独占密着2200日!市川海老蔵にござりまする〜疾風怒濤の“KABUKI”者 2015.01.03


市川海老蔵に、ござりまする。
その男、職業、歌舞伎役者。
華やかな舞台で人々の心を魅了し、圧倒的な迫力で見る者をうならせる。
その胸に秘めた壮絶な覚悟。
代々の團十郎として生きないといけないし、きっと。
時代を生きないといけないし。
江戸時代から十二代にわたり、脈々と受け継がれてきた名跡、市川團十郎。
やがては十三代目を継ぐ。
背負った伝統と宿命はずしりと重い。
素顔でも有名だよね。
舞台でもかっこよく。
新しいこともできて、古典もできて、現代も生きて。
世界にもアピールできる。
エビゾウ・イチカワ・イレブンス。
そのぐらいじゃないとやっぱりだめだよなって、自分に言い聞かせてます。
誰も知らない海老蔵の素顔。
役者仲間の中村獅童はこう語る。
歌舞伎をやるために生まれてきたんだなっていうこと。
守るのと同時に、新しいものも攻めていくっていう精神は、非常にやっぱり共感しますし。
伝統の世界に革新の風を吹かせる。
神話を歌舞伎に。
オペラを歌舞伎に。
疾風怒とうの勢いは増すばかりだ。
私たちのカメラだけが見つめた、家族の絆。
来た来た。
あれ?
かっかっかっかっ!
最愛の娘が舞台へ初お目見え。
しかし、女の子は歌舞伎役者になれない。
その宿命をどう伝えるか、海老蔵の心は揺れる。
麗禾ちゃんも勸玄くんも、本当にお父さんのことが大好きなんですよ。
もう、本当に仲よしなんですよ、4人が。
結婚4年。
波乱もあった。
うれしいよー、なんかいろいろ思い出したね。
逆風のときも、妻は夫を支え続けた。
偉大な父、團十郎がこの世を去って1年。
涙に込められた新たな決意。
歌舞伎はもう、変革期に入ってると。
なぜならば、一番大事な人たちが亡くなっていっている。
っていうことは、神様が決めてることなんだと思うんですよね。
密着2200日。
宿命を受け継ぎ、未来へとつなぐその覚悟。
今夜、あなたは海老蔵の真実を目の当たりにするだろう。
おととしの暮れ。
海老蔵の楽屋を長女、麗禾が訪れた。
くま取りをするパパを間近に見るのは初めてのこと。
歌舞伎の装いに慣れさせる、それが海老蔵のねらい。
ところが、2歳の娘にとっては、パパがいつものパパじゃない。
麗禾さん。
麗禾さん。
麗禾、ちょっと振り返ってみたら?パパがいるよ。
わー、すごい。
麗禾さん。
ああ、泣いちゃう、泣いちゃった。
ママ、ママ。
だめだ。
ちょっと怖かったかな?
怖かった?怖かった?
家ではパパの歌舞伎のDVDにくぎづけの麗禾だが。
パパだよ、パパ。
パパね。
泣かれてしまいました。
怖いですか?怖いと思います。
お手を拝借、よー!
海老蔵には、心に温めてきた計画があった。
2歳になった麗禾を、初めて舞台に立たせてみよう。
本来、歌舞伎は男だけの世界。
しかし幼いころなら、女の子も舞台に立てる。
皆さん、おはよう。
麗禾ですって。
麗禾。
あー、泣いちゃう。
地方公演でお披露目のごあいさつをする。
そのための稽古。
笑顔だが、パパの目は真剣。
それでおじけづいてしまったのだろうか。
皆さん、おはよう。
麗禾です。
パパ、だっこしてるから大丈夫だよ。
麗禾のお披露目。
その場所に海老蔵が選んだのは、熊本県山鹿市だった。
懐かしい風情の町並みに、守られるように建つ芝居小屋、八千代座。
海老蔵のまな娘のお披露目を、誰もが心待ちにしている。
娘がここ、八千代座で無事に舞台を務めてほしい。
梨園の妻にとっても、歌舞伎の家を守る母としての第一歩。
麻央さん、どうですか?八千代座は。
映像で見てたんですけど、初めて来られて感激です。
主人がすごく、たぶん、気持ちの入る場所なのかな。
ああ、ここに麗禾が一緒に歩いて、出させていただくんですね。
明治のころから、地元の旦那衆により、大切に守られてきた八千代座。
麗禾のためのちょうちんも、特別にあつらえられた。
観客の熱気をじかに感じる八千代座の舞台。
ここに、ぜひ麗禾を立たせたい。
それが海老蔵の願い。
麗禾、歩いてみない?お稽古しようか?
歌舞伎をやる人になる、いつもはそう話す麗禾だが。
やんないよ、麗ちゃん。
なぜか舞台から遠ざかる。
まあ、俺もそうだったから。
ちっちゃいときは無理だった。
こうやっていつも後ろに、お母さんの後ろにこうやって、こうやってくっついて。
家だとああだったけど。
そうなんだ。
海老蔵さんでも?
