らず全部回収するから手伝って。
全部ってこれいくつあると思ってるの?そうね…。
ざっと500個ぐらいかしら?ああ…。
マジ〜?どいてどいて〜!どいてどいて〜!はいそこあけて。
さあこれを今から1つ残らず全部指紋を調べるからみんな協力してくれるわよね?うん?みんなどうかした?
(小向光子)井上さんあのね…。
(黒井千佳)あの例の…。
例の窃盗事件の公判資料の提出…。
しょうがないわねぇ。
だったら鶴ちゃん。
ああそうだ忘れてた!暴力団の発砲事件の弾道検査やらなきゃ。
忙しい忙しい!もう…。
(宮前守)榊君。
所長!ははは…これ何?ははは…時間厳守でしょ!遅刻厳禁!すいません!これもなし…。
136バツ。
137…。
(ため息)あれ?みんなは?もうとっくに就業時間過ぎてるわよ。
残業するのは勝手だけど残業手当は出ないからね。
だったら手伝ってくれてもいいと思いません?で?何か出たの?被害者以外の指紋はなし。
犯人はやっぱり手袋してたみたい。
あれ?この写真…。
うん?ああ現場の事務所にあった被害者の写真だって。
コピー取るようにって捜査課が持ってきたみたい。
こっちの若い男最近どっかで見た気が…。
若い男?あっ!これだ。
この人。
円城寺光斎。
援助交際?円城寺光斎!わかってるっちゅうの。
新進の陶芸家でしょ?知ってるんですか?うん美容院で読んだ雑誌に出てたのよ。
何かね陶芸界のプリンスとかいっちゃってすごい人気なんだって。
陶芸家…。
あの上原さんここ空いてます?いたいた!捜したのよ。
何だよ。
ねえ捜査は何か進展した?うん?ノーコメント。
ケチ!ねえ教えてよ。
このコロッケあげるからさ。
焼き窯調べたんでしょ?何かわかったんじゃない?ああ。
犯行時刻はおよそ見当がついた。
どうして?窯焚きのプログラムだよ。
それによれば最高温度の1215度を3時間キープした後バーナーの火を落とすことになってる。
そして窯の中の陶器はすっかり焼き上がってた。
ってことは被害者は窯の火を落とした後に殺害された。
そう推理するのが当然だろ。
すごい!さすが木場さんの一番弟子だけのことはある。
このおひたしもあげちゃう!黒板にあった作業の工程だと火を落とす時刻が3時半。
つまり…。
犯行時刻は3時半から5時の間ってこと。
あっそうだ。
この写真なんだけどさ。
うん?ああ真ん中に写ってるのが被害者の師匠の小笠原雲斎。
随分前に死んでるよ。
こっちの若いのが同じ弟子の円城寺光斎だろう。
ねえこの円城寺って人に被害者のことを聞き込みに行ったりしないの?何で?だってさ現場で壷が割られていたってことは何か陶芸家にしかわからない理由とか事情とかあったりするんじゃない?あっヒジキもいる?あのな犯行時刻は深夜。
裏口にはバールでこじ開けた痕跡。
空の金庫。
どう見ても犯人は金品目当てにあの作業場に侵入したまたま被害者と出くわしとっさにその場にあった壷で被害者を撲殺した。
それが捜査本部の見解。
じゃあ居直り強盗ってこと?はい角煮もどうぞ。
そう。
だから前歴者のチェックと目撃者捜しが目下の急務で関係者への聴取は二の次なの。
そうなんだ。
ありがとう。
じゃあこれと…。
ついでだからこれもあげちゃう!何だこれ?おいおい!ちょっと待て!これじゃ詐欺じゃねぇかおい!おい!あの…あの…。
うん?空いてます?なあなあこの写真ええと思わへん?いやぁやっぱりええ男やわぁ。
へえ〜人気あるんだ。
母さん!あらマリコ。
何やってんのよこんなとこで。
家でね新しくお漬物漬けようと思って。
ほら今まで漬けてたぬか床置いてきちゃったもんだからね。
これなんかいいなぁと思うんだけど。
でも2万円はちょっと高すぎるわね。
20万でしょ!えっ?あらやだ…。
(安西)お待たせいたしました。
間もなく先生がお見えになります。
キャー先生!
