世界の果ての通学路 2015.01.03


(ジャクソン)ゾウだ!世界には何時間もかけて道なき道を学校に通う子供たちがいます。
アフリカ・ケニア。
人里離れたサバンナに暮らすジャクソン。
モロッコの少女ザヒラは高い山々に囲まれた村に住んでいます。
アルゼンチンパタゴニアの平原で暮らすカルロス。
インド南部海沿いの小さな村に住むサミュエル。
朝ケニアのジャクソンの家です。
(ジャクソンの父)無事学校に着きますように。
我が子に祝福あれ。
学校まで安全であれ。
学校までは15キロ。
野生動物がいる危険なサバンナを2時間で駆け抜けます。
通学路には困難が待ち受けています。
(サミュエル)でこぼこ道だ気をつけろ。
(ガブリエル)お兄ちゃんは足をあげてて。
(ミカ)お兄ちゃん気をつけてね。
ここは滑るから。
(ザヒラ)勉強したいなら頑張らないと。
(ノウラ)そうね。
友達が足首を痛めたの。
助けて。
子供に構ってる暇なんかない。
何かと思えばそんな事か。
すごく痛がってるの!子供たちはなぜこれほど大変な思いをしてまで学校に通うのでしょう。
(子供たちの歓声)一生懸命勉強して学校を卒業すればいい仕事に就けるはずだ。
(サミュエル)うちは貧乏だけど学校に行かせてもらってる。
頑張らなきゃね。
(砂を掘る音)ここはケニア中央部の乾燥した高原地帯。
周囲には野生動物の住むサバンナが広がっています。
人口はまばらで人々は素朴な暮らしをしています。
ジャクソンは11歳。
ケニアライキピア地方に住むサンブル族の少年です。
(ジャクソン)炭作るの手伝う?
(ジャクソンの父)あぁ。
よし。
(ジャクソンの母)この辺りに土をかけて。
山盛りに。
よいしょ!今朝制服を洗った。

(歌声)食事の時間です。
サロメお前の分だ。
たくさん食べろ。
残すなよ。
家族みんなで食卓を囲みます。
ジャクソンはしっかり者の長男です。
明日は学校だろ。
ゾウを避ける行き方は知ってるよな。
まず川を渡ってそれから穴の開いた岩のある丘を越える。
もしゾウを見たら絶対に近づくんじゃないぞ。
自分の方へ向かってきたらとにかく逃げるんだ。
全力でな。
歩いてる時も周りの様子にしっかり注意するんだぞ。
気を緩めるな。
どんな時もだ。
(ジャクソン)気を付けるよ。
翌朝…そろそろ行かなきゃ。
遅れる。
(ジャクソンの父)あぁ。
今日は国旗を揚げる当番だ。
遅れるとまずい。
無事学校に着きますように。
学校に祝福あれ。
ペンが祝福され子供たちに成功を運び込みますように。
我が子に祝福あれ。
学校まで安全であれ。
無事学校に着けるよう毎朝のお祈りは欠かせません。