うん。
4歳、3歳ぐらいのときは。
へぇ、そうなんだ。
だって、やっぱり大人ばっかりの世界でしょ。
そっかぁ。
なんだろう?と思うよね。
楽屋は親子一緒。
で、俺、出てくじゃん。
そうすると、舞台でよろしくやってるんで、きょうはそういえば、娘の初舞台でございます、皆様にお披露目したいと思っておるしだいでございますれば、くまモンさん、一緒に娘を迎えに行ってくださいませって言ったらば、俺とくまモンで麗ちゃんを迎えにいく。
はい。
舞台稽古が始まった。
本来、女性が歌舞伎に出ることはない。
だから、幼いうちに舞台に立つ感触を味わわせてやりたい。
麗禾の初お目見え。
くまモン出演に頭を下げたのは、海老蔵の親心。
登場は、手をつないで花道を歩く予定だったのだが。
これはこれは、ひさざえもん様におはま様ではござりませぬか。
なるほど、なるほど。
大好きなくまモンにも、表情は硬いまま。
多くの観客にあいさつする。
自分に求められる大役が、幼心にも分かるのかもしれない。
なんとか慣れてほしい。
母の目が祈っていた。
僅か2歳。
小さな体が受け止める緊張は、大きいに違いない。
でも、これも歌舞伎の家に生まれた宿命といえた。
本当はパパの歌舞伎が大好き。
一応まあ、2歳ですからね、これ。
すごいですよ。
いつも弟とDVDを見て、芝居の名場面を演じてみせる。
いよっ!
おー、それ、初めて見たよ、俺。
うそ?できるの?
麗ちゃん。
こうやって。
かっかっかっかってやるんでしょ?かっかっかっ。
かっかっかっかっ…。
ねえねもやってみて?
私?
歌舞伎役者の道に進むことはできない娘。
将来、それをどう伝えるか。
海老蔵は心を痛めてきた。
やっぱり歌舞伎という土台を踏んだうえで何をするか。
主婦になったっていいし、パートでバイトしたっていいし、なんだろう、女優さんになったっていいし、何したっていいと思うんだけど、やっぱりね、きのうも思ったけど、しのぶちゃん、寺島しのぶさん、お会いして、やっぱり僕たちには感じない、たか子ちゃんもそうだと思うけど、感じない、悔しさっていうものを、しっかり受け止めて生きているからこそ、すばらしいじゃん、アナと雪の女王のあいつの歌。
なるんだよね!だからやっぱり、できないはできないで、できたっていいと思うよ。
でも彼女がちゃんと受け止めれば、いいと思う。
だからもうね、悔しい、苦しいけど、どう受け止めんのかなぁって、無責任に見てやろうって。
そうだったとしても私はやるんだ!っていうふうにしたらば、やるだろうし。
いや、できないんだって諦めたら、別の方向に行くんだろうし、そういう心の屈折というか、挫折が、彼女には絶対待ち受けているわけで。
この熊本で、海老蔵と麻央は結婚記念日を迎えた。
この4年間で、一番の思い出はなんですか?
やっぱ子ども。
麗禾誕生。
勸玄誕生。
一番っていうか、2個だね。
どうですか?でも、そうでしょう?基本。
どうやったって。
やっぱり、子どもの誕生に勝るものはない。
確かに。
結婚する前と後で、やっぱ人生変わったみたいなことはある?
全然違うよ。
全然違う。
結婚する前なんて俺、どうかしてたもん。
あらー!
結婚4周年に感謝して、海老蔵からのサプライズ。
わー!すごーい!
どうしましょうか。
あー!すごーい!うれしい!
あっ、泣いてる!
うれしいよー、なんかいろいろ、思い出したね。
梨園の妻となって4年。
それが今、2人の子の母となった。
この4年の間には、夫に逆風の吹いた時期もある。
いちごさん、食べたいよって。
はい、勸玄。
海老蔵にとって、つらい時期を乗り越えられたのは、妻の麻央がいてくれたから。
パパ、ありがとう。
長女、麗禾。
初お目見えの日。
海老蔵の娘を一目見たいと、多くの人が詰めかけた。
初日を迎えた舞台裏。
当の本人は、ママの腕から離れない。
おはようございます。
海老蔵の母、希実子さんも気が気ではない。
おめでとうございます、麗ちゃん。
もう、でも心配しても、息子のときもそうですし、どれだけ心配したかっていうのは、きっと本人が今、麗禾を出すにあたって、感じてることだと思うので、親の気持ちが今、分かってくれればと思います。
わが子を初めての舞台に送り出す。
歌舞伎の家で代々繰り返されてきた心配事。
名門、成田屋の晴れ舞台。
この入りが、客の期待を物語る。
麗禾、泣かないで。
本日の主役がぐずり出した。
海老蔵の長女、初お目見え。
麗禾を一目見たいと、満員御礼。
この日のために創った芝居前三升麗賑。
成田屋の家紋、三升と、麗の一文字が組み合わされた。
まもなく麗禾の出番。
果たして無事務まるか。
芝居小屋の熱が一気に上がった。
海老蔵を小さいころからわが子のように見守ってきた観客にとって、その娘の初お目見え、感慨深いに違いない。
お小さいのは?
これは私の娘にて、このたび初めて、舞台に立つことと相なりましてござりまする。
何とぞいずれの様もごひいきのほどを、よろしくお願い申し上げ奉りまする。
これはまたありがとうございまする。
くまモンにはお嬢様の初舞台に、お祝いを申しておりまする。
それはありがとうござりまする。
くまモンの熱演が、舞台をさらに盛り上げる。
お手伝いを、ああ、お手伝いを。
2歳の麗禾が、懸命に初お目見えを務め上げた。
せん越ではござりまするが、いずれのさまも、お手を拝借。
よー!おめでとうござりまする。
ほっとしましたー。
途中、ちょっと泣いたりしてましたけど、でも無事に、主人に抱かれて、舞台に出られて、もう皆さんがすごい拍手で迎えてくださったので、よかったです。
ほっとしました。
麗禾、見てたよ。
くまモンとよく頑張ったね。
麗禾、イエイ!よかった、イエイ!こっちも。
イエイ!麗禾!
