国に建設が認可され実現に向けて動き出した…最高時速は500キロ。
先月一般向けの体験乗車が始まりました。
きたきたきた。
速かった。
13年後の開業を前に名古屋駅周辺の地価は早くも高騰。
リニアの開業効果を先取りしようと膨大な投資マネーの流入が始まっています。
リニアによって東京名古屋間は僅か40分に。
大都市を結ぶ巨大な経済圏が誕生しようとしています。
しかし時間の短縮によって名古屋のヒト・モノ・カネが東京に吸い取られるとの声も上がっています。
東京のベッドタウンになるおそれがあるというのです。
東京に対抗しようと経済界は世界の企業に名古屋をアピール。
13年後を見据えた企業誘致が始まっています。
日本を大きく変えるリニアインパクト。
開業までに何が必要なのか考えます。
今日の「ナビゲーション」名古屋市にあるリニア・鉄道館に来ました。
こちらのSLそして新幹線。
鉄道の歴史の中に新たな仲間が加わろうとしています。
それがこちらリニアです。
リニア中央新幹線が来週17日着工する事になりました。
こちらをご覧下さい。
13年後の2027年に開業予定。
東京・品川と名古屋を結びます。
これまでの最速1時間28分から僅か40分で結ばれる予定なんですね。
リニアは500キロで走ります。
そのスピードを生み出しているのがこちらです。
車体の側面にある磁石。
この磁石の引き寄せ合ったりもしくは離されたりする力これを利用する事によって車体を浮かび上がらせそして進んでいく高速化が実現した訳なんです。
このスピードによってもたらされると予想されているのが経済効果です。
開業まで13年あるんですが既に大きな動きが出てきているんです。
リニアの駅が出来る…開業を見据えた再開発が加速しています。
駅の周りでは既に4つの高層ビルの建設が進んでいます。
完成後のオフィスや商業施設を合わせた広さはナゴヤドーム13個分にも上ります。
来年秋に完成する予定の地上40階建てのビル。
問い合わせが相次ぎ入居の契約も決まり始めています。
再開発が加速する駅の東側。
更に西側でもリニアを見据えた投資が活発になっています。
リニアの駅が名古屋駅の地下に出来る事が公表されたのは去年の秋。
駅の西側ではこの1年で地価がおよそ10%上昇しました。
雑居ビルや小さな店舗が多くこれまで比較的開発が進んでこなかった西側。
将来の不動産の値上がりを見込んで投資マネーが流入しているのです。
駅の西側にある不動産会社です。
今東京や大阪などから…本当にこんな感じでたくさん来ておりまして…。
こちらは投資用マンションを求める不動産会社から届いたファックスです。
この会社が提示したのは200億円。
駅周辺のビルやマンションを建物単位でできるだけ多く買い取りたいというのです。
こうした問い合わせは例年に比べおよそ2倍に増えているといいます。
リニアを見据え過熱する不動産の争奪戦。
その波に乗り遅れまいと中小企業も動き出しています。
東京に本社がある従業員20人余りのIT企業です。
社長の武藤康正さん。
健康保険証の情報を管理するシステムの開発販売を行っています。
武藤さんの会社は名古屋にもオフィスがあります。
この秋1,000万円をかけ駅のすぐそばに場所を移転させる事にしました。
広さは東京本社の1.2倍。
名古屋が重要な拠点になると見込み社長室も作ります。
武藤さんはリニアを生かして西日本のビジネスを拡大したいと考えています。
ゲストです。
愛知県一宮市出身大の鉄道好きです。
タレントの水野裕子さんです。
よろしくお願い致します。
そしてリニアの経済効果にお詳しい中京大学経済研究所内田俊宏さんです。
よろしくお願い致します。
お願いします。
まず水野さん。
はい。
13年後を見越して既に動きが始まっている。
どうご覧になりました?いやもう13年っていったら干支でも一回り以上先の話じゃないですか。
それをもう実際に物件を買ってオフィスを移転したりっていうのは開通して人が動き出すのは13年後な訳ですよね。
今やらなきゃいけない訳ですか?そうですね。
