天下のパワースポット・出雲の母なる海
古くから出雲大社には目には見えない縁を結ぶ力があるといわれてきた
・おめでとう!
去年秋高円宮典子さまが権宮司と結ばれたことも追い風となり良縁を求める女性たちはますます増えている
竹野屋は大社の門前にあって140年以上の歴史を数える宿
この日も一組の男女が出雲大社で執り行われる婚礼の儀式に向かおうとしていた
(竹内信夫)お兄様それから…
宿の…
(カラオケ)
挙式から戻ると竹内の仕切りで実にユニークな披露宴が始まる
これが今ちょっとした話題だった
はいカットしてもらいます
なぜか新郎新婦の両親もケーキカット
(拍手)いえいえおめでとうございます
また一つ新しい人生の扉を開けるお手伝い
私は肩書が実は3つあって…私ここでは番頭ですよブライダルアドバイザーは結婚式の相談に来られた時だけその名刺出してちょっと持ってきましょうか
この宿に生まれ24歳で働き始めた
50を過ぎて経営を引き継ぎ今63歳
出雲大社のにぎわいと裏腹に宿の人手不足は深刻の度を増している
老舗旅館の主といえどどんと構えてはいられない
ヘヘヘヘ…
朝から晩までこまごまとした雑務に追われていた
求人の募集にも今どき人は集まらないという
さりとてサービスの質は落とせず苦肉の策を講じていた
(スタッフ)何部屋ぐらい…
限られた従業員でやりくりする日本旅館
維持管理には何かと手間がかかるのだ
かつてはこの貴賓室に皇族を迎え大いににぎわった時代もあったのだが…
幕末の頃出雲詣での宿として始まった
だがそれも今は昔
5代目当主・竹内の下には社員わずか6人とパートがいるばかり
ありがとうございましたそれと今日ですけども宴会で広間また使いますのでセッティングお願いします
休館日?
あさっての11日の部屋割りがこんな感じですこの半分の時は前の日泊まってるから朝御飯と掃除はあるんですでこういうと…7日のうち3日も休んでるのなんかちょっと考えられない
客室にあらかじめ床を延べておくのも合理性の追求か
でもファンは離れない
グレード下げて「いやそういう宿じゃないんです」みたいなね靴でも……みたいなこと言うと「いやダメだ」っていう…それでもいいよと言う方は来てもらったら満足度上がりますからはいいらっしゃいませどうぞ!
無理をすればかえって足をすくわれる
どうやら竹内は時の流れと堅実に歩調を合わせているようだ
そんな気取らない人柄に引かれてかリピーターは多かった
そんなたちますかありがとうございます
一方でブライダル業界からも注目されているのが竹野屋の披露宴
まず何が違うかっていうと…どんな人数でも80人でもああそうなんですか食事会っていうのがメインでただ…何割ぐらいの挨拶にされますか?これだけです
(宇佐さん)それぐらいなんですかもちろん書いてありますそれから何か出し物を出したい方があれば…楽器でも弾きたいという方があればうちにある楽器であれば自由に…ちょっと見に行きますか?どんな感じかちょっと来てもらって…今ですか?どんな感じか見て…
(梢さん)すごい
(宇佐さん)弾けるものがいっぱい
若い頃道楽で集めた楽器を提供することもあるという
残念ながら両家に弾ける人がいないです
会場となるのは畳敷きのこのような和室
無論披露宴の準備もほとんど一人でやっていた
外せないのはカラオケ
システムはちょっぴり古いがその気になれば誰でも歌えるように歌本は1人1冊分用意している
去年一年出雲大社で挙式したカップルの100組以上が竹野屋で披露宴を行った
あの2人も…
(かしわ手)
その頃竹内は…
今のうちに
宴が始まれば休む暇もない
今のうちに腹ごしらえ
手作り感覚の披露宴に力を注ごうと決めた背景には竹内本人の苦い体験があった
妻・広子さんとの結婚は34年前
仰々しい宴席が三日三晩も続いたそうだ
いうとこから…ちょっと進んでいったみたいな感じおめでとうございますどうぞ
両家にはふだん着で集まってもらう
じゃああの…はい
司会は新郎だった
それでは竹内さんよろしくお願いします本日の…
(拍手)
実は2時間前竹内は新郎から突っ込んだ話を聞き出していた
新婦にも言えなかった思いを宴席で伝えたいから
ここですか?「きれいな子」っていう…それ本当は一緒では言えなかったですけど…そうですね
これこそ披露だと竹内は言う
それでは乾杯
(一同)乾杯
上座を設けず新郎新婦を真ん中に座らせて食事もゆっくり楽しんでもらった
退屈で堅苦しいスピーチもお呼びではない
座が自然に和んでゆくのを待つ
両家の父親を隣同士にするのも竹内流
知らない曲でも合わせます始まってからですよ向こうのモニターに出ますから…歌いながら歩いてください歌い始めてからですよ
(太鼓)
なるほど歌いながら全員と握手
こんなささやかな工夫で初めて顔を合わせた二家族もすっかり打ち解けるというものだ
(太鼓)・「陽はまた昇るこの東京砂漠」
(新郎の父)・「あなたがいればあああなたがいれば」・「TRAIN−TRAINどこまでも」・「TRAIN−TRAIN走って行けTRAIN−TRAINどこまでも」
十分に盛り上がったところでお開きに向けたとっておきの演出が繰り出される
お母さん抱き締めて…大丈夫大丈夫しっかりしっかり
(拍手)お母さん何年ぶりですか?