麗禾ちゃんの初お目見えが無事に終わり、海老蔵さんも一安心。
はい、どうじょ、食べる?はい、どうじょ。
取って。
あー、おいしい。
麗禾ちゃんは、舞台の熱気をどう幼い胸に刻んだのでしょうか。
そして、勸玄くんの初舞台はいつになるのでしょう。
わー、でかい!見て。
子育てに忙しい2人を姉、麻耶さんは見てきました。
ある日、海老蔵さんから連絡があって、きょう空いてますか?と。
そういうことがあまりないので、ちょっとびっくりしたんですけど、空いてますよ、なんでですかって言ったら、妹がいつも子育てですごく頑張ってるので、2人でデートをしたいんですっていうふうに言われて、その期間、その時間、子どもたちを見ていてほしいって。
もちろんですって言って、すごく短い時間だったんですけど、2人でデートに行って。
そういう母としてだけではなくて、妻として、妹がいる時間を大切にしてくれるのって、なんか男性としてかっこいいなって思います。
おいしい?よかったねぇ。
海老蔵が目指す新たな舞台。
春。
海老蔵の新たな舞台作りが始まっていた。
なぜ邪魔をする。
私はただ、私の思いを満たして…。
海老蔵にとって特別な演目、源氏物語。
お母様、きょうは私と遊んでくださいますね。
海老蔵の初お目見え、それが、源氏物語。
父、十二代目團十郎と舞台を踏んだ。
海老蔵は、歌舞伎界の名門、市川宗家の長男として生まれた。
やがては市川團十郎という大名跡を継ぐ宿命。
初代團十郎は、およそ330年前、今に伝わる歌舞伎の伝統を創り出した。
それが、豪快な英雄が悪を倒す荒事。
以来、代々の團十郎が、暫、助六など、後に歌舞伎十八番となる演目を生み出した。
あの勧進帳も。
歌舞伎界をけん引し、革新する重責を担ってきた市川團十郎。
だから、心を鬼にして父は息子に、芸と魂をたたき込んだ。
幼き日の海老蔵は、背負った宿命を重く感じたに違いない。
その重さは、今も変わらない。
行こうとしたらば、ああ、なぜだ、こっち行ったら、こっちも。
総合的になんか、美しいものがこう、藤壺の所に行こうとして届かないけど、みんな、止めてるみたいな、こう、ざざざざざっと。
海老蔵が演じるのは、光源氏。
祖父、父の当たり役だ。
今回の源氏物語は、自分なりの新たな境地を開く作品にしたい。
海老蔵は歌舞伎に、オペラ歌手を登場させる大胆な演出を考えた。
世界をまたにかけて活躍するアンソニーとは、この日が初顔合わせ。
すごいね。
すごいね。
なんかもう、三皮ぐらいむけないと、踊りももっとちゃんとやんないとまずい感じ?すっごいよ。
すごい!ね?すごかったよね?すごかったよね?やー、よかった、きょう出会えて、彼と。
これ、当日とか会ってたらやばいよ。
海老蔵に火がついた。
歌舞伎の誕生とオペラの誕生は、ほぼ同時期は同時期だよね。
だけども、そう考えると、オペラは世界で磨かれてる。
歌舞伎はやっぱり日本でしかやってないわけじゃん。
その歌舞伎サイドの人が、歌舞伎を中心にしてやろうとしてるんです。
これってすごい大変なことだよ。
その俺は今、責任と戦ってる感じ?ここで歌うじゃん、ここに間があるじゃん。
アンソニーは、海老蔵演じる光源氏の心の内を歌い上げる。
同じ悲しみを確かに共有してるって感じがするから、こっちも倒れて、それを助けてもらって、そちらもそうなっていくというのはいいと思います。
アンソニーさんと僕の、光の君のシンクロを一個作りたいということ、どう?
オペラの動きと歌舞伎の動きを融合させる。
代々の團十郎も型破りで大胆な発想に挑戦し、新境地を開いてきた。
いいじゃん。
すっごいおもしろい。
源氏物語が上演されるのは、京都・南座。
大胆な発想を取り入れながら、美しさを追求する舞台。
2人は緻密な動きをぎりぎりまで確認する。
こっちがこうなって、さっきと逆にこうやって見つめ合う。
それが音楽とマッチして下がりたい。
この源氏物語には、歌舞伎より長い歴史を持つ能も取り入れた。
オペラで世界とつながり、能で日本の歴史とつながる。
海老蔵は貪欲だった。
みずから企画した創作劇だからこそ、海老蔵はもう一つ実現させたことがある。
それが、妹、ぼたんとの共演。
今、舞踊家として活躍する市川ぼたん。
歌舞伎の名門に生まれた女の子は、父と兄が稽古する姿を間近にしてきた。
舞台に立った父、團十郎は憧れだった。
歌舞伎役者になれないみずからの運命を、悔しく思ったこともあるだろう。
歌舞伎だから、そこに女の子が出れない、先があるとかそういう感覚は、本当、幼いときはなかったですね。
ようやくなんか、本当に男の世界なんだなっていうことが、本当によく分かったというか。
もちろん到底、女である以上、絶対にそれはできないってことは分かっているんですけど、やっぱりそこに対するいろんな気持ちとか、なんか、あるじゃないですか。
それが本当に自分の中で整理ができたのは20代かなと思う。