やはりリニアの経済効果というのは2つあるんですけどもまずは造るまでの経済効果。
これは名古屋から品川間というのは5.5兆円の建設工事費があるんですが大体間接効果も含めるとトータルで10兆円あるんですね。
もう一つはリニアが出来てからそれを活用していかに経済効果を大きくするかというその効果は大体年平均2,000億円ぐらいというふうに三菱UFJで試算しているんですがその2,000億円というのは3,000億円とかどんどん大きくなる可能性があるんですね。
それを最大化するためには今から準備をしなきゃいけないという事ですよね。
この13年は無駄な投資にはならないという…。
やはり13年というのは間に東京オリンピックもありますし割とすぐ来ると思いますね。
なるほど!まだまだではなくてまさに今すぐの話今すぐ動かなければいけないという事な訳なんですね。
内田さんはこのリニア開通というのをどのような効果をもたらすというふうに思っていますか?やはり東京と名古屋が40分という事ですから名古屋っていうのは製造業の中心地ですよね。
今日本の貿易黒字の大部分はこの地域にある。
自動車とか工作機械とか航空宇宙とかそういったものが出しているんですけれどもその製造業とそれから東京のソフト産業IT産業も含めてサービス産業これが2つが1つに融合する事によって更にものづくりが次の次元に行って付加価値が高まるというふうに思いますよね。
今まででも1時間30分余りで東京と名古屋行き来できるのは近いなというふうに思っていたんですがそれでもこの40分っていうのは全く違う感覚なんですか?これはもう全く違いますね。
当然日帰りでもビジネスはできますけれども東京にいたそういったものづくりの周辺の人たちが名古屋に拠点を移すという可能性もあると思いますね。
行きたい時にすぐ東京に行ける訳ですからむしろ東京と名古屋両方に本社機能を持つような企業も増えてくると思いますね。
水野さんもプライベートや仕事も含めて東京そして愛知を行ったり来たりしていると思いますけれどもリニアに期待するところはどんなところですか?やっぱり今名古屋東京間1時間半かけて…例えば私は今愛知で大学に通ってお仕事を東京でメインでしてという生活なんですが1時間半朝始発に乗れば8時半ぐらいに東京に着いてお仕事をして最終10時に乗って名古屋に11時半過ぎぐらいに着くと一般のサラリーマンの方と変わらないぐらいの時間動いている事にはなるんですけどでもやっぱりその分寝る時間を削るとか自分のプライベートのためのいろんな事をする時間を削るっていう事になるのでそれが単純にいえば半分以下になる訳じゃないですか。
その分やっぱり生活に余裕も出てきますしライフスタイルというか生活の幅も広がってきますよね。
思い立ったらすぐ行けるというその距離が本当に近くなるという事ですからね。
実はそこが一つの課題なんですよね。
やっぱり東京に拠点を置かれてそれで名古屋はもうすぐに日帰りできると。
そういう事になると逆にどんどん産業集積が高いそういった首都圏にかなりいろいろ集中しちゃうんじゃないかという懸念は一般的にはあると思いますね。
相対的にそういう現象がこのまあ私たちにとっては全く経験した事のない時間の短縮というので起こりうるかもしれないという事なんですか。
(内田)そうですね。
そういった中で今このヒト・モノ・カネが吸い上げられないようなそういった模索が始まっています。
リニアの着工を間近に控えた先月。
行政経済文化各分野のトップが集まりリニアインパクトとは何か議論を交わしました。
意外な事に不安の声が相次ぎました。
この会議で指摘されたのは相対的に小さな都市から大きな都市にヒト・モノ・カネが吸い上げられるストロー現象。
リニアの開通で名古屋から東京へ企業や投資が流出すると懸念されているのです。
東京に先手を打って外国企業を呼び込もう。
経済界がプロジェクトに乗り出しました。
この日ドイツから招いたのは自動車や飛行機に使う先端素材メーカー。
渡航費や滞在費は締めて400万円。
全額プロジェクトの負担です。