(ジャクソン)離れるな。
そばにいろ。
その距離を毎朝2時間で駆け抜けていきます。
(祈りの声)ザヒラは12歳。
モロッコのアトラス山脈に住むベルベル人の少女です。
(祈りの声)アトラス山脈の辺境の村では長い間女子に教育は必要ないとされてきました。
家族の中で学校に通わせてもらえるのはザヒラが初めてです。
家でも勉強に熱が入ります。
(ザヒラ)おばあちゃん。
(ザヒラの祖母)あぁザヒラか。
家にいる間におばあちゃんに本を読んであげるね。
あぁ頼むよ。
出発は?明日の予定。
(朗読する声)文字の読めない祖母のためにザヒラはよくこうして本を読んであげます。
学校に行ったの?おばあちゃんは。
学校には行った事がない。
モスクには行った。
タリブが私らにお祈りを教えてくれた。
コーランもね。
それだけ?
(ザヒラの祖母)そうだよ。
学べる場所といえばモスクだけだった。
当時は今とは時代が違ったんだよ。
お前たちは恵まれてる。
私らのようになっちゃいけない。
勉強して賢くなって自分の人生を切り開くんだ。
いいね。
(水音)
(歌声)
(ザヒラの父)また学校だな。
明日から。
(ザヒラ)ええ。
それで学校は何時に始まるんだ?始業のベルは朝の10時よ。
今何より大切なのは勉強だ。
だからしっかり学べ。
お前は奨学金ももらってる。
それを忘れるな。
はい。
(ザヒラの祖父)お前の学びの道に神の助けがあらん事を。
ありがとう。
ノウラとジネブにも会えるな。
ええ。
学校に通えるのも家族の支えがあればこそです。
(ザヒラの母)目標を達成できますように。
学年で1番になれ。
頑張る。
出発か。
いってきます。
神の御加護がありますよう。
しっかり勉強してきなさい。
気を付けて。
寄宿舎に入っているザヒラは毎週月曜日この山道を歩いて通学します。
学校までは22キロ。
4時間の旅です。
ケニアのジャクソンは妹のサロメを気遣いながら広大なサバンナを進んでいきます。
ひたすら学校を目指して…。
ゾウはあの辺によくいる。
でも昨日はふだんとは反対の側に群れがいた。
ケニアでは毎年4〜5人の子供がゾウの襲撃の犠牲になっているといいます。
ほらアカシアの辺りにいる。
あの高い木だよ。
木の間にゾウが何頭かいる。
見えるだろ?
(サロメ)ほんとだ。
(ジャクソン)今日はあの群れを避けてあっちから行かなきゃ駄目だな。
(サロメ)うん。
(ジャクソン)気を付けて行こう。
(ジャクソン)一人じゃなくてよかった。
山を越えていくモロッコのザヒラにも旅の道連れがいます。
ジネブ!ノウラ!お待たせ!おはよう。
宿題はちゃんとやった?
(ジネブ)やったよ。
(ザヒラ)ノウラも?
(ノウラ)うん難しかった。
(ザヒラ)じゃあ行こうか。
(ノウラ)うん。
行こう。

(鶏の鳴き声)
(ノウラ)鳴いてる。
(ジネブ)鶏と一緒なんだ。
ザヒラも大変だね。
気を付けて持ってって。
ケニアのジャクソンとサロメはサバンナを小走りに駆けていきます。
ゾウと遭遇しないよう願いながら…。
アルゼンチンのパタゴニア。
カルロスは乗馬が得意な11歳の少年です。

(カルロスの父)おはよう。
マテ茶は?
(カルロス)飲む。
カルロスは毎朝ヤギ飼いの仕事を手伝います。
(鳴き声)
(子ヤギの鳴き声)子ヤギを連れてきたのは…お乳を飲ませるため。
かわいいな。
家族そろって外で朝食です。
赤いリボンを持っていけ。
このリボンが学校までの道のりを守ってくれる。
持ってけ。
ありがとう。
(カルロスの父)お守りだ。