そんな葛藤を背負ってきた妹に、海老蔵の演技指導は熱を帯びていった。
それは亡き父、團十郎のことも頭にあってのことだった。
こういうことになって、こういうことね、こう、ね?ほんで、さらにこういうことよ。
こうやって、ああ、こういう、こういう線を出して、これでいったらば、もうこういうふうになって。
ぼたんと舞台に立つっていうのは、あんまり、ぼたんは望んでなかったんですよ。
お兄ちゃんラブじゃないから、お父さんラブだから。
だけどもね、おやじがね、亡くなる1年くらい前にね、智英子、ぼたんに言ったんだよね。
お前も孝俊、俺と、いろいろやってみなさいよって。
それで俺も、おやじ、智英子も目からうろこの、言うはずないこと言ったんだよね。
なんだ?って。
父、團十郎が秘めてきた思いを、海老蔵はそのとき知った。
そういうこと、そういうこと。
迷わずに踊りなさいよ。
厳しい稽古の様子を、母はじっと見守っていた。
舞踊家としてのぼたん、から歌舞伎役者としての海老蔵なので、またそれぞれの考え方とか思いが違っている中で、海老蔵がやっぱり、芝居としての、なんていうのかな、表現を、こうしたらいいんじゃないかっていうのをぼたんに伝えたかったっていうのがあったように思いました、見てて。
それは兄妹はないもんだと思いますので、もう厳しく、兄にいろいろ言われて、それなりに自分が理解して、表現したんじゃないかなというふうに、私としては解釈してるんですけど。
頭はこう。
海老蔵の厳しい指導も、世界は違えど、舞台に生きる妹への愛情だった。
海老蔵の創り出す新しい源氏物語が見たい。
南座はそんな熱気に包まれた。
私は…などではない。
美しく妖艶な光源氏に、劇場全体が息を飲む。
私は一体、なんのために生まれてきたというのか。
藤壺様。
ぼたん演じる藤壺と、光源氏の許されぬ恋。
兄、妹で、こだわり抜いたあの場面。
兄が創作した舞台の上で、歌舞伎役者になれなかった妹が、こん身の演技を見せる。
藤壺様。
私の光よ。
そして、歌舞伎の舞台をオペラが彩る。
世界で磨かれたオペラと、進化を続ける歌舞伎の融合。
歌舞伎を世界に通用する、エンターテインメントに育てたい。
この作品には、未来を見据えたねらいもあった。
オペラや能を取り入れ、さらには妹との共演。
舞台にいくつもの型破りを盛り込んだ海老蔵。
夕顔!
新たな源氏物語は、人々の心をわしづかみにした。
代々の團十郎がそうだったように。
麗禾、
海老蔵さん、久しぶりの休日に家族で訪れたのは。
勸玄も麗禾もね、ディズニーランド、初めてなんですけど、実は俺と真央が一緒に来るのも初めて。
ここまで結婚する前に、デートでは来たんですけど、人が多いからやめようねって言って。
だから、きょう初めてなの。
子どもから大人まで、多くの人を引きつける魅力が参考になればと、海老蔵さん。
くつろぎながらも、やはり歌舞伎役者です。
固まっちゃってるね、麗禾ちゃん。
麗禾、乗らないって言ってるけど。
乗らないって、今、言ってますけど。
乗る?乗らないって。
どうしよう。
勸玄君は、パパと一緒にメリーゴーラウンド初体験。
結局、麗禾ちゃんはママと見学です。
ぐるーって回ってくるよ。
かんかん!
海老蔵さんいわく、勸玄は麻央に似ている。
ちょっとのことで動じないとか。
なんてことなく。
本当、堂々としています。
うわー!ミッキーだー!こんにちは。
こんにちは。
うれしい!
麗禾、分かる?ミッキーさん。
こんにちは。
こんにちはー。
うれしいー。
握手して。
ミッキーマウスだよ。
あれ?麗禾は?くまモンのとき、テンション上がってたじゃん?
あー、かんかん、うれしいね。
パパ、これ、写真撮って。
いやー!麗禾もおいでって。
麗禾ちゃんもおいでって。
麗禾ちゃん、ミッキーのお誘いにも遠慮がちです。
なんで、せっかくだよ。
麗禾、あんまり会えないよ?
こんなことないんだよ?
くまモンより会えないんだよ。
握手、握手。
握手。
ミッキー、ありがとうって。
ありがとうって。
ハイタッチ!イェーイ!やったー。
おめでとう。
こうして見ると、どこにでもいる普通の家族です。
歌舞伎が大好きな麗禾ちゃん。
でも、パパを追うことはできません。
それが、歌舞伎の家に生まれた宿命。
俺と似ててね、ものおじするんですよ。
やがて、その宿命に気付くときが来ます。
そのとき、麗禾ちゃんは何を感じるのでしょうか。
4月の源氏物語に続き、海老蔵はまたも新作作りに取りかかった。
歌舞伎っぽいこと、なんか、世の中の人が歌舞伎ってこういうふうだよねって、勘違いしてるやつをやったらいいと思う。
なんかあるじゃない。
こういうやつ、あるじゃん。
なんか、世の中の人が勘違いしてるやつ。
歌舞伎って、こうやりますよね?みたいな。
ああいうのをやるとおもしろいと思うんだよね。
あえて?
あえてやる。
どう?