まずこの地域がリニアで生まれる巨大経済圏の主役だとアピールしました。
更に訴えたのはこの地域が自動車や航空宇宙など製造業の一大集積地である事です。
プロジェクトは名古屋を中心とした半径100キロの圏内をグレーターナゴヤと呼び売り込んだのです。
翌日ドイツのメーカーを連れていったのは岐阜。
名古屋駅から電車で20分で結ばれるグレーターナゴヤ圏です。
自動車部品や素材メーカー数十社を紹介。
東京にない製造業の層の厚さを体感してもらいました。
名古屋を中心とした100キロ圏を世界に売り込むグレーターナゴヤ。
しかしその圏内のアクセスには課題があります。
世界一の自動車メーカートヨタが拠点を置く豊田市。
名古屋との直線距離は30キロ。
東京名古屋間のですが電車での移動は乗り換えを含め50分以上かかります。
東京からリニアに乗って名古屋に40分で着いてもそれ以上の時間がかかってしまうのです。
地元は時間の短縮をしてほしいと要望していますが駅の高架工事をはじめとする大規模な改修が必要でめどは立っていません。
グレーターナゴヤのアクセスをどう改善するのか。
愛知県は交通各社とその進め方や費用の負担について議論を始めています。
リニアの駅が出来る岐阜県中津川市。
この地域では過疎化を食い止めようと市民が対策の検討を始めています。
NPOの代表小板潤治さんです。
リニアが開業してもこのままでは地域は衰退する一方だと懸念しています。
どうすればこの地域に多くの若者をとどめる事ができるのか。
地域の魅力を掘り起こし町ににぎわいを生み出そうと企業と話し合いを始めています。
町の魅力をどう高めるのか模索が続いています。
内田さんストロー現象を起こさないためには一体何が必要だと考えますか?やはりストローというのはコップの中の水をどちらが吸い取るかという事になるんですがこのリニアの時代というのは日本の中ではやはり首都圏の巨大マーケットこのコップの中の水をいかに地方が吸い取るかという事になると思うんですね。
東京とやはり名古屋圏というのは全く違いますから都市の構造も産業構造も違いますし特色がありますからそういう意味ではやはり吸い取るチャンスの方がむしろ大きくなると思いますね。
あと中間駅の出来る中津川にしても周辺には妻籠馬籠とか首都圏の方が知らないような非常にいい観光資源もありますし東京からの別荘地って今軽井沢ですけども軽井沢っていうのは新幹線で1時間以上かかりますよね。
リニアが出来れば直通であれば恐らく35分ぐらいで品川から中津川来ますからやっぱり富裕層お金持ちが中津川に別荘を持つようなそういう時代も来る可能性はあると思いますね。
そうなると愛知を中心としたものづくりという特色もちゃんと知る事も大事ですしその地域地域も自分たちの魅力というものをもう一度見つめないといけない。
そんな時期に来ているという事が言えるんですかね。
そのためにはという事でVTRの中にもありましたアクセスの向上という話。
これなかなか難しいようですね。
やっぱりリニアの一番のメリットというのが東京首都圏から名古屋圏まで40分というところでなのに名古屋駅に到着してそこからどこかへ行こうと思った時にその倍以上の時間がかかってしまってはやっぱり元の木阿弥というかメリットが打ち消されてしまうので。
名古屋駅。
名駅と皆さんは親しんでおりますがその「めい」っていうのを迷う駅と書いて迷駅と呼ばれてる方もいらっしゃいますからね。
(水野)やっぱり名古屋駅に到着してからの例えば乗り換えであったりとか乗り継ぎっていう面で名古屋に初めて来られた方で迷わずにできたっていう方って私本当に聞いた事がないぐらいなので。
そういう意味で駅そのものの利便性というのもやっぱりもうちょっと向上するべきなんじゃないかなとは思いますね。
(内田)おっしゃるとおりですね。
やはり品川から40分で名古屋駅に来てそこから製造業の中心地まで1時間かかるという事ではまずいですから道路それからインフラですね。
一般的なLRTとか公共機関とかそういったものを整備していかないといけないと思いますね。