(カルロスの母)今日は何の授業があるの?スペイン語。
時間割は分かってる?もちろん。
(カルロスの母)ひどい成績は困るわよ。
(カルロス)ミカ急げ。
5歳年下の妹ミカも一緒に学校へ行きます。
これちゃんと着ててね。
はい。
朝はまだ結構冷えるから。
うん。
(カルロスの母)気を付けて。
(カルロス)いってきます。
アンデス山脈の麓広大なパタゴニアの山々や平原を越えていけるのは愛馬キベリトのおかげです。
(カルロスの父)じゃあな!
(カルロス)あぁ!
(カルロスの父)ミカを頼んだぞ!
(カルロス)任せて!学校までは18キロ。
毎朝1時間30分馬を走らせていきます。
再びケニア。
妹のサロメには少し疲れが見えます。
(ジャクソン)急ぐぞ。
(ジャクソン)早く来い!馬で通学するカルロスは難所にさしかかりました。
こんな道なき道を進めるのも冷静沈着なキベリトがいればこそです。
(ミカ)お兄ちゃん気を付けてね。
ここは滑るから。
いい子だキベリト。
モロッコのアトラス山脈の少女たちは…。
(ザヒラ)疲れた?
(ノウラ)ちょっと。
(ザヒラ)勉強したいなら頑張らないと。
(ノウラ)そうね。
学校のある町はまだはるか先です。
(ザヒラ)頑張ろう。
(ザヒラ)ノウラは足首が痛いって。
(ジネブ)遅いね。
(ザヒラ)寝てるみたい。
あの歩き方。
ノウラ急いで!
(ザヒラ)ノウラったらもう困らせて…。
(ジネブ)私だって疲れてるのに。
(ザヒラ)私だって。
ケニアのジャクソンたちの行く手に現れたのはキリン。
野生動物は子供たちにとって恐るべき存在です。
早足で行くぞサロメ。
この辺は危険だ。
通学路が危険に満ちているのはパタゴニアを行くカルロスたちも同じ。
でもお父さんがくれた赤いリボンが2人を守ってくれるはずです。
大急ぎで歩くジャクソンとサロメ。
早く危険地帯を抜けなければなりません。
カルロスとミカには途中寄っていく所があります。
この赤い祠です。
ここで学校までの道のりの安全を祈っていくのです。
お兄ちゃん前に座らせて。
ママが駄目だって。
サミュエルは13歳。
インド南部ベンガル湾沿いの漁村に住んでいます。
(笑い声)
(サミュエルの母)サミュエル帰るわよ。
海はどう?気持ちよかった?明日も来る?
(サミュエル)来たいな。
未熟児で生まれたサミュエルは手足が自由に動きません。
手の指を伸ばして。
痛い?うん?さあ伸ばして。
(サミュエルの母)次は首を動かすわよ。
動かす方向に気を付けてね。
神経を圧迫したら大変だから。
こっちを向いちゃ駄目。
ほら。
そっち側に頭を向けて。
動かないで。
(せきこみ)
(サミュエルの母)そのまま。
少しの間我慢して。
(痛がる声)
(サミュエルの母)神経のせいね。
(痛がる声)少しすれば痛みは引くわ。
ね?サミュエルには2人の弟がいます。
(サミュエルの母)これはどう?サミュエル?
(サミュエル)うん。
気分は?
(サミュエル)いいよ。
「貧しい詩人が王様に助けを求めました。
詩人は美しい詩で願いを訴えました。
王様は美しい詩に心を揺さぶられ願いを聞き入れました。
そしてその詩人を『タミル語の王』と呼んだのです」。
サミュエルと弟たちはいつも一緒です。
サミュエルが本を読んでやったあとは外でクリケット。
障害などものともしません。