ABKAIと銘打った、自主公演の2回目。
ここ、掘れ、わんわん。
ここ、掘れ、わんわん。
2013年の第1回公園では、昔話の花咲かじいさんを歌舞伎にした。
スサノオー。
今回の題材は、日本の神話、古事記。
海老蔵のねらいは、分かりやすい歌舞伎を創り、若者たちのすそ野を広げたい。
古事記を題材に選んだ、その訳は。
古事記っていうのは、やっぱり日本の始まりでしょ。
やっぱりそれは大事ですよね。
日本の始まりって、不変的なものだし、海外の方のギリシャ神話だって、やっぱり知ってんじゃん、僕たち、ギリシャ神話ってこと。
そういうことで、通用する日本の文化、歴史だから、そこをやっぱり、日本人がなぜしないか。
今回の見せ場の一つは、大立ち回り。
海老蔵が抱いたイメージを、成田屋の弟子、市川新十郎が具現化していく。
なんかね、あるよ。
俺、今の感じだと、持ってて。
伝統に培われた歌舞伎の動きは、役者たちの体にたたき込まれている。
海老蔵がひらめくアイデアを、その場で次々と形にしていく。
一門で創り、一門で伝える。
それが歌舞伎だった。
若旦那もね、いろんな発想がどんどん出てくるんで、新しくできるものを新しく創るチャンスなので、それが今、たぶん、決められないんですけど、これが何十年、100年とかたったときに、古典になってればいいなという。
今やることが、100年後に評価される。
それが成田屋の本分。
日本の神話を、歌舞伎らしい壮大なスケールで描き出す。
海老蔵演じるスサノオノミコトが、ヤマタノオロチを退治する。
それは初代團十郎が編み出した、荒事の世界。
しかし、
自主公演、ABKAIの稽古は大詰めに入った。
スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する。
この大立ち回りが、最大の見せ場。
暴れるオロチの首をスサノオが大きな剣ではねていく。
八面六ぴの大活躍といきたいところだが、長い胴体が絡まり、オロチが自由に動けない。
斬新な発想には、常に難問がついてくる。
海老蔵、どう乗り切るか?大きな舞台を借りて、動きを確認することになった。
胴体に加え、オロチの頭も出来上がってきた。
客をあっと言わせる壮大な場面。
海老蔵のイメージは、8つに分かれたオロチの首が、あたかも大きな一つに見える動き。
追求しているのは圧倒的な重厚感だった。
だが、思うようにならない。
遅れた?
入れないんです。
尻尾が伸びてて。
入れなかったんで。
1組減らして、逆にそれは…。
重厚感が、軽くなっちゃいけない。
代々の團十郎も、こうした産みの苦しみを克服し、新作を世に放ってきたはずだ。
あした、時間を取りましょう。
初日は、2日後に迫っていた。
第2回のABKAIは、大阪で幕開けを迎える。
だーってやったら、そこへ台形みたいな。
立ち回りを担当する新十郎が、細部に至るまで、オロチの動きを確認。
本番の舞台を使っての最終リハーサル。
海老蔵の求める重厚感をいかに出すか。
作品の成否は、この場面にかかっている。
繰り返し繰り返し、ぎりぎりまで追い込んでいく。
満足のいく出来栄えに仕上がったのか。
いよいよ初日。
開場を待ち切れず、行列が出来た。
ねらいどおり、客席には若者の姿が目立つ。
新作舞踊劇、SOU〜創〜。
スサノオ様!
海老蔵は客席から登場。
われらは母を知らぬ。
それゆえ母上、いや、イザナミ様を思えば思うほど、胸が熱く、自然と涙がほおを伝う。
母一人救えずに、ふんっ、何が神だ!
せりふは若者たちにもなじみやすいように、現代語を取り入れた。
付いてまいれ!
舞台を降り、客の間近に。
豪快な手法に劇場が沸く。
そして、クライマックスの大立ち回り。
オロチが一体になって暴れる。
海老蔵が平成の世に、成田屋らしい荒事を生み出した。
海老蔵には、100年後が見えただろうか。
そして幕が引かれたあとも客席に登場。
オロチの首を提げて、花道に見立てた通路に引っ込み、最後まで客を楽しませる趣向だった。
現代の若者は、新たなエンターテインメントの形を見たに違いない。
なぜか、野球のユニホームに身を包んだ海老蔵。
そして猛ダッシュ。
まさかの趣味は草野球か?
OK!本番、よーい、はい!0連続ドラマの出演は5年ぶりのことだった。
カット!大丈夫ですか?
畑違いのドラマとはいえ、演技に一切妥協はない。
もう一回いこうか。
すみません。
もう一本。
もう一本ください。
もう1本いきます。
これが俺の野球だ。
こちらこそすみませんでした。
野球部?高校は?
小田原城徳高校です。
上徳?
歌舞伎の公演の合間、寝る間を惜しんで出演するのには、海老蔵なりの思いがある。
勢いのある役者たちと共演し、刺激を受けることで、演技の幅を広げたい。
何事も芸の肥やし。
海老蔵はやっぱり貪欲だった。
気付くタイミングって大丈夫ですか?
はい。
大丈夫?もうあの時点で終わってるのかな?
とっつきにくい人だと思われがちだが、初めての共演者は、その気さくな人柄に驚くという。
何歳なの?
21です。
ってことは、えとは?
えとは、とりです。
とり?
とり。
何月生まれ?
2月です。
2月何日?
13日。
とり?
撮影の待ち時間、こんなときは海老蔵にとって、格好の取材時間に早変わり。
毎日、20回近くも更新する海老蔵のブログ。
芸能人ナンバー1のアクセス数を誇っている。
この日のやり取りもすぐにアップ。
そこで、有村架純のブログもチェック。
すると海老蔵には、到底信じ難い事態が。
久しぶり、12日間更新してないの?ありえねぇー。
やばい、怒られちゃった。
このことばを聞いて翌日、有村はブログを更新した。
歌舞伎界にとどまらず、新たな出会いを求める。
海老蔵にとって、やはり何事も刺激的だ。
多くの舞台で共演し、海老蔵のブログにもたびたび登場する中村獅童。
役者仲間として、友人として、素顔の海老蔵をこう語る。
負けず嫌いでやっぱりやんちゃで、彼は乱暴そうに見えても、根が優しいので、役者としても魅力的だし、一人の人間としても非常に魅力のある男だと思っているので、そういった人と今の時代、一緒に生きているっていうのは、非常にやっぱり、こちらも刺激を受けますし、僕自身も彼に刺激を与えられるような役者でありたいなっていうふうに思ってます。
舞台を降りれば、天真らんまんなやんちゃ者。
その言動は、常に話題に事欠かない。
しかし、幼いころの意外な素顔を妹が語ってくれた。
何しろ、あの人、もともと、せっかちですからね。
本当にせっかちだから、嫌なんじゃないですか、止まったりするのが。
でも本当にちっちゃいときは、なんて言うんですかね、気の弱い、優しいお兄さんでしたけどね。
よく覚えているのは、かにぱん、かにの形のぱん、菓子ぱんっていうんですか。
あれが食べられなくて泣いてたのを覚えてます。
かにの形のぱん?