竹内に背中を押されてれくささも忘れて親子でハグ
しっかり抱いてお母さん…はいおしまいです!はい
うれしくてさみしい日
掛けがえのない思い出を持ち帰ってもらいたい
それが竹内の願いだった
隠しきれない気分がまなざしににじむ
結構よかったと思いますかなり…かなり盛り上がりましたねそれはね走り回ってますからここが…ここがすごいですよいやまぁまぁ…知らん顔してすんなりやってますから忘れ物がないように見ていただいてすいませんありがとうございました
神々のふるさとで見送ってきた数えきれない門出
どんな幸せも神様が決めたことだからと竹内は至って謙虚だ
あの〜……ってあるじゃないですかあれと一緒ですよ私きっとガラパゴスでしょうね
12月
旧暦10月の出雲は神在月
やおよろずの神々がこの地に集うといわれる時期出雲大社は大層なにぎわいに包まれた
ふだん控えめに営業している竹野屋も神在月だけは特別
1年前からの予約客が続々とやって来て大わらわになる
大社への案内も主の仕事だ
携帯電話はマナーか電源をお切りくださいね携帯だけは切っといてくださいね2礼して4回手をたたいて1礼します4回合わせるということは幸せを意味します
(かしわ手)
朝から晩まで文字どおり身を粉にして働いている
娘は既に嫁ぎ沖縄で暮らしていた
33歳になる一人息子も畑違いのIT業界で自立している
宿の未来が気にならないわけはない
う〜ん…いつまでもこれが…仕事が休めたら行くからね
年の瀬孫から電話があった
もしもし…お母ちゃんいる?はいはいどうも
正月には子供たち一家が来るようだ
これが沖縄の孫のでこれがこの人の「健康祈願」これがさっきの子の「心身健全」
いずれは後継者が必要になる
1951年2月ですけども…63ですか今は…
あと2年
どうやら竹内は65歳を一つの節目と決めているらしい
自慢の貴賓室で出雲ならではの宴「でごんれ」があった
でごんれとはさまざまな事情で両家が集う宴席が持てない時新郎新婦いずれかの親族だけで行う婚礼のこと
新郎は一人兵庫から来ていた
ご挨拶に来てくれたすいません遅くなりましてそうかいな宮様が使う部屋なのか
めっきり少なくなった風習を守るのも出雲に生きる竹内のこだわりだろうか
お料理がねお喜びに…
竹内にとって今回のでごんれには格別の意味があった
この日を限りに引退する従業員がいる
57年もの間客室係を勤め上げてくれた大ベテラン…
その花道だった
今日もごめんねありがとうございましたみっちゃんもういいけんうん分かっただんだんだんだん忙しいとこごめんみっちゃんが今日今勤めてもらって…挨拶に来られたどうも長い間本当にありがとうございました元気でまた顔見せてくださいありがとうございましたきー君
(森田さん)いろいろとお世話になってありがとうございました長い間お疲れさまでしたすいませんでしたねでもよかったやっぱ来てもらえてね…よかったと思いますみっちゃんに感謝してます
いやおうなく意識する人生の引き際
(エレキギター)
感傷に沈みそうな夜は慣れ親しんだギターを取り出す
「ベンチャーズ」のリーダーだって80を過ぎて今も現役なのだ
あいにくの雨の中宿は最後の化粧直し
長男一家はこの2日前に帰っていた
だが親子の時間を撮影するのは勘弁してくれと言われた
宿の行く末を案じていたのはむしろ息子のほうだったそうだ
(スタッフ)どっちが避けたんですか?…ってあるじゃないですかあの心境ですね
(参拝客)65432ハッピーニューイヤー!
暦は巡り今年も出雲大社はたくさんの願いを聞き届ける
節目の年まで2年を切った
それでも65
神様だって笑うかもしれない
引退には早すぎるぞ…と
あなたの行動を決めるのは…
全ての行動を分析する天才の脳の中は…
2015/01/04(日) 23:15〜23:45
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【竹内信夫/出雲大社の門前に佇む老舗旅館亭主の縁結び作法に密着】
旅館亭主/竹内信夫▽高円宮典子さまのご結婚や空前の縁結びブームの追い風で数年前より3倍に急増した出雲大社の門前に佇む、創業140年の老舗旅館・竹野屋の5代目亭主
詳細情報
番組内容
出雲の老舗旅館・竹野屋の5代目亭主の竹内は、慰安旅行や修学旅行の客が減る時代の中、披露宴を柱にした経営に転換し、自ら婚礼の相談や花嫁衣装の手配などを取り仕切るウェディングプランナーも務める。カジュアルな服装の食事会や新郎新婦による司会など、心温まる披露宴で4千組もの新郎新婦を世に送り出した。神話が息づく出雲の風物詩と共に、全国からくる披露宴をプロデュースする亭主の縁結び作法と多忙な日々を追った。
出演者
【プロフィール】
竹内信夫
旅館亭主。1951年島根県生まれ。
出雲大社門前にある創業140年あまりの老舗旅館・竹野屋の5代目亭主。
東京の大学卒業後は京都の老舗旅館で修業し、24歳で竹野屋に戻り、39年前に先代から宿を引き継ぐ。
父の影響で幼少期より英語や洋楽を聴きながら育ち、趣味はエレキギター。
竹野屋は歌手・竹内まりやの実家としても知られている。竹内は実兄。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】SEPIC
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ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
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