(ガブリエル)アウト!アウトアウトアウトー!さっさと食べて学校に行こう。
分かってる。
学校に行ってお金を稼げるようになりたい。
トラックを買ってデリーに行くんだ。
お金を稼げば何でも買える。
うん。
でもどうやって稼ぐの?大人になれば…。
(エマニュエル)ちゃんと稼げるもんさ。
うん。
(ゲップ)
(笑い声)
(サミュエルの母)エマニュエル!ガブリエル!さあ時間だよ。
サミュエルが通学できるのはにわか作りの車椅子と2人の弟たちのおかげです。
車椅子でけがしないようにね。
ガブリエル。
(ガブリエル)うん。
エマニュエルも。
いい?あぁ。
寄せ集めの材料で作ったオンボロ車椅子を動かすのは一苦労。
毎朝4キロの道のりを1時間15分かけて引っ張っていきます。
いってきま〜す!いってらっしゃい。
気を付けて!エマニュエル頼んだわよ。
気を付けて。
モロッコの少女たちはまだ山の中です。
(ザヒラ)一人じゃないわ。
大丈夫よ。
村はもうすぐだし…。
なんとかなる。
そう村まで出ればなんとかなるわよ。
・どうしたんだ?見て。
誰かが来る。
頼んでみよう。
(ザヒラ)友達が足首を痛めたの。
助けて!
(ロバの男)子供に構ってる暇なんかない。
何かと思えばそんな事か。
すごく痛がってるの!
(ロバの男)こっちも忙しいんだ。
冗談じゃない。
先を急がんと。
(ジネブ)意地悪な男。
乗せてくれないのね。
でもアルムドは近いわ。
なんとか頑張れそう?どう?そうね。
(ジネブ)もう少し歩けそう?うん。
私たちがついてるからね。
(ノウラ)ありがとう。
(ジネブ)行こう。
3人の少女たちはまた険しい山道を歩き始めました。
お互いに声をかけ合いながら一歩一歩進んでいきます。
学びたいという強い意志に突き動かされて…。
(小声で)ほらあそこにいる。
見えるか?あの木の陰だ。

(ゾウの鳴き声)ゾウの一家が勢ぞろいだ。
たくさんいるのが分かるだろ。
出くわさないように回り道だ。
(ゾウの鳴き声)
(ジャクソン)ゾウだ!
(ジャクソン)急げ!早く!早く!跳べ!ドジ!早く立て!急ぐんだ!水がこぼれてる!早く!追いつかれる!走れ!シーッ…。
(サロメの荒い息遣い)
(小声で)お前の息うるさいぞ。
ゾウがいないか見て。
近くにいる?
(ジャクソン)分からない。
お兄ちゃんいるかどうか見てよ。
(ジャクソン)声を出すな。
大丈夫だ。
(サミュエル)でこぼこ道だ気を付けろ。
前もこの辺りで転んだしな。
(ガブリエル)危ないからお兄ちゃんは足を上げてて。
車椅子での通学はトラブルの連続です。
(サミュエル)慎重にな。
(ガブリエル)黙ってつかまってて。
牛に襲われて転んだ事もある。
(ガブリエル)うん。
気を付けてくれよ。
(ガブリエル)あの日は思いっきり飛ばしてた。
そしたら牛が襲ってきたんだよね。
あんなのは御免だ。
(サミュエル)足を折りたくない。
(サミュエル)気を付けろ。
ゆっくりでいいんだからな。
(ジャクソン)襟が曲がってる。
ちゃんと直しとけ。
友達に笑われるぞ。
ケニアのジャクソンとサロメは危機を逃れ一息ついています。
(ジャクソン)ほら食べろ。
(笑い声)
(歌声)
(ザヒラ)頼めば乗せてくれる人はいるはずよ。
モロッコの3人の少女はようやく平坦な場所に出ました。
(ザヒラ)早いとこ見つかるといいんだけど。
ヒッチハイクのチャンスに懸ける事にします。
結構待つ事になるかもね。
(サヒラ)ずっと車が来ないと遅れちゃいそう。
私の足のせいでごめん。
(ザヒラ)あっ来た。
アスニまで乗せてって。
お願い。
アスニまでって何の用だ?学校。
駄目だ他人は乗せない主義だ。
(ノウラ)ねえどうする?
(ザヒラ)もうこうなったら待つしかないでしょ。
それにしても…何台も通ったのに全滅よね。
この調子じゃ絶対遅刻だ。
来た。
あの車に懸けよう。
学校に行きたいの。
乗せてって。
子供は乗せられない。
そこをなんとかお願いします。
ずっとここに?ええ。
しかたない。
荷台に乗せてやる。
ありがとうございます。
ようやく親切な人に巡り合えました。
(ジネブ)頑固な運転手に断られて。
(荷台の男)しっかりつかまれ。
(荷台をたたく音)これで一安心。
学校のあるアスニまで乗せていってもらえます。
インドの3兄弟にはどんな困難も吹き飛ばす明るさがあります。
(列車の音のまね)
(エマニュエル)その列車はどこ行き?アメリカ行きだ。
雨が降らない国なんだって。
アメリカまで行くのか?
(ガブリエル)そうさ。
へえ。
かなり時間がかかりそうだ。
(エマニュエル)何時間ぐらい?
(ガブリエル)そうだな…1時間だ。
(列車の音のまね)
(サミュエル)今度はどこへ?えっと…アフリカだ!どれくらいかかる?
(ガブリエル)5分だよ。
5分で?
(ガブリエル)大丈夫!行けるよ!
(エマニュエル)大変だ!トラックが道を塞いでるぞ。
行く手に大きなトラックが立往生しています。
(サミュエル)どうやって通り抜けるんだ?
(エマニュエル)どうしよう。
(エマニュエル)通して!学校に遅刻しちゃう!学校に行くのか?
(エマニュエル)そうだよ。
通して。
(大型トラックの男A)脇を通るのは無理だな…。
向こうに運んでやろうか。
おい手伝ってくれ。
(大型トラックの男A)名前は?サミュエル。
(大型トラックの男A)どこの学校?ペリヤパッティナム。
(大型トラックの男B)そうか。
(大型トラックの男A)兄弟か?はい。
(大型トラックの男A)もう少しだ。
何年生だ?
(サミュエル)6年。
(大型トラックの男A)6年生か。
おおほら着いた。
(エマニュエル)よかった。
下ろすよ。
ありがとう。
(大型トラックの男A)この先も気を付けてな。
頑張れよ。
思わぬトラブルでしたが無事乗り越える事ができました。
ケニアのサロメは兄に遅れまいと必死です。