そう、そのかにを食べるのがかわいそうって言って。
なんかぼろぼろ泣いて、隣どうしで食べるときに、なんか泣いてましたね。
長野県志賀高原。
ここに海老蔵さんの呼びかけで、多くの人が集まりました。
これまだ早いですかね。
すばらしいですね。
大丈夫?
どんぐりの苗木。
東京で子どもたちと拾い、大事に育てたものです。
この日、行うのは植樹会。
家族みんなでやって来ました。
足元気をつけてよ。
海老蔵さんは、この地にたくさんの苗木を植えて、森を作ろうと考えました。
その名も、ABMORI。
そこちょっと、人多いよ。
気をつけてね、足元。
集まってくれたのは1100人。
地元の子どもを中心に、北は東北、南は九州からも。
ここ数年、頻繁に起きる異常気象。
海老蔵さんは子どもができてから、危機感を募らせてきました。
自然環境を守るために、何かできることはないか?
持ってきた。
森は命を育み、環境を守ると、植樹を勧めたのは真央さんでした。
麗禾ちゃんがやる。
優しく持ってね。
ZEROのときに植樹やらせていただいてたときに、いつか自分に家族ができたら、家族で絶対に体験したいなっていうふうに思ってたので、本当に実現してうれしいです。
じゃあ、これ、いこう。
モミジ。
子どもたちの成長とともに、大きな森になりますように。
海老蔵さんと真央さんは、未来への願いを込めました。
どんぐりの元。
子どもたちと大切に育てたどんぐりの苗木です。
頑張れよ、お前。
この日、モミジやトチの木など、17種類、8500本の苗木を植えました。
未来を紡いでゆくABMORI。
海老蔵さんらしい取り組みかもしれません。
父の舞台に興味津々。
跡取り、
夏真っ盛りの銀座。
ABKAI東京公演の稽古は、さらに熱気をはらんでいた。
おー。
海老蔵が取り組んでいたのは、歌舞伎三大名作の一つ、義経千本桜。
今回の上演は、四の切と呼ばれる場面。
親を亡くした子ギツネの切なさが胸を打つ。
その稽古を見に、子どもたちがやって来た。
長男、勸玄がどんな興味を示すか。
海老蔵にとって気になるところ。
ぱくぱくぱくぱく。
痛い痛い、痛い…。
ああ、食べられちゃった、食べられちゃった、あー。
パパが手、食べられちゃった。
全くものおじしない。
時々、ふと感じるのは、やはり娘に対する接し方と、勸玄に対する接し方が、ちょっと違うかなと思う瞬間がやっぱりありますね。
娘が遊びで見得を切ってると、すっごくほほえましい顔で見るんですけど、勸玄が見得を切ってるのを見ると、まだ全然できてないのに、すごい厳しい目で見るんです。
うん?っていう目で見るんです。
父の舞台に興味津々。
だが息子が歌舞伎役者への道を選ぶか、まだ分からない。
海老蔵にできるのは、ただ芸に打ち込む姿を見せることだけ。
跡を継ぐかどうかは本人が決めればいい。
ひとたび歌舞伎の道へ進めば、親子は師匠と弟子になる。
そうなれば、母は見守ることしかできない。
多くの人が心待ちにした、義経千本桜が幕を開けた。
舞台の見せ場は、けれんみあふれる仕掛けの数々。
表舞台では優雅に演じ、舞台裏では客をあっと言わせる瞬間に向けて全力疾走。
その男、職業、歌舞伎役者。
海老蔵は客をいかに魅了するかに、常に心を砕く。
昼夜の舞台で多くの役をこなし、ほぼ一年中、舞台に立つ。
歌舞伎に全身全霊をささげるのが、みずからの宿命。
歌舞伎界の市川宗家に生まれ、やがては市川團十郎を継ぐ。
歌舞伎の未来のために、今、自分に何ができるのか。
そのためには、こうして日々の舞台を真摯に務めるしかない。
海老蔵、今、37歳。
これから迎える円熟期に、どんな役者になっていくか。
誰もが見守っている。
やっぱリ、だからスポーツ選手じゃないじゃん、私。
だから、言い方悪いけど、引退がない。
で、体が動かなくなったところで、やっぱり心の機微やなんて言うんですか、表現力。
やっぱり経験が積み重なったことによって出てくる厚みとか、深みってものが出てくる職業だから、体が動かなくなってからが勝負じゃないですか。
でも動かなくなったところで勝負って、結構みんな言うんだけど、いやいやいや、積み重ねて深みがあって理解をしたときに、動いてたらどうなのって思うの、俺なんかは。
欲張りなのかな。
そういうようなことを考えてると、今から60超えたときがみんな勝負になってくるじゃない、歌舞伎役者って。
ある意味そうだと思うんですけど。
そんときのために動けるような体作りを今からちょっとしといて。
4、5、6、7。
海老蔵は、ハードな舞台に備え、日々のトレーニングを欠かさない。
鍛えられた体幹が演技のキレを生む。
60歳を超えても動ける体を。
関節の可動域を広げることも、大事な鍛錬だ。
人知れず努力する姿。
これも海老蔵の真実だ。
前も話したけどさ、結構短命なうちじゃない?だからやっぱり、ちょっと心がけないとなって。
やっぱり勸玄の子どもが生まれるまでは、やっぱりこう、生きなくちゃいけない義務も出来たのかななんて思うので、それまではこう、なんだろうね、だめかもしれないけど頑張らないといけないということも踏まえ、少しずつ、少しずつこう、やれることを、やれるだけのことを、自分の知ってる知識のことを精いっぱいやれるようにやっていこうじゃないかと。
以前、私たちの知る海老蔵は、少し生き急いでいるように見えた。
子どもが出来て、本当に変わった。
それは彼の妻から聞いたことば。
自分の生き様を見て、道を決める者がいるから。
海老蔵の背中がそう言っていた。
海老蔵が背負った重圧。
役者仲間の中村獅童はこう語る。
やっぱり歌舞伎界の宗家の市川團十郎というお名前にいずれはなるんでしょうけど、歌舞伎十八番、市川家の芸を守っていくっていう、彼の重圧もあるだろうけど、それは僕には想像もできないような重圧だと思いますけど、それと同時に、やっぱり守るのと同時に、革新を追求していくという精神は非常に共感します。
父、
成田山新勝寺。
成田屋の屋号ゆかりの地で、父、團十郎の一周忌法要が営まれる。
おはようございます。
初めての成田山ですね、どうですか?どうですか?パパのほうにおいで。
ああ、来た来た。
この日、子どもたちを初めて成田山に連れてきた。
上のときはまっすぐ、下のときは首で曲げない。
体で。
こうやらないの。
少し。
成田屋の跡継ぎとして生まれ、父の後を追うと決めた日から、親子は師匠と弟子になった。
稽古の厳しさに涙し、背負った責任の重さに耐えかねて、逃げ出したこともある。
大きな壁にぶつかるたびに、父は乗り越えようともがく自分を、静かに待っていてくれた。
歌舞伎役者としての体も心も、作り上げてくれたのは、十二代目團十郎だった。
晴れの襲名披露のあの日も、隣には穏やかにほほえむ父がいた。
とにかく父は、本当、節目節目で成田山に参拝するというか。
きょう初めて、子どもたちを連れてきてみたら、いやぁ。
なかなか…、父がいなくなったんだなっていうのを、改めてすごく感じてしまった。
成田屋の大きな柱を失って、この1年、ひたすらに走り続けてきた。
改めて、海老蔵が父、團十郎と向かい合う。
市川宗家を、受け継ぎたいと思います。
どこにも逃げずに、あなたと一緒に、受け継ぎたいと思います。
もう早いもので、1年以上の月日がたちました。
亡くなったあとは、泣けなかったんですけど、ちょっときょうは、だめみたいです。
お許しください。
本当に父が、この世からいなくなったんだなということを、再度、痛感しまして、やはり市川宗家として、きょうからさらに自覚を持って、精進していきたいと、心から強く思いました。
その6日後。
海老蔵は、歌舞伎座で行われた父、團十郎の追悼公演に臨んだ。
楽屋には、いつも父がいる。
歌舞伎十八番、勧進帳。
父、團十郎が大切にしてきた弁慶を演じる。
お願いいたします。
お願いいたします。
代々の團十郎、成田屋、市川宗家、歌舞伎十八番ということで、たまたま私に、そして父が亡くなって、本来だったら父がやってるはずです。
ですけども、そういうことなので、やらせていただける大舞台ですよね。
だからそういったひのき舞台の上で、そういった大きな舞台ができたっていうことは、やっぱり先祖のおかげ、先祖になった父のおかげ。
本当にそうだと思う。
で、また今、生きてらっしゃる諸先輩方が、力を貸してくださってるおかげ。
これはね、本当にだから、歌舞伎ってものを皆さんがちゃんと守っていこうという姿勢。
それに応えなくちゃいけない立場。
鬼気迫る海老蔵の弁慶。
歌舞伎座の空気が震えた。
この日の海老蔵のブログ。
忙しい合間を縫って、海老蔵は成田屋を支える役者やスタッフをたびたび食事に誘う。
海老蔵が輝けるのも、一緒に舞台を創る仲間があってこそ。
食事の途中に、海老蔵は誰かを見つけたようだ。
勸玄だ、アップにして、アップに。
ああ、いたいた、いた。
落とさないでほしいね。
勸玄くん!勸玄くん!どっこですか?ここです、ここです、ここにいます!あいつ、声通るな。
長男、勸玄も1歳。
その成長に、海老蔵も目を細めるばかり。
しゃべってます。
ね?たそがれてんね。
勸玄の名の由来、かんの文字は将来、歌舞伎十八番、勧進帳を演じてほしいという意味を込めた。
その息子はまだ、自分が背負うかもしれない宿命を知らない。
初めて見た、歩く勸玄くん。
物心ついたころに、その宿命を勸玄は、どう受け止めるのだろう。
でも、海老蔵さんも、あのぐらいの年のころは何も?
俺?いや、俺ね、でも、ちょっと考えてた。
本当ですか?
うん。
いや、歌舞伎のうちに生まれちゃったんだなってことは、うっすら分かるよ。
なんとなく、だからうちの娘なんて、やりたいけどやれないっていうのも、ちょっと分かってる。
だから、分かってる、ちょっと。
勸玄くん、勸玄君は将来、歌舞伎やりますか?
ちっちゃいからね、まだ。
歩くようになった勸玄は、ますます目が離せなくなった。
一方、長女、麗禾の歌舞伎熱は高まるばかり。
パパ!ねぇ、パパ!見て、ほら!パパ、見て!パパ。
おお、すごい元気だな。
火の精やってるんだ?すごーい!