(歓声)へえ〜。
どう?何?
(円城寺光斎)お名前は?まゆみです。
まゆみさん。
科捜研の所員の方が何か?亡くなられた高槻幽斎さんのことでお話を。
話すことなど何もありません。
第一刑事でもない方に話す義務もないでしょう。
会う必要のない客は君のほうで処理しとけって言ってあるだろう。
申し訳ございません。
兄弟子が亡くなられたのに何も話すことがないんですか?私の中で幽斎兄はとっくに死んだも同然でしたから。
死んだも同然…?若い頃の幽斎兄は優れた才能の持ち主でしたが明け透けな物言いと酒ぐせの悪さで陶芸仲間とのケンカが絶えなかった。
揚げ句が師匠の金に手を付けたのがバレて破門になった。
(2人)破門!?陶芸界は狭い世界だ。
うちの師匠に破門になった幽斎兄の作品を扱おうなんて美術商は誰1人いない。
つまり破門になった段階で陶芸家としての幽斎兄は死んだのと同じだったんですよ。
もう1つだけ。
おとといの深夜3時半から5時の間どちらにいらっしゃいましたか?それってアリバイってやつ?おとといの夜でしたらここにいましたけど。
ここに?ええ。
昨日は個展の初日でおとといはギリギリまで作品のレイアウトやライティングの調整をしてました。
何だったらスタッフや秘書の彼女に訊いてみるといい。
そうですか。
あっそうだ!ねえさっきあそこにあった練込水指。
20万ってやつ。
あれちょっとくらいまけたりしてもらえないものかしら?ちょっと何言い出すのよ!いいじゃないのせっかくだから。
いや実はねこの子はもうこちらのお漬物は口に合わないって言うもんですから。
関東風のおふくろの味をと思って。
漬物…?ええ。
ダメかしら?私の作品とそこらの漬物の壷一緒にする気か!陶芸を何だと思ってるんだ!何なのよ。
怒らせてどうすんのよもう…。
1971年生まれ。
まだ30歳なのね。
「96年『鳳凰』で国際芸樹祭新人賞を受賞し陶芸界に華々しくデビュー」ねえこれってステキじゃない?お漬物を盛る器にピッタリ!でもこれって出てなかったわね。
個展って過去の作品全部飾るわけじゃないでしょ。
ううん。
ほら。
ホントだ…。
もうみんな何だってつけたらつけっぱなしなの!?電気代だってバカになんないんだから。
ここの人間は無駄ばっかりするんだから。
一番無駄なのは光子さんの化粧だったりして。
ははは…。
あんたの給料のほうがよっぽど無駄でしょ!アイタッ!何か引っ掛かるのよね…。
もう一度現場に行ってこようかしら。
ねえ鶴ちゃん付き合って!ダメです僕は!今日は7時から『ラブリーモモコ』見ることに決めてんですから。
決めてんですから。
ダメダメダメ!そんなこと言わないでさ。
あんた私に借りがあるでしょ?
(宮前の咳払い)所長…。
おわかり?ですが…!失礼します。
洛北医大から検視報告が届きました。
ありがとう。
待ってたのよ。
上原さんは渡しませんから!えっ?所長ここ!あっ?何ですか?被害者の脳の解剖所見です。
前頭葉がかなりの損傷を受けてどろどろの状態だったって。
どろどろ?前頭葉ってこの額のあたりですよね?だって殴られたのは後頭部なんでしょ?だから…普通立っている人間の後頭部を後方から殴打した場合脳の損傷は後頭部の頭蓋骨のすぐ下に発生するの。
それに対して仰向けに倒れて後頭部を床などで打った場合衝撃が脳内を伝わって損傷は前頭葉に出ることが多いの。
どういうことかね?恐らく被害者の高槻さんは後頭部を壷で殴られたんじゃなくて倒れながら硬い床か何かに後頭部をぶつけた可能性が高いってことです。
確か現場の床は…。
ありがとう。
いたんだ?