(サロメ)もう少しゆっくり。

(ジャクソン)急げ。
国旗の係だ。
(ガブリエル)お兄ちゃんがこっちから行こうなんて言うからだ。
(エマニュエル)その方がいいと思ったんだ。
(ガブリエル)全然よくなかったじゃないか。
近道だと思ったから。
あっちの上の方行けば簡単だったのに。
けんかしてる場合じゃないだろ。
だってこんなの…あんまりだ。
(うなり声)これ以上押せないよ。
水に入るなんてむちゃだったんだ。
(うなり声)一難去ってまた一難です。
(ガブリエル)行け!あ〜っ一気に渡らないと動けなくなる。
頑張れ頑張れ!
(ガブリエル)よ〜し一気に登るぞ!
(エマニュエル)もう一息だ。
押せ!押せ!アルゼンチンのカルロスたちもトラブルに見舞われているようです。
(カルロス)石が挟まってた。
(ミカ)ああ…。
お兄ちゃん前に座らせて。
ママにはないしょだぞ。
うん!ありがと!行こう。

(カルロス)手綱離すなよ。
(笑い声)近づいてきたのは…。
馬で通学する友達です。
やあ。
カルロス。
おはよう。
やあ。
元気か?ああ。
おはよう。
(白パーカーの友達)やあミカ。
(カルロス)行こう。