同じ歌舞伎の家に生まれたのに、同じ道を行くことができない姉と弟。
かつて、妹、ぼたんと自分がそうだったように、2人が歩む運命を、海老蔵は見届ける覚悟だ。
海老蔵がまた動きだした。
海老蔵にとって、初めてのアジア公演。
開催地はシンガポール。
早速、歌舞伎を披露する場所の下見に訪れた。
会場は、シンガポールで有名なホテルにあるシアター。
客席はおよそ1700。
世界的なミュージカルやショーが上演されるこの劇場で、3日間、4公演を行う。
なんの問題もなさそうだね。
歌舞伎は、まだアジアでは認知度が低い。
しかし、カリスマ的魅力を持つ役者、海老蔵が、日本の伝統の心を見せてくれると、注目が集まった。
皆さん、こんにちは。
私は十一代目市川海老蔵です。
歌舞伎を世界に広めたい。
それが海老蔵の夢。
発展を続け、西洋と東洋、さまざまな人種が暮らすシンガポール。
アジア初公演にはうってつけの場所だった。
演目は連獅子。
歌舞伎舞踊の代表的作品だ。
親子の獅子の厳しさと情愛を踊りで表現する。
子獅子を舞うのは市川福太郎。
一般家庭の生まれだが、2年前、11歳のとき、演技や行儀作法に至るまで、役者としての英才教育を受ける部屋子になった。
その福太郎に海老蔵は新十郎と共に、細かな所作を教え込む。
ここで止めないの。
結局、ここで止めるとね、腰をすぐに入れずに、ここで止める。
ここで切る。
こうなる。
成田屋の芸を次の世代へと伝えていく。
シンガポール公演には、歌舞伎を楽しみにさまざまな国の人が集まった。
まさかりと呼ばれる、ぴんと立ったまげ。
市川家だけが口上で付ける、特別なまげだ。
この公演にかける海老蔵の、なみなみならぬ意気込みがうかがえる。
柿色に、三升の紋のかみしもで、シンガポール版の口上。
英語のことばかり考えておりまして、このあとの日本語を全く考えておりませんが、いずれの様、ご機嫌よろしゅうござりまする。
市川海老蔵にござりまする。
いよいよ、海老蔵と福太郎の連獅子。
福太郎にとってはもちろん初めての海外公演。
大舞台だ。
狂言師にふんした2人が、親子の獅子の情を踊りで表現する。
わが子を谷底に突き落とし、はい上がってきたものだけを育てるという、古くからの伝えを、2人が舞う。
最後の見せ場へ。
狂言師から獅子の精に早変わりを遂げる。
くま取り一筆にも歌舞伎の心がある。
それは、成田屋一門で伝統を守り、未来へと伝えていく心。
そして、海老蔵には胸に宿した決意と覚悟がある。
代を守り、代を伝えていくということ。
海老蔵が父、團十郎と幾度も踊った連獅子。
やがて勸玄と踊る日が来るだろうか。
新しいものはやがて古くなり、古いものが新しくなり、それは繰り返される。
でも、心を伝える根っこは変わらないと、海老蔵は言う。
総立ちの拍手が、歌舞伎は国境を越えられると教えてくれた。
つなぎですよ。
代々の團十郎として生きないといけないし、きっと、時代を生きないといけないし、古典芸能を背負わないといけないだろうし、でありながら、つなぎ目でしかないわけだ。
っていう、つなぎ目であるっていうことを認識するっていうことが大事だよね。
俺が、俺がってことも大事だし、だけどもまあ、俺が俺がだとだめなんだよね。
俺が俺がでありながら、
長女、麗禾ちゃんが3歳になり、七五三のお祝いです。
この日は着物で、家族写真を撮ることになりました。
勸玄君には、海老蔵さんの幼いころのものを着せました。
でも、少し困ったことが。
着物の丈がちょっと足りません。
勸玄くんの成長が早くて、仕立て直しが間に合わなかったそうです。
麗禾ちゃんはお姉ちゃんらしく、弟の面倒をよく見るんですって。
お母さんも助かりますよね。
家族の1年は、子どもたちを中心に回っているようでした。
年の瀬。
海老蔵はまたも、新たな道を切り開こうとしていた。
五右衛門がこうなってるところで、とどめを。
そうしたらだんだんだんだんと。
2015年の幕開けを飾る演目は、金田一少年の事件簿など、人気漫画の原作者、樹林伸と組んだ石川五右衛門。
5年前、主演の舞台には父、團十郎が共に立ってくれていた。
今回は天下の大泥棒の活劇を、さらに壮大なスケールで描き出す。
華やぎと熱気にあふれた初日。
舞台の成功を家族は祈る。
背負った伝統と宿命を受け止め、海老蔵は時代を生きる。
絶景かな。
絶景かーなー。
疾風怒とうのカブキ者。
代をつなぐ、その決意と覚悟は揺るぎない。
私たちが見つめ続けた海老蔵の真実。
見据えているのは100年先、200年先の歌舞伎の未来だ。
市川海老蔵。
やっぱり、2015/01/03(土) 19:00〜20:54
読売テレビ1
独占密着2200日!市川海老蔵にござりまする〜疾風怒濤の“KABUKI”者[字]

新春恒例!海老蔵SP▽長女お披露目パパ緊張▽愛息大きく▽麻央涙…結婚記念日▽源氏物語×歌舞伎×オペラ▽父一周忌で涙▽妹よ…梨園に生きる女性の決断▽新春は五右衛門

詳細情報
番組内容
新春恒例!市川海老蔵と家族に密着する第2弾▽長女麗禾ちゃんお披露目パパ緊張…くまモン競演▽長男勧玄くん1歳!こんなに大きく▽“色々思い出して”妻麻央さん…結婚記念日サプライズに涙▽海老蔵シンガポールへ…アジア初進出舞台裏▽源氏物語×歌舞伎×オペラ夢舞台▽古事記を歌舞伎に…大仕掛けで苦心▽一家の休日…ミッキーと対面▽人気ブログはこうして更新する▽妹よ!梨園に生まれた女性の覚悟と決断
出演者
市川海老蔵

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
劇場/公演 – 歌舞伎・古典
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー

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