(光子)いつの間に…。
倒れて頭を打って死亡するほど硬いものは…?これ!現場に行くわよ白鳥さん!ルミノール液!言っとくけどタクシーはダメよ!それと残業手当は出ないからね!科捜研の任務を逸脱せず余計な行動は慎む!ああー!何?『ラブリーモモコ』が始まっちゃう。
部屋の明かりを消して。
(白鳥望湖)出た…!しゃべった…。
焼き窯に付いた血痕の血液型はAB型。
被害者のものと一致したわ。
じゃあ凶器は壷じゃなかったわけね?仰向けに倒れたってことは事故ってこと?ううん。
焼き窯に付いた血痕は拭き取られていた。
犯人がその場にいたことは間違いないわ。
恐らく被害者は犯人ともみあっているうちに仰向けに倒れて…。
後頭部を焼き窯で打って息絶えた。
その後犯人はなぜか棚にあった壷を手に取り…。
あのさ何だって犯人はそんな真似を?被害者に相当恨みでもあったのかしら?それはまだわからないわ。
でも…。
でも?1つだけ言えることがある。
ただの居直り強盗ならそんな偽装工作をする必要はないってことよ。
木場さん!これはただの強盗殺人じゃありません。
被害者の交友関係を捜査し直してください。
あのなそういうことをあんたに指図される筋合いはないんだよ。
おい!あのね俺達は勘と足だけで捜査してるわけじゃないんだ。
捜査の基本は可能性を1つずつしらみつぶしにすることだ。
この2日間何もつかめないほど捜査課は無能じゃないよ!マルガイの銀行口座の記録だ。
毎月100万ずつ入金があるだろ?振込人の名は…。
円城寺光斎…ですね。
お願いです。
円城寺の事情聴取に私も立ち合わせてください。
いいだろう。
木場さん!ただし余計な口出しは無用だぞ。
いいな?恐喝?高槻氏に毎月毎月100万もの金を送金していた。
あまりにも不自然だと思いましてね。
まあ確かにお金は渡していました。
ですが恐喝などというのは根も葉もないでたらめですね。
じゃあ何のために?幽斎兄はまあ破門になったとはいえ私にとって兄弟子であり亡くなった雲斎師匠の数少ない弟子の1人でもある。
まあ万が一幽斎兄が金に困って事件でも起こしたりしたら私や師匠ひいては陶芸界全体の名誉にかかわる。
そのための保険とでも思えば安いもんですよ。
100万の金がですか?もし警察がどうしても恐喝だと決めつけたいのなら何をネタにしていたのか教えてくれませんか?いえいえそんなことは…。
何より私は事件の夜午前3時から朝まで個展の展示会場にいたんです。
事件とは無関係だ。
もういいでしょう?その点は秘書の安西さんにも確認しました。
あの夜先生は1時過ぎにいったんこの会場を出られてご自宅のアトリエに戻られ3時前に帰っていらっしゃいました。
何のために戻ったんですか?ああ…。
個展に展示しきれなかった作品を家に持ち帰るためです。
スペースに限りがありましてね。
会場に持ち込んだはいいものの結局展示できなかったものが何点かありまして。
その中に芸樹祭で賞を取った『鳳凰』も入っていたんですか?チラシの出展予定作品には『鳳凰』が載っていたのに会場のほうには展示されてませんでしたから。
ええ。
まあ確かに『鳳凰』は私が世に出るきっかけとなった思い出深い作品です。
まあですが今回はあえて出展しないことにしたんです。
いつまでも過去のイメージにとらわれていては新しいものは作れない。
まあいい機会ですから『鳳凰』は封印して人前に出さないことに決めたんです。
そうですか。
わかりました。
お時間をとらせて申し訳ありませんでした。
へえ〜。
あっこれこれ!一度やってみたかったんだ。
お待たせしました。
ああっ!ごめんなさい!これが何か?高槻幽斎さんが殺される直前に窯で焼いていたものです。
ひょっとして何かおかしなこととかないかなぁと思って。
まあよう焼けてること。
そうですか…。
こんなに焼いてしもうたらせっかくの御本が台無し。
えっ?御本手の焼き方は最初のうちに火を強うしすぎると御本特有のピンクがきれいに出ません。
きっとこれを焼いた方は強火にしたまま長時間窯のそばを離れはったんやね。
どういうこと?もし仮に犯人が午前2時過ぎに高槻幽斎を殺害して…。
現場を離れる前に本当なら窯焚きが終わる時刻なのにタイマーで焼き時間を延長して足してあったとしたら窯の中の陶器が焼きすぎていたことの説明がつくでしょ?つまり犯行は3時半より前の可能性も考えられるの。
ちょっと待って。
そんな細工ができるのは陶器や焼き窯についてある程度知識のある人間。
そういうことになるわよね?円城寺光斎なら当然可能だし犯行現場から個展の会場まで夜中なら車で30分。
犯行が2時過ぎだったとしても3時前には会場に戻ることはできるから円城寺光斎のアリバイは不成立ってことなの。
じゃあその円城寺がめちゃくちゃ怪しいじゃない!榊君ね何度も言ってますけど私達科捜研は…!でもこれだけじゃ足りないのよね…。
足りないって?仮に高槻殺しが円城寺の犯行だとしても動機が見つかってないの。
よしわかった!被害者は円城寺光斎を恐喝してたんじゃないの?う〜ん!その可能性は高いんだけどその恐喝の理由がわからないうちは円城寺光斎を容疑者とは断定できないの。
そうだ…。
あの…あのね君達ね何度も言ってますけどこの貼り紙が目に入らないんですか!もう…。
これおいしい。
(掛け声)動機も見えないけど…壷も謎のままなのよね。
ねえ犯人はどうして犯行後にわざわざ壷を割ったんだと思う?
(武藤要)さあ?私は犯人じゃないから。
それが元プロファイラーの言葉?まぁまぁそう根を詰めても何ですから。
お茶でも飲んで一息入れましょう。
んもう現場離れてすっかりお気楽なんだから。
ちょっと。
はい。
何でピーナツだけ食べるの?ええ?いや好きだからです。
だったらわざわざ柿ピーじゃなくてピーナツ単体で買ってくればいいじゃない。
いやそうじゃないんですよ。
この柿ピーの中のピーナツっていうのはもうそれだけで特別というか。
普通のピーナツにはない何かこう…ありがたみがあるんですね。
ちょっと!もう何これ!ピーナツ1つもないじゃない!これじゃあ柿ピーじゃなくてただの柿の種でしょ?いやいや。
いやいやそんなことは。
ちょっとお待ちください。
はいこれで柿ピー!不思議だと思いませんか?一見ただの柿の種だと思ったのがこのピーナツをたった1粒入れるだけであっという間に柿ピーという存在に変わってしまうんですよ。
奥が深い。
ついてけない。
実を言うとですね。
この柿の種とピーナツの間には他人にはわからない微妙な関係があるんじゃないかって気がしてきましてね。
いいですか?つまりこういうことです。
この柿の種はピーナツに憧れています。
しかし案外…案外ですよ?案外このピーナツのほうも柿の種に嫉妬してるっていうんでしょうかねぇ?あっ!ひょっとして謎が解けるかも。
えっ?ええ〜?冗談じゃないわよ。
この壷を復元するにはみんなの協力が必要なの。
だから手伝って。
お願いします。
無理無理。
僕達他の仕事で手一杯なんだ。
私だって精算の締め切り…明日までにやんないと。
そこを何とか!この通り!第一壷を元通りにできたからって犯人逮捕できるって限ったわけじゃないでしょ?そんな不確かなことに付き合ってられませんよ!それこそ時間の無駄よね。
何が不確かなの?ねっ何が時間の無駄なわけ?いい?私達科捜研の仕事は例えどんなに無意味に思えてもどんなに可能性が低くてもそれがゼロでない限り調べて確かめて実証するの!しなきゃいけないの!そのためだったら私は鴨川の河原の石1つ残らず全部調べてみせるわよ!それが科学の唯一の意義だしそれができるのが警察の中で私達だけなのよ!そんなこともわかんないならこの仕事辞めちまえ!