(祈りの声)敬虔なイスラム教徒は礼拝の時間が来ると仕事を中断して祈りをささげます。
(祈りの声)ザヒラたちは待つしかありません。

(空気漏れの音のまね)
(エマニュエル)ガブリエル。
(ガブリエル)ああ?
(エマニュエル)何の音をまねしてる?
(ガブリエル)タイヤの空気が漏れる音。
ガブリエルには車椅子の調子の悪さをジョークにする余裕があります。
(空気漏れの音のまね)ジョークですめばいいのですが…。
(空気漏れの音のまね)
(ガブリエル)ねえちょっと止まって。
タイヤがおかしいよ。
(ガブリエル)だから進まないんだ。
ねえお兄ちゃん止まってちゃんと見て。
この車椅子もう駄目だよ。
タイヤが外れかけてる。
(エマニュエル)はめればいいだろ。
(ガブリエル)やってよ。
(エマニュエル)分かった。
(ガブリエル)押し込んでみて。
強く。
もっと強く!
(エマニュエル)こっちからやるか。
(サミュエル)学校に遅刻するぞ。
(ガブリエル)じゃあこのまま行こう。
(うなり声)
(ガブリエル)引っ張って!
(うなり声)
(ガブリエル)あ〜っタイヤが外れちゃった。
どうしよう?直せっこないよ。
完全に壊れちゃったもん。
あ〜あこれじゃどうしょうもないよ。
(エマニュエル)持ち上げて。
どう?
(サミュエル)おい何してんだよ?大丈夫だよ怖がらなくても。
(エマニュエル)修理してくれる店を探さなきゃ。
(ガブリエル)やっぱりな。
僕たちには無理だよ。
持つよ。
(エマニュエル)なんでこんな事に。
走り続けるジャクソンとサロメ。
家を出てからそろそろ2時間です。

(ジャクソン)行こう。
(修理屋)ひどいもんだな。
まったく。
(ガブリエル)でも直して。
インドの3兄弟は修理屋さんのところへやって来ました。
修理を待つ間サミュエルとガブリエルは遊びに夢中です。
あちこちがボロボロだ。
もっと丁寧に扱え。
どういう扱いをすればこんな事に。
サミュエルとガブリエルには修理屋さんの言葉は聞こえているのでしょうか?エマニュエルだけが修理を見守ります。
(エマニュエル)スポークが曲がってるからそれも。
ああ直すよ。
頼もしい修理屋さんに見てもらえて一安心です。
(ガブリエル)ありがとう。
(修理屋)ああ。
これでまた動くはずだ。
(ガブリエル)ここでいい?
(修理屋)こっちに回せ。
(ガブリエル)行こう。
急がなきゃ。
じゃあ気を付けて行くんだぞ。
モロッコの3人の少女は学校の門をくぐる前に市場へ。
(ザヒラ)あの〜すみません。
この鶏とお菓子を交換してもらいたいんですけど。
(男性)見せてみろ。
(ザヒラ)これです。
(男性)いくら分欲しい?800サンチーム。
800?ええ。
よしいいだろう。
全種類?できれば…。
全種類を少しずつ?ザヒラが鶏を持ってきたのはこのためでした。
ほれ。
ありがとう。
まいどあり。
じゃあ行こう。
家を出てから4時間。
ようやく寄宿舎に到着しました。
月曜日から金曜日まではここで過ごします。
(ノウラ)急がなきゃ。
(ジネブ)授業に遅れちゃう。
ザヒラたちがここまでして学校に通うのはかなえたい夢があるからです。
ジャクソンとサロメはなんとか朝礼に間に合いました。
今日ジャクソンには大切な役目があります。
続いて国歌斉唱です。