製造業もそうですしまた名古屋を拠点とした観光地に行く際にしてもそこからの時間が遠いのは確かに課題ではありますよね。
この辺りは名古屋市が中心になりまして名古屋駅に乗り換えのしやすい広場を造ろうという計画があるんですがただ財源の負担などどうするのかまだ課題はあるようなんですね。
今日はこのリニアにつきましてその経済的な側面から見てきてる訳なんですがご覧のとおり時間短縮の経済効果というものがある一方でこのストロー現象というものについても懸念があると。
そしてそのほかにもリニアには災害時に経済を守るという側面がある一方で実は86%地下通りますからその時の建設によります環境などへの影響も懸念されております。
この点につきましてJR東海に聞きました。
環境に十分配慮して慎重に工事を行うという事なんですが水野さんやはりこのリニアについてもう13年後一体どんな事を今一番期待してますか?そうですね私が今この名古屋と東京を行き来する生活を選んだというのは新幹線で1時間40分で行けるっていうところがすごく大きいんですね。
なおかつこの名古屋という地は関西圏にも1時間かからずに行けるっていうその地の利っていうのはやっぱりこの移動手段のメリットがあってこそだと思うんですよね。
そこでリニアが出来る事によってそれが更に短縮されるという事は私が選んだのと同じように自分のライフスタイルを選ぶ事ができるんだと思うんですよ。
なのでこのリニアを自分のライフスタイルの中でどう使っていくかっていう事がやっぱり使う側として考えなければいけないんじゃないかなと思います。
今ライフスタイルという事もありましたけれども内田さんやはりこのリニアの開通そしてその効果というものが私たちの生活というものに直結するものであってほしい。
そういう願いがあるんですが。
品川から40分という事ですからこれは企業の本社機能の一部も移転してくる可能性もありますし場合によっては首都機能の一部も移転するという可能性もあると思います。
更に北陸新幹線来年開業しますけれども金沢まで来ますがそれも含めて観光の中心の滞在拠点が名古屋になってそこから北陸それから首都圏関西に行くとそういう可能性すらあると思いますね。
そうなるとやはりこのリニアの効果私たちの暮らしにもまた大きな何かを残してくれそうですね。
間違いないと思いますね。
過疎化とかいろんな問題もありますけどもその辺りもなんとかこのリニアによって前向きになってくるといいですよね。
今日は内田さんそして水野さんありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/01/05(月) 15:15〜15:41
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 ナビゲーション「リニアインパクト〜開業までの課題は〜」[字]
リニア中央新幹線が建設に向けて動き出した。名古屋駅周辺では、東京などからの投資が拡大し、早くも不動産価格が急上昇。10兆円といわれる経済効果に迫る。
詳細情報
番組内容
国の認可を受け、リニア中央新幹線が建設に向けて動き出した。13年後には東京と名古屋が40分で結ばれる。移動時間の大幅な短縮がもたらす“リニアインパクト”は、経済効果にとどまらず、国の構造をも変えると期待されている。一方で、消費やビジネスを吸い上げてしまうストロー現象によって、東京一極集中を加速させるという懸念がある。リニアインパクトは地域に何をもたらすのか。そして今何をすべきか探る。
出演者
【ゲスト】水野裕子,中京大学経済研究所研究員…内田俊宏,【キャスター】永井伸一
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ニュース/報道 – 経済・市況
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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