(ため息)徹夜仕事になりそうね。
言っとくけど残業手当はなしよ?あっでもね夜食は経費で落ちるから。
500円まで。
ほらあんたもやんなさいよ。
わかりました。
さあみんな頑張るわよ。
これか?きたか?よしっ!だーっ!すいません。
1辺が32ミリで45度のひし形みたいなパーツ誰か持ってません?知らないわよそんなの。
自分で勝手に探しなさいよ!こういうの得意なんだ…?これは…ここ。
ピンポーン!ジャストフィット!よっしゃー!いいわぁその性格…。
(宮前)おい!おい!鶴田君。
おおよかったよかった。
まだ残っててくれたか。
例の公判用の資料なんだけど…。
うるさい!!話しかけないで。
何…?ちょうどよかった!所長も手伝ってください。
えっ?ここあいてますから。
どうぞ!はい手袋!馬鹿なこと言うんじゃないよ。
何で私がこんなこと…。
逃げようったってそうはいきませんからね。
はい座って座って。
いやちょっとちょっと…!よろしくお願いします。
よろしくって…。
手袋して。
あっ手袋…はい。
で粘土開けて。
あっ粘土開けて…。
いやっ手袋!手袋…。
どうぞ。
ははっ。
ああもうっ!ああっ目が覚めた。

(咳払い)何だい?寝てませんよ。
こういうの案外向いてるかもしれない。
よ〜しっ!やったー!!完成!!もうだらしないわねみんな。
あっ…。
どうぞこちらです。
ご足労おかけします。
何なんですか?電話では幽斎兄殺しの重要な証拠が見つかったとか言っていたみたいだが。
それをお見せする前にあの夜この現場で何があったかについて説明させてください。
何?被害者の高槻幽斎さんは何かのネタを理由に弟弟子である円城寺光斎氏…つまりあなたを恐喝していた。
まだそんな馬鹿げたことを…。
事件の夜高槻氏に呼び出されたあなたは午前1時自宅に行くと言って車で個展会場を出てここに来た。
(高槻幽斎)こら円城寺!2人は恐喝の件で口論となりあなたは高槻さんを突き飛ばし…。
高槻さんは運悪く焼き窯で後頭部を強打してしまった。
焦ったあなたは犯行を居直り強盗のものに見せかけることを思いついた。
さらにガス窯のタイマーを使ってあたかも高槻さんが3時半まで生きていたように偽装した。
そんなたわ言誰が信じるんだ?第一何を根拠に?そもそも証拠なんかないだろ。
現場には明らかな証拠が残っていました。
何?事件現場に散乱していた破片を復元したものです。
それが一体何だっていうんだ。
ここにはそんな壷ゴロゴロしてるじゃないか。
正確にはこの壷が証拠ではありません。
本当の証拠はここに。
現場に落ちていた破片を組み立ててみた結果これだけがどうしても余ってしまったんです。
これは『鳳凰』の破片ですね?月々100万の金に飽き足らなくなった高槻さんは代表作の『鳳凰』を渡すようにあなたに要求した。
しかしあなたはそれを拒否したため…。
やぁーっ!犯行現場に残っていたかけらが『鳳凰』のものだと明らかになれば自分が疑われるのは間違いない。
そう気づいたあなたはそれをごまかすために…。
いい加減にしろ!それが『鳳凰』のかけらのわけないじゃないか。
そもそもここは幽斎兄の作業場なんだ。
陶器の破片の1つや2つ落ちていたっておかしくない。
確かに…それが『鳳凰』のものだと証明するのはかなり難しい。
ですが逆に『鳳凰』のかけらではないことを証明するのは簡単です。
おわかりですね?何だ?あなたがお宅に持ち帰って封印したという『鳳凰』の実物を私達に見せていただければいい。
ご協力願えるんでしたら今からでもお伺いしたいのですが。
それはできない。
陶芸家として私はあの作品はもう人目には触れさせないと誓ったんだ。
そうですか。
それじゃあ令状を取って正式に家宅捜索をさせていただくしかありませんな。
おい令状の手配だ。
はい。
待て!そんなことしなくてもそれが『鳳凰』のかけらなんかじゃないってことは証明できるはずだ。
そんなことが可能なんですか?君達素人は陶器のことなどまるでわかってない。
いいか?陶器というものは作家ごとに原料の土も違えば水の混ぜ方当然焼き方も違うんだ。
言うならばそれが作家それぞれのオリジナルであり個性でもある。
そのかけらの成分を調べれば他の幽斎兄の作品と同じだってことがわかるはずだ。
つまりそれは私が焼いた陶器とはまるで違うものなんだ。
何だ…?どうした?ようやく認められましたな。
えっ?それが動機だったんでしょ?見つかったかけらはこれ1つじゃなかったんです。
こちらのかけらには『鳳凰』の特徴の文様が明らかに残っていました。
それから成分の分析も終わっています。
土の成分水素や炭素の含有量密度などの分析の結果このかけらは高槻さんが作られたものだと断定できました。
確かめたかったのはあなたの動機でした。
国際芸樹祭で新人賞を受賞した『鳳凰』は実は高槻幽斎の作品だった。
それが恐喝の理由でもありあなたが被害者を殺さなければならなかった動機でもある。
あなたはたった今それを自分で認めたんですよ。
あの時だけ…あの時だけ魔が差したんだ。
芸樹祭にエントリーが決まってもプレッシャーで何も作れなくなって…。
そんな時破門された幽斎兄の古い作品を見つけつい自分の名前を付けて出展して…。
私には自信があった。
賞を取りデビューさえできれば後はどうにでもなる。
要はきっかけさえあれば…。
ただそう思って…。
だが…あの男はそれをネタに何年も何年も執念深く蛇のように私を脅かし続けたんだ。
だから…だから私はあの男を…。
詳しい話は捜査本部で聞くから。
(上原)さあ。
1つだけ…。
えっ?『鳳凰』を割ったのは私自身だ。
いい加減勘弁してくんないか?ふふっ…アホなこと言うな。
お前にはもっともっと稼いでもらわんとな。
ええやないか。
こいつのお陰で俺もお前もええ目が見れてんねやから。
ふふふ…。
こんなもの!!それだけは訂正しておく。
陶芸家の誇りにかけて。
さあ。
(パトカーのサイレン)
(あくび)眠っ。
給料泥棒で逮捕されても知りませんよ?何言ってんのよ徹夜よ徹夜。
マージャンだったら賭博容疑です。
違うわよサービス残業。
ん〜もったいない!目開けて寝てる。
何で私まで徹夜しなきゃいけないんだよ。
ただ今戻りましたー!何だってそんな元気いいわけ?同じ完徹した人間とは思えませんね!昨日は皆さんお疲れさまでした。
徹夜に付き合ってもらったお礼にお土産買ってきましたから。
お土産?気が利くじゃない。
武藤さんおすすめのやつなんですけど。
(光子)柿ピーって…何で?これのお陰で事件が解決したようなもんなんですから。
はい所長もどうぞ!あっこれはどうも…。
どういうこと?あの人の頭にはついていけないです。
『鳳凰』を自分でわざと割った理由か。
うん。
円城寺光斎は『鳳凰』を盗作したお陰で有名陶芸家になって地位も名誉も手に入れることができたがその代償としてあの『鳳凰』に生涯縛られ続けることになってしまったんだろうな。
『鳳凰』を壊すことでその呪縛から解放されたかったのかもしれんな。
ふ〜ん。
ベテラン刑事の勘でもそこまでは見抜けなかったんだ。
お得意の科学捜査でもだろ。
ああ飲みすぎた。
ああ気持ち悪…。
お母さーん水。
何よ…いないの?懐かしい。
うちの味がする。
あらやだだらしがない。
どこ行ってたのよ〜!お隣へごあいさつ。
いつの間にこんなもの。
ああそれまだ浅漬けだけどちゃんとぬか床も作ったから。
そのうち古漬けも食べさせてあげるからね〜。
ええ〜楽しみ。
ちょっと…まさかそれって古漬けが漬かるまで家にいるってことじゃないでしょうね?ちょっと母さん!母さんってば!
(小寺)
今週のあるき目です2015/01/07(水) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
科捜研の女3[再][字]

「京都陶芸界、砕け散る殺意!」

詳細情報
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、小林稔侍 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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