(「ケニア国歌」)馬で通学するカルロスたちも学校までもう少しです。
無事学校に到着。
今日はミカが国旗を揚げる当番です。

(「アルゼンチン国歌」)
(エマニュエル)いいかな。
(ガブリエル)もうちょっと。
急いでくれよ。
学校はもう始まってるんだぞ。
(エマニュエル)準備できた?
(ガブリエル)じゃあ行こう。
(エマニュエル)もういい。
いいかげんにしろよ。
じゃれ合ってる場合じゃないだろ。
早く行こう。
(ガブリエル)帰りも教室へ迎えに行くからね。
待ってて。
ああ。
トラブル続きだったインドの三兄弟もなんとか学校にたどりつきました。
(祈る声)ケニアのジャクソンが通う学校では朝礼の最後に祈りをささげます。
(祈る声)え〜っとどの教室に行けばいいんだっけ。
週末家に帰ってるとすっかり忘れちゃう。
(ノウラ)もう月曜日か。
(ザヒラ)週末はあっという間。
そうだ月曜日は数学からだったわね。
学校に来るのは大変だけど友達に会えるのはやっぱりうれしいな。
今週も頑張ろう。
学校に着いたサミュエル。
あとは同級生が教室まで連れていってくれます。
みんな障害を乗り越えて頑張るサミュエルの味方です。
アルゼンチンのカルロスのクラスでは授業が始まりました。
(先生)搾乳システムとは何の事だ?
(生徒)乳の搾り方の事です。
(先生)よし。
じゃあカルロス搾乳する時気を付けなければならない事は?まず搾る前に乳房をきれいに洗って最初のひと搾りは捨ててから始めます。
では素手で乳を搾るとしたらその手はどんな状態に保つ?清潔に。
そしてケニアのジャクソンの教室。
(けん騒)
(先生2)おはよう。
(子供たち)おはようございます。
(先生2)欠席者は?
(子供たち)いません。
(先生2)すばらしい。
着席。
(子供たち)はい先生。
みんなよく元気に学校へ来てくれた。
この辺りの通学路はゾウに遭遇する危険が高い。
家が遠いジャクソンは特にね。
だから学校に来るだけでも大変な事だ。
みんなよく無事に登校できた。
その事を神に感謝しなくては。
では勉強を始めよう。
ノートとペンを出して練習問題を始めて。
繰り返し問題を解くんだ。
そうすれば身につく。
インドのサミュエルも授業の真っ最中です。
その目は真剣そのもの。
サミュエルだけではありません。
子供たちの目はまっすぐ先生の方へ向けられています。
未来を切り開こうという意気込みにあふれて。
(サミュエル)立派な大人になりたい。
普通僕のような子供は学校に通わせてもらえない。
僕と一緒に勉強していたある女の子の事を覚えている。
障害もないし頭も良かったのに親に退学させられた。
お金持ちの家なのに。
うちは貧乏だけど学校に行かせてもらってる。
頑張らなきゃね。
ちゃんとした教育を受けたいと思ってる。
一生懸命勉強して学校を卒業すればいい仕事に就けるはずだきっと。
そしたら自立できるし家族の力にもなれる。
大人になってもずっと地元にいるつもりだよ。
先祖代々の土地に住みたいんだ。
そして…将来は獣医になる。
大きくなったら学校の先生になりたい。
夢は医者になる事。
病気の人を治してあげたい。
助けてあげたいの。
特に貧しい人たちをね。
それから遠く離れた村に住む女の子たちがずっと勉強を続けられるように何か手助けができたらいいな。
僕にも夢があるよ。
それはパイロットになって大空を飛ぶ事だ。
世界中を空から眺めるんだ。
この国を飛び出して見てみたい。
湖とか一番高い山とかあらゆるものを。
…そう。
何も持たずに生まれ何も持たずに死ぬ。
それが人間だよね。
将来は医者になって僕のような子供を歩けるようにしてあげたい。
それが僕の夢。
僕のゴールだ。
決めてるんだもう。
2015/01/03(土) 17:30〜18:50
NHKEテレ1大阪
世界の果ての通学路[二][字]

世界には、何時間もかけて道なき道を学校に通う子どもたちがいる。なぜ彼らはそこまでして学校に通うのだろう?4か国の子どもたちの通学に密着したドキュメンタリー映画。

詳細情報
番組内容
野生動物に襲われる恐怖の中、サバンナを2時間走り続けるケニアの兄妹。モロッコの少女は毎週末、4時間かけて自宅と寮を往復する。アルゼンチンの兄妹は危険な崖を馬で通学。兄の車いすを押しながら1時間半かけて学校に通うインドの兄弟。子どもたちを支えているのは、「学びたい」という強い思いだ。「なぜ学ぶのか?」という問いに、皆、目を輝かせながら答える…。大きな反響を呼んだドキュメンタリー映画をテレビ初放送!

ジャンル :
映画 – 洋画

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
外国語
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:8638(0x21BE)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: